気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

イエライシャン

2005-07-06 21:52:57 | つれづれ
だまされて蟹がもらひし柿のたねビールのつまみにわがかじりをり

バラライカの三角胴はをりをりに露西亜をとめの脇腹刺さむ

前足に遅れずとしてうしろ足けんめいうごく横長の犬

人の気配感知して灯る門灯ありぶきみなるしかけとわれ思はむか

夜を知るイエライシャンの五裂花(ごれつくわ)はわたくしまへににほひはじめぬ

(小池光 青葉の中へ 短歌7月号)

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府立図書館で例のごとく「短歌」を閲覧して帰宅。夕刊(朝日)をひらくと小池さんの写真に出会う。今月も締め切りに間に合うように、歌を送ることが出来てよかった。

目に映ったちょっとしたことを、大仰に歌にするのも歌人の仕事。イエライシャンという花を知らなかったが、ネットで調べてわかった。イエライシャン→夜来香→李香蘭→三時のあなた→高峰三枝子と連想はすすむ。「わたくしまへに」というところから、わたくしだけのために花が匂うという作者の解釈がわかる。


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