気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

夜音の遠音 山吹明日香 

2006-12-16 22:39:59 | つれづれ
自分だけ特別とどの少年も思へるやうにうなづきてやる

誰に逢ふけふであるかは知らぬまま樹上を渡るやうに歩まむ

少年ら甘え上手で半貴石蒐めるやうに愛してしまふ

少女らの白きくちびる否定形ばかりを並べ望みを語る

受かつたら来ますと言ひてそれつきり桜餡パンぐいと噛み切る

(山吹明日香 夜音の遠音 北冬舎)

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先週、杉田加代子さんの歌集『マクベスの妻』を読む会でご一緒した山吹明日香さんが第二歌集を出されたとのことで、贈っていただいた。山吹明日香さんは、未来、レ・パピエ・シアンで作品を発表しておられる。
予備校で生徒の相談役のお仕事をされているらしく、生徒たちへの暖かい目が歌に感じられた。またご本人も純粋で若い感性で歌に取り組んでおられるようだ。歌に透明感があるのが好ましい。