心にはまだ熱がある両手には昨日は鳴子今日はペンライト
左下奥歯が痛むさはあれど日本語をなお嚙みしむるべし
(西川才象 鳴子とペンライト)
<森の香り>のルームスプレー選びおり童話の中にしか知らぬ森
海に浮かべば二晩ほどはからだから波が去らないことおぼえてる
(砺波湊 夏の跡)
あしひきの多摩の横山削られてレゴ組むごとくホスピスが建つ
可憐なる少女の名にも聞こゆるを イペリット ジフェニール サリン
(八木博信 炉座)
生きている図書館、死んでる図書館と巡りて夏の半日は過ぐ
金だ銀だと小煩き日々過ぎゆけり小夜中を聴くキリギリスの声
(烈夏短章 西勝洋一)
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短歌人10月号、秋のプロムナードより。
左下奥歯が痛むさはあれど日本語をなお嚙みしむるべし
(西川才象 鳴子とペンライト)
<森の香り>のルームスプレー選びおり童話の中にしか知らぬ森
海に浮かべば二晩ほどはからだから波が去らないことおぼえてる
(砺波湊 夏の跡)
あしひきの多摩の横山削られてレゴ組むごとくホスピスが建つ
可憐なる少女の名にも聞こゆるを イペリット ジフェニール サリン
(八木博信 炉座)
生きている図書館、死んでる図書館と巡りて夏の半日は過ぐ
金だ銀だと小煩き日々過ぎゆけり小夜中を聴くキリギリスの声
(烈夏短章 西勝洋一)
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短歌人10月号、秋のプロムナードより。