ゴッホ最期の手紙 / LOVING VINCENT



ディノスシネマズ札幌劇場にて

もう3年前になるのですね、 『 ゴッホ最期の手紙 』 を観たのは。

須貝ビルの札幌劇場も今やない。こだわった骨のある作品を上映していた好きな

映画館だったので、狸小路5丁目にてこの5月再開決定のニュースに大変喜んで

いたのですが、コロナ騒動でしばらく延期なのでしょうねぇ・・・がるるる。

でもでも、もうすぐ世の中落ち着きを取り戻しますから、きっと再始動してくだ

さいね。待ってます!!


さて、本題。

ゴッホの死の真相はいまだ判っていません。自殺なのか、他殺なのか?

この作品は、ゴッホの最晩年期の肖像画 「 郵便配達夫ジョセフ・ルーラン 」 の息子の

「 アルマン・ルーラン 」が主人公となって、ゴッホが弟テオに宛てた最期の手紙を

届けるために旅に出て、彼の肖像画に描かれている人達に会っていくうちに、ゴッホの死に

疑問を持ち、当時のゴッホの様子や言動についての様々な証言を集めていきながら、一つの

かなり確信的な結論に至る・・・・という物語の、アニメーション映画です。

何がすごいといって、そのアニメーション。セルアニメーションではありません。

” ゴッホの名画が動き出す ” 本物の油絵によるアニメーションなのです!

世界中から募った125名の画家達によって描かれたゴッホタッチの油彩画、総枚数

62,450枚を、1秒に12枚使ってのアニメーションを制作。「 星月夜 」 の渦巻き

星空が、「 糸杉のある麦畑 」 のもくもくの雲と麦の穂が、「 タンギー爺さん 」 が、

「 ドクター・ガシェ 」 が、動きざわめきしゃべり出すのです!

1888年から1890年の、パリ ~ アルル ~ サン・レミ ~ 終焉の地オーヴェル・シュル

・オワーズにて、ゴッホがその時期に描いた現代の私達がよく知る作品群、

その中にこそ、彼の最期の日々の真実があるのではないだろうか? 

だったら、それらの絵の中に入ってしまえば?

前回ご紹介した 『 永遠の門 』 では、ゴッホの精神の中に入り込むがごとき体験をしましたが、

今回の 『 ゴッホ最期の手紙 』 では、ゴッホの数々の名画の中に入り込む、という夢のような

体験ができるのです。

4年の年月をかけて制作された今作、インターネットでの募集に世界中から応募した500名

の中から選ばれた125名の絵描き達は、” ゴッホのタッチ ” を身につけるための訓練を受けて

気が遠くなるような枚数のゴッホ風の油絵を仕上げたそうです。単純に頭数で割り出して、

一人約500枚。そして、難路確実なアイディアを信じて、世界初の夢のゴッホ体験を完成

させた監督と制作スタッフの、究極の職人技とゴッホへの愛。

ゴッホファンには絶対に見て欲しい一本ですね。

ちなみに、アルマン・ルーランが辿り着いたゴッホの死の真相は、私はとても腑に落ちるもの

でした。そうそう、そうだよね、私もそうだと思っていたよ。













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