奈良で見つける時の流れ

時計屋しんちゃんのなんでもエッセイ

何十年ぶりのタイヤ交換

2020-04-18 | 愛用品

またしても久しぶりのブログ更新。そうは言っても半年ぶり。毎日、毎日、コロナ、コロナで正直うんざりな日々。外食も行きつけで持ち帰りをお願いするばかりだし、休みにも人込みには行けないし、此処の所は毎週の定休日は奈良の裏山である田舎道をひたすらドライブしている。相方の愛車2CVチャールストンを転がしてやるには絶好の季節でもある。奈良市田原町や月ヶ瀬、柳生、笠置、等が適度なアップダウンとカーブの連続でマニュアル車には最高に面白い。ただいつもレンジで追い抜きばっかりが、ほぼ全部「お先にどうぞ」と譲る事にになる。でものんびりゆっくりと点在するのどかでゆたらかな山村、正に日本の原風景を眺めながらの走行は、平和そのものである。世界が怯えるコロナの恐怖から解放される至極の一時である。
しかし、インフルやウィルスの新規発生間隔よりもずっと経験の無かったトラブルが起こった。2CVは小回りが利きそうに見えるが、実は全然曲がらない。勿論パワステなどは無く、ハンドルを回してギヤを介してアナログに操舵する。オモステで切れないので車庫入れ等は冬でも大汗を掻いている。ディーラーからは出来るだけ“送りハンドル”が推奨されている。それぐらい重い。普段パワステの据え切りでどれだけタイヤを痛めているかを実感できる。そうは言っても巾員の無い直角交差点では、強引に無理してハンドルを切り込まざるを得ない事になる。切り切った瞬間「ガッ、ガ」と少し異音が有って、直進に戻した後も嫌な違和感でタイヤトラブルの予感。路肩に余裕の有る20mほど先に寄せて停車しタイヤ点検。見事に左前タイヤがペシャンコ。スペアタイヤと工具はある。ジャッキも多分あるはず。しかしタイヤ交換なんて何十年ぶり、かつたぶん一回しかやった記憶が無い。40年位前までは未舗装路も結構あったし、路肩でのタイヤ交換作業を目にする事が、日常茶飯事だった。小中学時代には自転車のパンク修理も自分でするのが当たり前の時代。
取り敢えず、ディーラーの庄田自動車さんの担当営業さんに連絡するが、水曜日はお互い定休日。相方はJAF出動要請を進めるが、性根がケチなので未加入。最近ご近所にJAFさんが引っ越して来られたので恐らく時間も掛からない。まあ時間もあるので取り敢えず取扱説明書(何故かオリジナルでは無く、納車時点でコピー)でタイヤ交換ページを探す。目次には無かったが相方が何とか見つけた。

トランクの工具セット(1983年式なので今は無き西武自動車社名印刷有り)とスペアタイヤを取り出すが、肝心のジャッキが見当たらない。トランクの一番手前で普段外から見えない所に画像の様な一本の棒状の工具が有り、恐らく特殊なジャッキと思われるが使い方が全く判らない。手順によればまず“車留めをして車体が動かぬようにせよ”とあるが、肝心の車留めが見当たらない。ほぼ平面なのでアナログサイドブレーキをしっかり引いて作業開始。まずはタイヤセンターのボルトを外してホイールキャップを外す。タイヤを固定しているボルト3本をL字のレンチで、最初は足で踏んで、次に手で回し込んで、ここからがジャッキアップ作業。前輪タイヤ後部の車体下部にジャッキ充て部が有って、そこにジャッキの上下可動式出っ張り部が噛み合うように最上部のボルトを指で回してゆく。指で無理なところからはクランク(エンジンの手動廻し掛けと兼用)で回してゆくとゆっくり、ゆっくり、じわじわと車体が持ち上がってゆく。シトロエンは独特の乗り心地を出すため、1940年代に設計が遡る2CVも脚のストロークがものすごく長い。実際やってみて解ったが普通の菱形のよく見るジャッキではこいつの脚には対応できないのだろう。

あまりにもおっかなく細いジャッキ。もしも車がグラついたらジャッキがボディを傷つけないようにウェスで保護。気休めに過ぎないが・・。完全に持ち上がったタイヤからボルト3本を外して左前輪が外れた。スペアタイヤの装着は逆工程をするだけだが、空気圧がそこそこあるスペアタイヤなので、さらにジャッキを上げ増ししてからサクサクと交換完了。時間にして取り掛かるまでが30分、作業自体も30分。ビビりから始まったが、終わってみれば、“チョッと楽しかった”様でもあり、"年取ったけどまだいけるんや!”
しかし、パンクしたと思われるタイヤのどこを見てもパンク痕が見当たらない。

上の画像は購入した2017年、若草山ドライブウェイ頂上駐車場での撮影。走行距離46,000Km程だった。10年位前までは奈良市街でも時々見掛けたけれど、この車格“チャールストン”のカラーリングは殆ど見なかった。昨今は車格と色に関わらず、走っている個体を全く見ない。3年少しで2,000Km強の走行。勿論エアコンが無いので、6月から10月まではバッテリー維持の為、一か月に一回程度、早朝に大汗で1時間程転がす。保管時は常にバッテリーのマイナス側を外す。雨の日や降りそうな時は乗れない。トラブルが怖いので大阪市内が遠出の限界。しかし、驚くほどトラブルは無かった。ルームライトの華奢なスイッチを乱暴に扱って折ってしまい交換。ライフが尽きたブレーキマスターシリンダー交換。たったそれだけしかない。色々ネットで検索すれば、個体が特別良いと言うより2CVはMINIクーパーやFIATのチンクエチェント、ビートル等の同時期(第二次大戦前夜頃)に各国が開発競争した大衆車の中で、非常にトラブルレスな車と言う記述が多い。年齢にして37歳になるが、燃費も良いし任意保険も保険屋さんが驚くほど安い。事故率が物凄く低いらしい。シャッターと屋根付きガレージの賃貸料は必要だけど、維持費も手も掛からぬ良い子だ。売るつもりは今のところ全く無いが、個体がどんどん減る一方なので、購入金額はほぼ維持していけそうだ。2名と1台の誰が一番にくたばるのか、コロナを乗り切って生存競争を続けたい。


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