最後には歌が残ると言いたれどおのれの歌にあらぬさびしさ
人はついに分からぬからに卓上の眼鏡の玉を見つめていたる
絵のような写真は残る若き母父にもたれてリラの花の下
だんだんと変になりゆく自分なりそれを知りつつ少し楽しむ
ねんてんの随筆をよむつまんないなあと浮かぶねんてんの顔
始めあれば終わりがあるということば平凡にして身に沁みるなり
公園に陽を浴びているあたたかさこんな時間を吾は得たりき
比較するおのれの性を人間のゆえと思えど寂しきろかも
思うべし誰にもわからぬ終末を迎えつつあるホモ・サピエンス
暗闇の中に聞きいる朝のニュース生きたければみずからに守れ、と
(大島史洋 どんぐり 現代短歌社)
人はついに分からぬからに卓上の眼鏡の玉を見つめていたる
絵のような写真は残る若き母父にもたれてリラの花の下
だんだんと変になりゆく自分なりそれを知りつつ少し楽しむ
ねんてんの随筆をよむつまんないなあと浮かぶねんてんの顔
始めあれば終わりがあるということば平凡にして身に沁みるなり
公園に陽を浴びているあたたかさこんな時間を吾は得たりき
比較するおのれの性を人間のゆえと思えど寂しきろかも
思うべし誰にもわからぬ終末を迎えつつあるホモ・サピエンス
暗闇の中に聞きいる朝のニュース生きたければみずからに守れ、と
(大島史洋 どんぐり 現代短歌社)