2/Fatal Reality
少なくともバカでかいビルの建ち並ぶ都心でそれはちょっととは思わんでしょう。普通はそう。でもバカでかい街路樹が立ち並んでいてビルの景色も何もかも見えなくなった並木道はさすがに誰だってもうこれはちょっとって思うもんです。それにふと催してトイレにいったらバカでかい広間に負けじとバカでかい便座があったらさすがにムムってなんのよ。それからずいぶん . . . 本文を読む
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涙を溜めて見開かれたまま動かぬあの裸体の眼差しとマユユ・ナユタのじっと見つめる目線がダブると首筋を何かにぎゅっと掴まれる感触で背筋が凍った。指先から震えだして体が言うことをきかなくなる。うごめきのとどろきの音が聞こえ続けている。
大量の音の渦が頭の中までぐちゃぐちゃに混ぜ込んでくる。それまで僕を占領していた多くの表面が忘れ去られていく。頭のくらくらとか . . . 本文を読む
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ん?なんだって?もっぺんいってくんねぇか。早口でよくわかんねぇぞ。それに俺、そうゆう難しいこととかよくわかんねぇんだけど。なぁそれよりおまえ、腹痛いのか。また腹痛いのかって。セイスケは言いながら僕の背中に手を当てて軽くさする。喉の奥につっかえていた外れかけていてもいつも完全には外れないそれが宥められて腫れが引いていく。
ヒルドレイドシティ魔導ビルAⅡ . . . 本文を読む
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小さな光の残像だった。大小様々な円形で色はとにかく明るい。それらがパチパチポワンと破裂するように現れては消える。それがいくつも連続した。パチパチポワン、パチパチポワンだ。
視界には箱の中に閉じこめられたうめき声みたいなノイズが時々かかった。ウォーン・・・・数秒して、忘れた頃にまたウォーン・・・だ。
家の中だ。集会ホールに子供達の頭が並んでいる。向こうに縁がゴ . . . 本文を読む