気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人7月号 同人のうた その3

2013-07-25 18:40:04 | 短歌人同人のうた
水鳥を光の毬と思うときこんなに人が遠い日の暮れ
(守谷茂泰)

一条の傷をもつ身になりたれば眩しかりけり今日の桜は
(大谷雅彦)

仕事だと称して毎日行くプール早出に遅出 欠勤もする
(立花みずき)

淋しさが居坐る時は十八の私と歌う「山のロザリオ」
(岩本喜代子)

阿倍野にておぼろうどんを食む昼に川本浩美の巨体を思ふ
(吉浦玲子)

憲法を変へて何せむ愛鳥週間の居酒屋鳥六閑散として
(西王燦)

牡丹花のくれないに射す昼ひかり平安のごとく不穏のごとく
(川田由布子)

窓よりの光うすれて灯ともせばにはかに影濃くものたちあがる
(蒔田さくら子)

喪の家を訪ねて帰る札幌の街の暮色に紛れんとする
(西勝洋一)

ツィギーのミニスカートから美魔女まで生きて流行(はやり)に離れず即かず
(平野久美子)

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短歌人7月号、同人1欄より。