美しきかたちと思う忠敬(ただたか)の結びあげたる海岸線を
硝子片塀に刺しつつこんなにも人を信じぬもの美しき
地中ふかく根を張るものへ憧れを抱き樹形図の先に滴る
ら・ふらんす熟れゆく部屋に人はなく里の雛(ひいな)に会わぬ春暮れ
南中の辻を行き交う夏日傘あまた小さき影を曳きおり
(吉野亜矢 滴る木 ながらみ書房)
************************
未来とレ・パピエ・シアンに歌を発表しておられる吉野亜矢さんの第一歌集。
独特な感性で詠まれている歌で、なかなか解釈がむつかしい。
一首目は、伊能忠敬の地図から発想して作られたのだろう。
言葉の操作の中で、美を表現することを目指している方だと思った。
硝子片塀に刺しつつこんなにも人を信じぬもの美しき
地中ふかく根を張るものへ憧れを抱き樹形図の先に滴る
ら・ふらんす熟れゆく部屋に人はなく里の雛(ひいな)に会わぬ春暮れ
南中の辻を行き交う夏日傘あまた小さき影を曳きおり
(吉野亜矢 滴る木 ながらみ書房)
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未来とレ・パピエ・シアンに歌を発表しておられる吉野亜矢さんの第一歌集。
独特な感性で詠まれている歌で、なかなか解釈がむつかしい。
一首目は、伊能忠敬の地図から発想して作られたのだろう。
言葉の操作の中で、美を表現することを目指している方だと思った。