命のカウントダウン2(健康余命852日)

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帯状疱疹の薬について その3

2024-04-27 19:52:33 | 医療
帯状疱疹の薬について考えてきました。
前回 その2にて帯状疱疹の治療の中心は飲み薬で、その飲み薬には4種類あることを紹介しました。

その4種類の違いを一言で言うと・・・古くからある薬は安い。しかし服薬回数が多い。逆に言うと新しい薬は値段は高く服薬回数が少ない 傾向にあります。

もったいぶって、それだけかいな?と思われるかもしれません。勿論それだけではないのですけどね。効き目については、すでに発売されている薬に比べて効果が劣りませんよという試験にパスしないと新たに新しい薬を発売することは困難なので、全ての薬が一番古いアシクロビルと同等かそれ以上の効果がある筈です。
古い順に並べてみましょう。帯状疱疹の場合、どの薬も7日服用します。

薬の発売日 薬の名前 1錠の薬価 1日の錠数(何回飲むか) 7日分の薬価

1992年2月 ゾビラックス400㎎  @34.3 1日10錠(分5)  ¥2,401
      アシクロビル400㎎  @34.3 1日10錠(分5)  ¥2,401

2000年8月 バルトレックス500㎎ @170.2 1日6錠(分3)  ¥7,148.4
      バラシクロビル500㎎ @76.7   1日6錠(分3)      ¥3,298.1

2008年7月 ファンビル250㎎   @252.9  1日6錠(分3)  ¥10,621.8
                  ファムシクロビル250㎎ @82.8  1日6錠(分3)  ¥3,477.6

2017年9月 アメナリーフ200㎎  @1,177.5 1日2錠(分1)  ¥16,485
      ジェネリック薬品 未発売

上段が先発品で下段がジェネリックですジェネリックについてはあとでわかりやすく説明してあるHPを紹介します。
ジェネリック薬品の値段は、製造会社によって様々です。上に挙げたのはその代表的なものです。

ジェネリック医薬品の値段について・・・例えば、一番の売れ筋 バラシクロビルだとこんな具合に価格に幅があります。
値段だけで見ると、ケミックスと言う会社の製品が@44.3と極端に安く、全ての抗ヘルペス薬の中で治療費が一番安上がりになります。(¥1,902.6/7日)
同じバラシクロビルジェネリックの中で比べてもEE社や日医工の@117.8の半分以下、抗ヘルペス薬で一番高いアメナリーフとは一週間の薬価で1万4千円以上の差、3割負担で4千3百円ほどの差となります。
しかし、ケミックスのバラシクロビルは、2023年10月に発売停止になっています。安いジェネリック製品は安定供給されない可能性があり、品質も信頼できるかと言われると、即答しかねるものもあって・・・・私は、そのあたりを勘案の上、出来るだけ信頼できる会社のジェネリックを使うようにしています。出来の悪いジェネリックも確かにあります。ですが、多くのジェネリック薬品は信頼に値するものです。(と、信じております)そして、中には、先発品を凌駕するジェネリックも数は少ないですが存在しています。
後発品(ジェネリック)が先発品より高いものも存在するようです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000ydte-att/2r98520000011427.pdf


ジェネリック医薬品について分かりやすく解説されているHPです。


下記は日経メディカルの2022年10月の記事です
 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、抗ヘルペスウイルス薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、36.8%の医師がババラシクロビル塩酸塩(商品名:バルトレックス他)と回答した。
 第2位のアシクロビル(ゾビラックス他)は35.6%、第3位のアメナメビル(アメナリーフ)は17.1%の医師が、最も処方頻度の高い薬剤として選んだ。

 

坂根医院はこれまでアシクロビルを採用してきました。今回の薬価改定でアシクロビルの先発品であるゾビラックスの薬価がガクンと下がってジェネリックと同じ値段になった事(とはいえ、納入価には少しだけ差があります)、1日3回で済むバラシクロビルの値段も近づいてきたことなどから、今後どれを採用しようか迷っております。在宅医療仲間にも問いかけたところ、バラシクロビルとアメナリーフを上手く使い分けられていました。やはり、服用回数が少ないのは大きなメリットの様です。そして、在宅医療の対象者は1割負担の方が多いので、高い薬価も大きな障壁にはなっていない様です。

坂根医院はどうしましょうか!各種ある薬のどれを選ぶかには、医師の考え方、個性が反映されます。近所の医師であれば、処方箋を診ればほぼ誰の処方か分かりるほどです。さて、抗ヘルペス薬、どれにしましょうかねぇ!!値段?服用回数?そのバランス?

しつこいですが、追記です。

薬価というのは2年ごとの薬価改定で変わります。薬価改定の都度値下げされます。今回いろいろと調べて、薬価の値下がり具合に驚きました。2017年11月時点の情報があります。比べてみてください。
https://www.kusurinomadoguchi.com/column/herpes-zoster-medicine-12787/
ゾビラックス400㎎錠は、2017年に1錠352.3円だったものが、7年後の今日では34.3円にまで下がっています。1/10以下ですよね。もしも当時100錠の在庫を今まで持っていたとしたら、35,230円だったものが3430円になってしまったという事です。勿論、その間に使用期限が切れてしまいますから、価値はゼロで廃棄処分になりますけれど。
院内処方で薬を在庫として抱えていると、人員や場所や在庫の確保ももちろん必要ですし、値下げや期限切れというリスクも背負わなければならないという事も知っていただけたら幸いです。

インフルエンザの状況(2024年第16週 (4月15日~4月21日) 2024年4月24日現在)

2024-04-27 08:29:33 | インフルエンザ
 2024年第16週の定点当たり報告数は1.85(患者報告数9,105)となり、前週の定点当たり報告数2.69よりも減少した(31%減)。都道府県別では山形県(6.49)、新潟県(4.82)、山梨県(4.37)、岩手県(4.13)、秋田県(3.79)、長野県(3.33)、栃木県(2.96)、富山県(2.93)、鳥取県(2.93)、島根県(2.87)、茨城県(2.82)、宮城県(2.80)、沖縄県(2.79)、福島県(2.74)、鹿児島県(2.51)、愛媛県(2.48)、北海道(2.43)、静岡県(2.40)、千葉県(2.24)、山口県(2.14)、群馬県(2.07)、青森県(1.88)の順となった。全国47都道府県中、1都道府県では前週の報告数よりも増加し、46都道府県では前週の報告数よりも減少した。
 全国の医療機関を受診した患者数を推計すると、約6万人(95%信頼区間:4.5~7.6万人)となり、前週の推計値(約8.7万人)よりも減少した。
 流行しているのはB型で、モデルナのリアルタイム情報でも感染者は減少の一途です。
坂根医院では、ここ2週間、インフルエンザ患者は診ていません。