明日を信じられる時代になって欲しい。日常の活動日記

時事ネタ 京都 散策 歳時記 花見頃など

村木さん事件から学ぶこと

2010年05月31日 18時25分31秒 | Weblog
村木さん事件から学ぶこと (オリーブ通信)より

いわゆる「村木さん事件」は、先月26日の大阪地裁の証拠調べで、村木さんの無罪が実質的に決まった。この裁判を通して学ぶべきことが幾つかある。その第一は、何と言っても「検察は正義」とは限らないと云うことだ。検察官も人の子、出世もしたいし、退職後のことも考える。その個人的利害の前に「正義が歪む」ことがあると云うことだ。その第二は「マスコミ報道は虚実入り混じっている」と云うことである。
マスコミは、人が傷つこうが、嘘であろうが、大騒ぎすることが第一なのである。

新聞・テレビしかなかった時代は、マスコミ報道を真実だと、国民は思い込んでいたが、実は違っていた。ナミねぇさんは「ナミねぇの傍聴記だけでは、多くの人が一般メディアの報道に重きを置いたかもしれへんけど、硬骨のジャーナリスト江川紹子さんが、リアルタイムでツイッター速報して下さった。そして二人の内容に齟齬がなかったという事実が、圧倒的な信ぴょう性に繋がったと思う」と書いている。

ここ数年のネット社会の発展に伴い、マスコミが報道することが、必ずしも正しいことではない。或いは肝心なことを報道していない。そう云うことが次第に国民に認識されて来た。だが検察はその時代の変化を読み切れず、8年前に自らの公金使い込みを隠す為に、三井環元大阪高検検事を逮捕し、マスコミを使って「クロ」にした成功体験から、その再現を狙い村木さんを逮捕したのだ。

三井環氏は、マスコミ報道で「悪徳検事」のレッテルを貼られた。その内容は「暴力団からの接待を受けた」「女をあてがわれた」などであった。村木さんの場合は女性であったし、検察のターゲットが民主党石井一参院議員だったので、専ら石井議員と「凛の会」の倉沢元会長との間に「口利き」があったことを疑わせる報道であった。それでも、最後は「石井議員と村木さんとの男女関係」と言う怪情報も流れた。

処で、昔の疑獄事件はどのようなプロセスを踏んで立件されたのかである。検察は地道に内偵を行い、証拠を集め、それから容疑者・関係者から事情聴取をして、逮捕・起訴した。だが、今は違うようだ。まず、ターゲットを決める。シナリオを書く。強引に逮捕する。どうもそこから始まるようだ。処で、ターゲットを決める裁量権を検察が持っていることを、誰も不思議に思わないのだろうか。(これが検主主義国家)

容疑者を逮捕した次に、容疑者を「悪者」に創り上げる情報をリークし、マスコミに報道させる。シナリオに合った供述だけを集め、検察調書を作成する。容疑者に調書へのサインを迫る。その殺し文句は「本当のことは裁判で言えばいい」「調書にサインすれば釈放」。だが、裁判官は公判での証言よりは、検察の密室での「検察調書」を証拠として採用する。当然誰もが有罪になる。これが日本の司法の実態のようだ。

これで自殺者が出た上に、「賄賂金額ゼロの収賄罪」と云う奇妙な判決が出たのが、元福島県知事佐藤栄佐久氏の汚職事件裁判である。裁判官も可笑しいだろう。幸い、村木さんは、ナミねぇさん公判傍聴記によると、「厚子さんの誠実な人柄と公務員としての矜持、弘中弁護士(と弁護団)の周到な準備と辣腕、そして何より横田裁判長の公平なまなざし」によって、無罪への道に向かっている。

処で、昨年3月に小沢氏の秘書大久保氏が逮捕された。マスコミは「小沢事務所は天の声」「胆沢ダムは小沢ダム」と報道した。そして今年1月石川議員が逮捕された。マスコミは「水谷建設から1億円裏献金」「喫茶店で紙袋に5千万円」と報道した。だが、大久保氏も石川議員も、その訴因は政治資金規正法違反・虚偽記載。検察は、小沢氏は「嫌疑不十分で不起訴」と発表したが、何の嫌疑かを曖昧にした。

だから検察審査会は、常識はずれの議決をした。検察の訴因は、代金支払日を土地地目が宅地に登記された日にしたことによって生じた「期ずれ」を、虚偽記載容疑としたものである。だが自ら「善良なる市民」を名乗る審査員は、その「期ずれ」に小沢氏が関与した疑いがあるとして、「起訴相当」とした。それは明らかにマスコミ報道に洗脳された結果である。処が、マスコミはこれを「市民感覚」だと持て囃した。マスコミは騒ぎが大きくなる方が、面白いだけなのである。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿