江戸前のにぎりをいうもさりながら大阪寿司の穴子がうまい
まずもってます寿司、酢飯と自己主張しない鱒との相性がよい
(吉岡生夫 寿司談義…吉岡の吉は土の下に口です。字が出ません)
ひとり去りわれのみとなりし店内に「ほろ酔いセット」運ばれて来ぬ
力尽きて落ち来し蝉のかすかなる夏の命を草上に置く
(藤本喜久恵 蝉)
夏休みの始発電車の愉しさはリュック背負へる少年と父
中空(ちゆうくう)の茎あれば七つの穴をあけ笛つくるこころ昔も今も
(和田沙都子 大阪へ)
彫られたる墓石おもての「ハツ」の文字ちちが呼びゐしこゑのかさなる
公園口信号をわたる炎昼の墨をながせるやうな蝉声
(紺野裕子 白い日傘)
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短歌人10月号。「秋のプロムナード」から。
それぞれの個性がみんなちがっているのが、愉快で短歌人的と思う。
まずもってます寿司、酢飯と自己主張しない鱒との相性がよい
(吉岡生夫 寿司談義…吉岡の吉は土の下に口です。字が出ません)
ひとり去りわれのみとなりし店内に「ほろ酔いセット」運ばれて来ぬ
力尽きて落ち来し蝉のかすかなる夏の命を草上に置く
(藤本喜久恵 蝉)
夏休みの始発電車の愉しさはリュック背負へる少年と父
中空(ちゆうくう)の茎あれば七つの穴をあけ笛つくるこころ昔も今も
(和田沙都子 大阪へ)
彫られたる墓石おもての「ハツ」の文字ちちが呼びゐしこゑのかさなる
公園口信号をわたる炎昼の墨をながせるやうな蝉声
(紺野裕子 白い日傘)
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短歌人10月号。「秋のプロムナード」から。
それぞれの個性がみんなちがっているのが、愉快で短歌人的と思う。