
現在、大気中に放出される二酸化炭素のうち、約1/2は海水に溶け込んでいます。ですから大気中の二酸化炭素濃度が増加すると当然ながら海水に溶け込む二酸化炭素の量も増えていきます。また気体は一般的に溶け込む液体の温度が低いほど溶解度が大きくなるため、この酸性化の影響はより温度の低い海域、つまり南極海や北太平洋の海域で深刻になると予測されています。
そしてこのほど、日米欧など9カ国の国際研究チームが9月29日付けの科学誌「ネイチャー」に、この海の酸性化による生態系への影響についての発表をしました。
それによると今現在海水面付近は、pH8.1程度の弱アルカリ性を呈していますが、大気中の二酸化炭素濃度が600ppm(現在は約370ppm)を越えるとpHが約0.2~0.3下がり、より中性(pH7)に近づく酸性化が進みます。これによって炭酸カルシウムを主成分とするサンゴや貝類、あるいは魚やクジラなどにとって重要な餌となっている動物プランクトンの翼足類の殻や骨格などが溶け出し(写真参照:地球環境フロンティア研究センターHPより転載)、大きな被害を及ぼすと考えられています。こうした状況は過去何百万年もの間、前例がないことです。
そして今のままの経済活動を続けると大気中の二酸化炭素濃度は毎年約1%ずつ増え、2060年ごろには先に述べた600ppm濃度に達してしまい、翼足類の殻やサンゴの溶解が南極海から次第に北太平洋へと広まり始めていくと警告しています。今回の研究によって、これまで二酸化炭素の海中生物への影響は、100年以上先だと考えられてきたのが予想以上に早く進んでいることが明らかとなり、また生態系全体への影響が危惧され始めています。この海洋の酸性化は二酸化炭素濃度上昇によって確実に起こるものであり、この点においても早急な排出削減が望まれます。
※より詳しく知りたい方は、地球環境フロンティア研究センターのサイトをご覧ください。
http://www.jamstec.go.jp/frcgc/jp/press/050929/index.html
そしてこのほど、日米欧など9カ国の国際研究チームが9月29日付けの科学誌「ネイチャー」に、この海の酸性化による生態系への影響についての発表をしました。
それによると今現在海水面付近は、pH8.1程度の弱アルカリ性を呈していますが、大気中の二酸化炭素濃度が600ppm(現在は約370ppm)を越えるとpHが約0.2~0.3下がり、より中性(pH7)に近づく酸性化が進みます。これによって炭酸カルシウムを主成分とするサンゴや貝類、あるいは魚やクジラなどにとって重要な餌となっている動物プランクトンの翼足類の殻や骨格などが溶け出し(写真参照:地球環境フロンティア研究センターHPより転載)、大きな被害を及ぼすと考えられています。こうした状況は過去何百万年もの間、前例がないことです。
そして今のままの経済活動を続けると大気中の二酸化炭素濃度は毎年約1%ずつ増え、2060年ごろには先に述べた600ppm濃度に達してしまい、翼足類の殻やサンゴの溶解が南極海から次第に北太平洋へと広まり始めていくと警告しています。今回の研究によって、これまで二酸化炭素の海中生物への影響は、100年以上先だと考えられてきたのが予想以上に早く進んでいることが明らかとなり、また生態系全体への影響が危惧され始めています。この海洋の酸性化は二酸化炭素濃度上昇によって確実に起こるものであり、この点においても早急な排出削減が望まれます。
※より詳しく知りたい方は、地球環境フロンティア研究センターのサイトをご覧ください。
http://www.jamstec.go.jp/frcgc/jp/press/050929/index.html