呼ばるるを待つ人のなかをちこちに二年後五年後十年後のわれ
視線合ふことを畏れて本を読むそれに飽きればまた壁を見る
(大橋弘志)
決められた時間の中で動きたり待合室は時のきれはし
次々と見知らぬ人が後に来て押し出されゆく待合室を
(齋藤和美)
半年ぶりの歯科健診にきてみれば待合室にBach流れる
エレベーター降りるとそこは待合室さながら静かな喫茶店のよう
(野中祥子)
週刊誌手もち無沙汰の手にとりて待合室に読むスキャンダル
わが友が舌癌の末に入りにける終(つひ)の待合室のホスピス
(秋田興一郎)
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短歌人3月号、3月の扉。題詠*待合室を詠む
視線合ふことを畏れて本を読むそれに飽きればまた壁を見る
(大橋弘志)
決められた時間の中で動きたり待合室は時のきれはし
次々と見知らぬ人が後に来て押し出されゆく待合室を
(齋藤和美)
半年ぶりの歯科健診にきてみれば待合室にBach流れる
エレベーター降りるとそこは待合室さながら静かな喫茶店のよう
(野中祥子)
週刊誌手もち無沙汰の手にとりて待合室に読むスキャンダル
わが友が舌癌の末に入りにける終(つひ)の待合室のホスピス
(秋田興一郎)
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短歌人3月号、3月の扉。題詠*待合室を詠む