気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人1月号 1月の扉

2014-01-03 18:02:08 | 短歌人同人のうた
にぎやかな時計とおもう時刻知るために目をやる朝のテレビは

並びいるデジタル時計と砂時計 秒針の音を厭う部屋には

(砺波湊 シの音)

退職の記念品なる置き時計時間を気にせぬ日々を動けり

中天に太陽あればお昼時山の仕事に区切りをつける

(谷口龍人 時を刻む)

一時間に一回脱出くはだてる時計にとぢこめられた小鳩は

マッチ棒ならべ教へし指いづこ「ローマ数字は時計数字さ」

(榊原敦子 人の時)

菊時計と呼びてみるべし銀行の愁ひの灯とて菊花はともる

木の枝に架かる時計の文字盤もねぢけてわれの記憶を醒ます

(大森益雄 一秒息災)

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短歌人1月号、1月の扉。今月のお題は「時計」。