Mi Aire

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沈丁花の香り

2011-03-20 00:44:44 | Poema(詩作)
約束は風の中に漂っている。
つかまえられるのか、つかまえられないのか
たくさんの果たされなかった約束が
風の中に漂っている。

沈丁花の香りがふとかすめて振り返る
確かにそこにいるのに
幻影ではないのに
でも私が聴いたのは声だけ

切ない・・・・
胸の中を沈丁花の香りが満たす
甘い香りに咽びながら
身を切られるような痛みに耐えるだけ

なぜなんだろう
すべては一瞬の出来事
あの一瞬さえなかったら
約束はつかまえられたのだろうに

そして今も風の中に漂っている
もうつかまえられないのか・・
私の果たしていない約束が
甘い香りの中で溺れている

確かにそこにいるのね
幻影ではないのね
もう一度声を聴かせて
そして約束は果たされるのだと言って

すべては取り戻せるのだと
その日がちゃんと来るのだと
もう一度声を聴かせて
そして約束は果たされるのだと言って



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