普段に使えるカウンセリングスキル

カウンセリングスキルの中に、
インテーク（intake 受け入れ）と名付けられている
スキルがあります。

相手が、怒っていても、落ち込んでいても、
調子に乗っていても（笑）、愚痴を言っていても
まずは、そのまま受け止めて、何でも話せる関係になる
関係づくりのスキルです。

自慢話でも、弱音でも、
何でも話しても大丈夫！
と、相手に思われていないと、
本当のことを話してはくれないものです。


経営者や、管理職は、
信用（仕事に対する信頼）はされていても、
信頼（人格も含めての信頼）されていないと、
「マズイ」ことは、隠されてしまいます。

「報告しろ！」
と、いくら言っても、
マズイことほど、言いにくいものです。
普段の話もしにくいのに、
ましてやこんな話。。。
結果、いい言葉だけを報告します。

そうして、上司は、裸の王様になっていきます。

どうでもいいことが話せる関係だから、
そこに混ぜて重要なことや、問題点も
言えるんですよね。
話しにくい人に、話しにくい話をするには、
よほどの勇気がいるでしょう。

玉石混合、清濁含めて受け入れる
器を持つこと、
相手にそう思われることが肝要なのです。

経営者や、上司だけでなく、
親、という立場や、
家族も同じです。
相手に嘘をつかせているのは、
秘密を持たせているのは、
無理をさせているのは、
そう思われていないからかも、と
思い返してみることも必要かもしれません。

話してくれて、ありがとう。
話してくれて、うれしい。
というメッセージを、
相手に伝わるような態度を
こころがけましょう。


インテーク、
それは、一度やればいいものではなく、
「ちょっと聞いて」
「相談があるのですけど」
「あのね」
話し始めに、毎回インテークスキルが必要です。
毎回、カウンセリングマインドをセットし、
傾聴技法を使って、インテークを成功させていきます。


カウンセリングスキルは、カウンセラーがプロとして
使用するスキルですが、
仕事でも、家庭でも、子育てにでも
使える技術です。

インテークに成功すれば、上位のカウンセリング技法の
アドバイスや、褒める・叱るなどの影響技法（積極技法）、
も、受け入れられやすくなったり、
自分の弱さに向き合える強さを持たせる（対決技法）ことも
安心安全な精神状態を保ちつつできたりします。

上司という立場でも、
親や、家族という立場でも、
何だか、うまくいってないのではないか、
孤立感を、ふとした拍子に感じる人は、
インテーク（受け入れ）のカウンセリングスキルを
普段の生活の中で
使えていないのかもしれません。

自然に出来ないタイプの人は、
能力（コンピテンシー）として、意識して
使ってみましょう。