気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

今日の朝日歌壇

2014-01-06 21:41:53 | 朝日歌壇
フクシマに生きて千日ふと思うムカシハモノヲオモハザリケリ
(福島市 伊藤緑)

日本語の撮りだめドラマとミルクティーで充電をする日曜の朝
(イギリス ボイド知子)

口角をあげて微笑む月がいて冬の夜空に励まされてる
(東京都 西出和代)

************************************

一首目。東日本大震災からそろそろ千日。それまでの穏やかな暮らしを思えば「むかしはものをおもはざりけり」という感想を持たざるを得ないのだろう。カタカナ表記が効いている。
二首目。イギリス在住の作者の気持ちが、素直に出ていて好感の持てる歌になっている。やっぱりミルクティーなんだなと納得した。
三首目。初句の「口角をあげて」が具体的でいきいきした表現。三日月のある夜空に励まされるように思うことができるのは、作者の心が健全だからだろう。