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電話室便り
夏の本 2冊
2006-08-26 / 本
私は 2冊の本を 一気に読みました。
絶対に 夏が終わらないうちに 読みたかった2冊でした。
『 たんぽぽのお酒 』
『 すももの夏 』
この2冊です。
『 たんぽぽのお酒 』 は 中学生のころ 熱心に読んでいた、レイ・ブラッドベリ作。
本当に 久しぶりの ブラッドベリ、12歳の ダグラス・スポールディングの
1928年、 イリノイ州 グリーンタウンでの 珠玉の夏をえがいた
詩のような作品です。
『 すももの夏 』 は、センスの良い友達が 少し前におしえてくれた本
でして、これは 読まねば、と、インターネットでとりよせて 読みました。
こちらは ルーマー・ゴッテン作、13歳のセシルと きょうだい4人の
あわせて5人の すんごい一夏の経験、の物語。今度は イギリス人です。
上から、ジョス ( 長女 16歳 ) セシル ( 次女 13歳 ) へスター ( 三女
10歳 ) ウイル ( 長男 7歳 ) ヴィッキー ( 四女 4歳 )。
この5人きょうだいのキャラクターが とってもうまく描けていて、私は 特に
ウイル ... ちいさくてよく動くので ” ウイルマウス ” と呼ばれている ... が
お気に入りだったな。 5人の 生意気で個性的なきょうだいが お母さんの
突然の病気により バカンス先のフランスのホテルにて 自分達だけですごさなくてはな
らなくなってしまい 物語は 始まります。
ホテルの 大人たちを観察する セシルの語りが 13歳、という 大人と子供の
中間の女の子を 繊細に伝えて 心が なぜか せつなく あたたかくなるのでした。
ロマンと サスペンス、の いままで呼んだことのないタイプの小説で 大変良かった!
うんと 大人になって、もう 自分が 大人だなんていう自覚すらないほど 大人に
慣れてしまっている私は この2冊で 心のずっと奥に押しやられていた、でも
確かにもっていた感覚を 呼び戻しました。
ダグラスも セシルも やがて 本当の大人になり ..... 大人になっちゃうんだなあ。
数十年たって読む このような、 ローティーンをえがいた 優れた小説は、
なによりも 上手に、今の自分を 強烈に自覚させてくれました。
夏は やっぱり 大人のものではないですね。
改めて、そう思いましたよ。
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