モンテクリスト伯





いやはや、参った、参りました。

アレクサンドル・デュマの 『 モンテクリスト伯 』、です。

講談社文庫・全5巻、これを、

読むのが遅い私にしましては驚きの3週間で読みきったんですもの!!

『 モンテクリスト伯 』 、恐るべし。

新聞の連載小説として始まった、エドモン・ダンテス = モンテクリスト伯爵の

壮大な愛と復讐のストーリーは、当時のパリ市民を熱狂の渦の巻き込んだそうです

が、もう、大大、大納得!! 

21世紀の日本の北海道の札幌市の1市民をも巻き込みまくったのでありました!



舞台は19世紀のマルセイユ、そしてパリ。

ナポレオン失脚~王政復古~ナポレオンの復活~その3日天下、というフランスの

政治激動期の歴史を背景に、純朴で前途有望な一級航海士エドモン・ダンテスが、

妬みによる陰謀のため、無実の罪で政治犯として捕らえられ、イフ城の土牢に

15年間繋がれ、地獄の日々をおくります。

そして、奇跡的に出逢った、隣の土牢の囚人ファリオ司祭 ( もちろん無実 )に

高度の語学、科学、歴史学、薬学、とにかくあらゆる森羅万象の知識を授けられ、

これまた高度の貴族的なマナー、振る舞い、教養を注ぎ込まれ、

さらには、やっぱ、ここがこの物語の最大の要なのですが、

巨万の富を遺されて、手に汗握る脱獄劇の後、司祭の遺言通り、モンテクリスト島

に上陸、金銀財宝を得、モンテクリスト伯爵となって、いまやパリで名士となって

いる自分を陥れた男達に復讐の火蓋をきる・・・・・、というストーリー。



波乱万丈の物語。

19世紀の庶民と上流階級の生活ぶり、

登場人物たちのキャラクター設定の妙、

心の奥深くの欲望、品格、正義と悪、など、深い人間洞察。

ダイナミックかつロマンティックな超ど級のエンターテイメント小説でした。

毎日、毎日、” 寸暇を惜しむ ” まさに、それ、隙間時間数分にページを開き、

ほーっとため息をつきつつページを閉じ、

地下鉄のホームに向かう階段を下りつつ本をバッグから取り出し、手に持って、

ホームに立ったその瞬間から即続きを読み、

乗車後、熱中のあまり乗り過ごしそうになった事2度や3度ではありませぬ。

さすがに勤務中は読まなかったけどね。

夜は家事仕事 ( 小さいテロリストのねんね仕事も ) を終えた後、夜更けまで

一気に読む。目がぐりぐりしてきて、限界の1時30分、

後ろ髪惹かれつつ、寝る。 ・・・・・ が3週間続いたのでした。

「 早く早く、この寝不足&ほかの事何にも出来ない状態を終わらせて~!! 」

と、「 ああ~、終わりよ来ないで~!!おもしろ過ぎ~っ!!! 」

のせめぎ合い、の3週間でもありました。



これだけ興奮させてくれる小説、理由、といいますか、デュマによるカラクリと

仕掛けは沢山ありますが、私は、その理由の1番に、” お金 ” を挙げたい。

モンテクリスト伯のお金持ち振りが、それはもう、半端じゃない。

彼は、周到な準備・計画のもと、パリ社交界に乗り込むわけですが、

そのお金の使い方のとんでもなさ加減が、もう、スカッとするんです!

パリの並み居る金持ちが、あまりの桁違いに、あっけにとられる、その快感!!

デュマのこの小説の、もう一つの裏テーマは、「 金 ! 」 だと思う、たぶん。

お金が出来る事、お金というものの力、魔力、権力。

モンテクリスト伯が、これほどの富の所有者でなかったならば、物語の魅力は

うーん、半減以下、だろう。

読んでいると、モンテクリスト以上の金持ちって、いないのでは、この世に?

という気になります。

凄い、です。



今年の終盤近くに、こんな圧倒的な読書ができ、感動しています。

同じデュマ作の、『 三銃士 』 上下巻も実は、以前より買ってあるのです。

岩波少年少女文庫のハードカヴァーです。

こちらが最初の新聞掲載小説だそうで、こちらも爆発的に売れたそうな。

( 印税は、現在の額に換算すると、『 三銃士 』 が、3億円、『 モンテクリス

ト伯 』 が、5億円 !!! だそうで、えらいこっちゃー!! )


2010年は、これを読むつもりですが、

ちょっと、怖い気もします・・・・・ 。



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