機窓開け果てまで白雲(はくうん)踏みゆかばきつと遇ひ得むかの亡き人ら
(蒔田さくら子)
掌に剥きあげたりし蜜柑あり時間掛けたるもの光もつ
(多久麻)
自爆テロリストとならねば平凡に永代橋を渡る仕合せ
(藤原龍一郎)
もの言はず送信着信くりかへす車内に透明のさざ波立ちをり
(斎藤典子)
悪食と美食のあひに身を反らす鰧(をこぜ)は旨し謹みて食(を)す
(武下奈々子)
雲ばかり見ているうちに夕雲になってしまいしわれかもしれず
(関谷啓子)
シャッター式雨戸といふはすさまじき音にて分かつ小菊とわれを
(佐々木通代)
結末を知ったからとて何になる紐で括った洋書少々
(武藤ゆかり)
逝くまへのひとつの吐息 おそ秋の冷えたる朝の鍋の浅蜊は
(染宮千鶴子)
人類のもっとも陽気な深呼吸アコーディオンは空へ膨らむ
(森澤真理)
たぎる湯に青菜肉片投げ入れて魔女にはあらず聖女にあらず
(今井千草)
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短歌人2月号で○をつけた歌、取り急ぎ引用します。
(蒔田さくら子)
掌に剥きあげたりし蜜柑あり時間掛けたるもの光もつ
(多久麻)
自爆テロリストとならねば平凡に永代橋を渡る仕合せ
(藤原龍一郎)
もの言はず送信着信くりかへす車内に透明のさざ波立ちをり
(斎藤典子)
悪食と美食のあひに身を反らす鰧(をこぜ)は旨し謹みて食(を)す
(武下奈々子)
雲ばかり見ているうちに夕雲になってしまいしわれかもしれず
(関谷啓子)
シャッター式雨戸といふはすさまじき音にて分かつ小菊とわれを
(佐々木通代)
結末を知ったからとて何になる紐で括った洋書少々
(武藤ゆかり)
逝くまへのひとつの吐息 おそ秋の冷えたる朝の鍋の浅蜊は
(染宮千鶴子)
人類のもっとも陽気な深呼吸アコーディオンは空へ膨らむ
(森澤真理)
たぎる湯に青菜肉片投げ入れて魔女にはあらず聖女にあらず
(今井千草)
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短歌人2月号で○をつけた歌、取り急ぎ引用します。