「天狗の中国四方山話」

~中国に関する耳寄りな話~

No.151 ★ 中国成長率目標は5%前後で据え置き、経済モデル転換確約 全人代開幕

2024年03月05日 | 日記

ロイター編集

2024年3月5日

 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が5日開幕し、李強首相は2024年の経済成長率目標を5%前後に設定すると表明した。北京で4日撮影(2024年 ロイター/Tingshu Wang)

[北京 5日 ロイター] - 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が5日開幕し、李強首相は2024年の経済成長率目標を5%前後に設定すると表明した。また、国の発展モデルを転換させ、企業の余剰能力を抑え、不動産部門や地方債務のリスク抑制に取り組む方針を示した。

李首相は就任後初となる政府活動報告で「われわれは最悪シナリオを見失うことなく、全てのリスクと課題に備えるべき」と訴えた。

「とりわけ成長モデルの転換を推進し、構造調整を進め、質を改善して成果を高める必要がある」と語った。

今後の具体的な構造改革策は示さなかった。

李首相はまた、安定が「われわれの全ての行動の基礎」を成すと強調した。

成長率目標は昨年と同水準に据え置かれたが、李氏は達成が「容易ではない」と指摘。積極的な財政政策と穏健な金融政策を実施する考えを示した。

成長目標は「雇用や所得を押し上げ、リスクを予防・解消する必要性」を考慮に入れたとした。

昨年の中国経済は新型コロナウイルス禍からの立ち上がりが遅く、個人消費の弱さや投資リターンの低下など構造的不均衡の深刻さを印象付け、経済モデル転換の必要性が指摘されてきた。

<控えめな刺激策>

政府活動報告後の中国株式市場(.CSI300), opens new tabと人民元相場は横ばいとなった。

リーガル・アンド・ゼネラル(L&G)インベストメント・マネジメントのアジア太平洋投資ストラテジスト、ベン・ベネット氏は「政策当局は現在の軌道に満足しているようだ」とし、これは予想通りと述べた。

「より強力な内容を期待していた向きは失望した」とし、地方政府債務と不動産部門を口先で支えるだけでなく、実際の行動が必要だと指摘した。

OCBC銀行の大中華圏リサーチ部門責任者、トミー・シエ氏は「大規模なバズーカ砲型の刺激策が導入される可能性は低い。財政支出を通じた景気支援には現時点でまだ多くの制約がある」と述べた。

政府活動報告は24年の財政赤字目標を対国内総生産(GDP)比3%に設定。23年の約3.8%から縮小した。

ただ、通常予算には含まれない特別国債を1兆元(1390億ドル)発行するとした。

地方政府特別債発行枠は23年の3兆8000億元に対し、3兆9000億元に設定。また、インフレ目標を3%に設定したほか、都市部で1200万人以上の雇用を創出し、失業率を5.5%程度に維持することを目指す。

<新たな生産力>

李首相はまた、習近平国家主席が打ち出した「新たな質の生産力」の概念に沿って技術革新と先進的な製造業に引き続き資源を投じる方針も示した。

国家発展改革委員会(発改委)は別の報告書で、製造業の外国投資規制を完全撤廃し、通信や医療サービスなどサービス業でも市場アクセス制限を緩和する方針を示した。

出生率低下など人口動態の変化が消費主導型経済への転換を脅かしている現状を踏まえ、出生率を高める支援を拡充し、高齢者向けの年金など給付を引き上げる方針も示した。

政府活動報告はまた、量子コンピューティングやビッグデータ、人工知能(AI)といった新興産業の発展計画を策定し、技術の自給達成を引き続き目指すとした。

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