ブックエンド

永年、埃を被った重石の山を整頓と日々意気込。
図書目録作成奮闘日記の目論見。

みだれ髪 チョコレート語訳③

2014年03月13日 | 書評
3/13 二ヶ月に一度の病院がよい、時間待ちのソファーで読む

「やわ肌のあつき血潮にふれも見でさびしからずや道を説く君」
解り易い歌の一つではないでしょうか。
チョコレート語訳
「燃える肌を抱くこともなく人生を語り続けて寂しくないの」
それだけに、ちょっとありふれた物言いが物足りない。
熱く語る男の思いに意を共にしつつも、苛立つ女の情念。
「人生を語り続けて」と訳したことが平板にしてしまったのではと想いたい。

「みだれ髪を京の島田にかえし朝ふしてゐませの君ゆりおこす」
チョコレート語訳
「朝シャンにブローした髪を見せたくて寝ぼけまなこの君ゆりおこす」
万智氏らしいチョコレート語訳だな!と感嘆。
ちょっとした女の仕草に乱される男の姿を読ませたら氏に勝る人はいない。