草叢に墜ちたる鳥のごときかな霧にまぎれてあさの水際へ
魂きはる昭和は昏し、くらければ火の匂ひする言葉を我に
たましひもひかりもかぜもうつろひて海境(うなさか)に降る雪のぬくもり
しづかなる海の上(へ)にひかりあふれをりあかるきことは寂しかりけり
屋梁(はり)ふかく打ちこまれをる古釘は若草の野辺をおもひて啼きぬ
(海境 角田純 砂子屋書房)
*********************
きょうはわりと時間があるので、日曜日に行った批評会の『海境』の復習。
松山市の海の近くで仕事をしておられるらしい作者だが、経歴はなぞのまま。読者はその重い詠いぶりに酔っていればよいのであって、決して詮索してはならない。
タイトルがすべてを語っている。
暮れいそぐ冬の一日どなたとも話さぬことが慣らひとなりぬ
(近藤かすみ)
魂きはる昭和は昏し、くらければ火の匂ひする言葉を我に
たましひもひかりもかぜもうつろひて海境(うなさか)に降る雪のぬくもり
しづかなる海の上(へ)にひかりあふれをりあかるきことは寂しかりけり
屋梁(はり)ふかく打ちこまれをる古釘は若草の野辺をおもひて啼きぬ
(海境 角田純 砂子屋書房)
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きょうはわりと時間があるので、日曜日に行った批評会の『海境』の復習。
松山市の海の近くで仕事をしておられるらしい作者だが、経歴はなぞのまま。読者はその重い詠いぶりに酔っていればよいのであって、決して詮索してはならない。
タイトルがすべてを語っている。
暮れいそぐ冬の一日どなたとも話さぬことが慣らひとなりぬ
(近藤かすみ)