朝練習




一学期終了間近の個人懇談で、担任の武田センセイが最後の最後に、切り出しずらそうに、





「 お母さん、あの・・最後にひとつだけ ・・・」 


「 ハイ? 何でしょう? 」


「 夏休み期間なんですが・・・チカラ君、リコーダーの練習をさせてほしいのですが・・・」


「 あ、吹けない?ですか?( やっぱりっ )」


「 え、ええ・・・( 言い淀みつつ困り笑み )、チカラ君、リコーダーの時間、( 吹けないので )

何をやっているかというと、分解掃除してるんですよね、毎回・・・・」


「 あ・・・う・・そそうだったですか・・・( 笑いを必死で堪える )申し訳ございませんです。 」





若い武田先生 ( 29歳・♂ )のどうしたら良いやら顔  VS  ひたすら分解掃除で授業時間中

いっぱいお茶を濁す我が息子   のイメージが瞬時に浮かび、おかしくて堪らない母親って

どうなんでしょう??ですが、まあ、そのような状況につきましては、了解いたしました、と

個人懇談の席を立ったのでした。




というわけで、夏休み、とーしゃんのリコーダーの特訓が始まりました。

ラッパ吹きの息子が、音楽の授業中ずっと分解掃除に励んでいるだなんてシャレにもなら

ねえってもんで、夏休み開始と同時に、朝食後の15分間の ” 父子朝れん ” がスタート。

夫の使うリコーダーは、何と実家に眠っていた私の小学生時代のリコーダーです。

茶色のプラスティック製で、偶然発見したのですが、全く問題なしで使用可能、

なんというグッドタイミング!


「 さあー、チカラ、やるぞ~、いいかあ~? 」

と、ゆるーく、ゆるーく始めます。

音楽の教科書に載っている、超初級・左手数本のみ使用の 『 鬼さんこちら 』 『 花子さん

遊びましょ 』 『 鍋鍋底抜け 』・・・・と、順番通りに、繰り返し、繰り返し、練習して

いきまして、夏休みの終わりには、『 鬼さんこちら 』からはじまり、『 カッコウ ・ 二重奏 』

まで、メドレーでの演奏ができるようになりましたー!!

といっても、楽譜を読んでの演奏ではなく、丸覚えなんですが、それでも、ああ嬉しや!の

合格ライン突破なのでした。パチパチパチ!!


朝れんの間、わたしは傍観、そして、時々リスナーとなって褒めて励ます役なのでしたが、

うまいなあ、と思ったのは、夫の教え方。


毎朝15分だけ。

毎朝、ご飯の後のエネルギーチャージできてる直後に。

単純に簡単に、繰り返す。

息子がノラない日は、無理強いせず。

ホメる。

リコーダーはかんたん、大丈夫、練習で必ず吹けるようになる、というあっさりしたスタンス。



息子も、少しずつメロディらしきものが吹けるようになってきて、楽しくなってきたので

がんばれたのでしょう。

夏休みが終わり、二学期初のリコーダーテストがあった日、息子に 「 どうだった? 」と

ワクワクしながら聞いたところ、武田センセイは、息子を思いっきり抱きしめて、腕を

何度もさすって 「 摩擦熱 」 してくれたそうです、しかも少し泣いていた、、って!!

「 スゴイよっ!! ちから!! アリガトウ!!! 」 って言ってたって。

よかったね。

武田センセイ、いい人ネ( いいおヨメさん来ますように )。




















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