気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

短歌人2月号 2月の扉

2013-02-02 17:00:30 | 短歌人同人のうた
けさの落葉特選五枚を拾ふときおのづとはづす右手袋を

雪降れば赤き手袋買ひにゆくこころは永久(とは)に齢に届かず

(和田沙都子 手袋いろいろ)

手袋の左右をつなぐ紐長く鉤針編みに結びてやりぬ

素っ気ない軍手がもっとも有用で自転車をこぐ深し冬天

(林悠子 ろ・く・ぶ・て)

ヒロインが手袋嚙んでぬぐところ真似してゐたり夜の帰り道

とことはに白手袋のミッキーマウスゑがほひとつに乗り切る秘訣

(川井怜子 ヒロインが)

手袋のまま煙草喫ふ男ゐてひとしほ寒き夕昏れの駅

人は皆長生きすれば年をとる軒に軍手は並び干されつ

(手袋雑感 大橋弘志)

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短歌人2月号、2月の扉。今月のお題は「手袋」