命のカウントダウン(健康余命3605日)

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アレグラ フェキソフェナジン

2022-03-09 20:08:38 | 医療と経済
昨年2月20日に記事の焼き直しです。

花粉症の治療には以前お話させていただいた 減感作療法のほか、レーザー治療を含む手術療法、注射による治療などがありますが、これらは少数派です。
ほとんどの方は、内服薬中心の治療で対処されていると思います。(内服薬+点鼻薬+点眼薬など)

メジャーな治療である内服薬は現在、第2世代抗ヒスタミン薬と呼ばれる薬が主流となっています。第2世代の抗ヒスタミン薬(経口薬)では、下記の薬が有名どころで売り上げの主流を占めています。(順不同)

ビラノア
ルパフィン
デザレックス
ザイザル(レボセチリジン)
アレグラ(フェキソフェナジン)
タリオン(ベポタジンベシル)
アレロック(オロパタジン)
クラリチン(ロラタジン)
アレジオン(エピナスチン)

ビラノア、ルパフィン、デザレックスは発売されたのが最近なので、製造特許が切れておらず、ジェネリック薬品が存在していません。 ザイザル以下はジェネリックが存在しており、カッコのなかの一般名に近い名前で販売されている事が多いです
 
医者を通じてしか手に入らないもの、薬局でも手に入れることが出来るもの、ジェネリックが発売されているもの、まだ発売されていないものなど多種多様です。
同じ成分の薬でも流通ルートの違いで、名前が違うばかりでなく、値段も相当に違います。驚くのは、同じ薬なのに効能効果が異なることがあり、何故?と戸惑われると思いますが理由なくそういう決まりなのです。


今回は、花粉症(アレルギー性鼻炎)の内服薬で売り上げトップクラスの薬 アレグラ(フェキソフェナジン)に的を絞って話をしたいと思っています。


アレグラは2000年11月に販売開始され、既に20年以上の歴史があります。製造特許は切れているので、ジェネリックと呼ばれる後発品が先発品の半額以下で発売されています。そして、病院、診療所だけではなく、薬局で手に入れる事も出来ます。下記のコマーシャル、TVでの宣伝も皆さん見られているでしょう。

ややこしくてすみませんが・・・ジェネリックと先発品の中間的存在、オーソライズドジェネリックなるものも発売されています。
これは、「先発品と同じ製造方法で作ることを承諾(オーソライズド)された後発品」という事だそうです。後発品の中では高値ではありますが、安心感もあるので、我が坂根医院ではこれを採用しております。(フェキソフェナジンSANIC)ぱっと見、見分け付きませんよね。中身もほぼほぼ同じですが値段は相当安いです。(普通のジェネリックはもっと安い)
先発品のサノフィのアレグラ60㎎:46.6円 アレグラ30㎎:36.7円
普通の後発品のニプロのフェキソフェナジン60㎎NP:15.1円 30㎎:12.2円
オーソライズドジェネリックのフェキソフェナジンSANIC60㎎:25.7円 30㎎:20.1円

アレグラ(フェキソフェナジン)は、添付文書に眠気に関する使用上の注意がありません。抗アレルギー薬で自動車の運転等の注意の記載がないのは珍しい存在でした。最近にになって同様分類の薬が増えました。

抗アレルギー薬の眠気に関する分類は以下の様に3通りに分かれています。
  • 1.自動車の運転等の注意の記載が無い --- 運転は出来る
  名前一部省略
デザレックス
ビラノア 
ディレグラ
アレグラ
オノン
シングレア/キプレス
クラリチン


  • 2.眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。 --- 運転は出来る
タリオン
アレジオン
エバステル



  • 3.自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。 --- 運転は出来ない
  • ザイザル
  • ジルテック
  • アレロック 
  • ザジテン
  • レミカット
  • アレサガ
  • ルパフィン

フェキソフェナジンは、胃薬に制酸剤として含まれる水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウムと同時に摂取したり、果物のジュース(グレープフルーツジュース、リンゴジュース、オレンジジュースなど)との同時服用によって効果が減弱します。利きが悪いと思われた方は、ひょっとして胃薬やフレッシュジュースと近い時間に服用されていたのかもしれません。私はアレグラ(フェキソフェナジン)は食前に服用することをお勧めしています。


一方、重要ではありませんが、一口知識として・・・・
医薬品のアレグラ/フェキソフェナジンは、アレルギー性鼻炎のほか、皮膚掻痒感、蕁麻疹などの皮膚の痒みにも適応があります。ですが、薬局で売られているアレグラ/フェキソフェナジンにはアレルギー性鼻炎の適応しかなく、皮膚病変に対する適応は全く書いてありません。多分ですが、申請する手間と費用を考えると、アレルギー性鼻炎の適応だけで十分と考えたのでしょうね。同じ薬なのに、流通ルートによって効能が違ったり、値段が違ったりする不思議な事は、薬の世界ではちょくちょくあります。気を付けないと、効能が当然同じだろうと思って、先発品をジェネリックに代えたら、その病気に対する効能がジェネリックにはなくて、保険点数を減点されたなんてこともありました。


価格.comでアレグラの価格を調べたら・・・・価格差がとても大きくて驚きました。
56錠で調べたのですが、最安値は送料込みで¥2,334(税込み)(1日当たり¥83.4でした。
https://kakaku.com/medicine-item/K0001231148/?lid=pc_ksearch_kakakuitem


  • 楽天で見ると、送料込みで¥2,198と言うのがありました。安いですね。何故、価格.comに載らないのでしょう?


    薬局で手に入るジェネリックとしては・・・・
    楽天でフェキソフェナジン60㎎ 90錠が税込み、送料込みで¥1,480と言うのがありますね。
    https://item.rakuten.co.jp/benkyo/4987402004361mail/?iasid=07rpp_10095___el-l0jgfmb2-h8f-23e87e73-4dbc-4263-b962-95ad5a9118ea
  • 一日当たりの薬価は:32.9円!!これは安いです。

  • 通販ではない普通に買いに行けるであろう大手の薬局での販売価格を調べたのですが、ジェネリックと先発品の価格はそんなに変わらない様です。2割引きがせいぜい?の様です。

  • まとめると、市販のアレルギー治療薬の代表選手であるアレグラを購入するならば、楽天が安い様です。ジェネリックも楽天が安い。そして一般薬局で直接購入するジェネリックはお買い得ではない。と言う結論です。


    では、医療機関で処方したらどうなるか、試算してみました。先発品、ジェネリック(ジェネリックの間でも価格差があります)そして中間的なオーソライズドジェネリック(AG) 計算してみると、相当にインパクトのある面白い結果になりました。長くなりましたので次回(以降)に持ち越したいと思います。次回は医療機関で処方した時の価格、院内処方ならどうか・・・の予定です。




家庭内感染が止まらない

2022-03-09 06:35:23 | 新型コロナウィルス
体験談「家庭内感染」はこう防いだ。2歳児感染でも同居の両親感染せず[新型コロナ]【Nスタ】

乳幼児が保育所、幼稚園、こども園などで新型コロナに感染、それを自宅に持ち帰って自宅内で感染が拡大するケースが目立ちます。ここ数日でも、自宅内で5人以上の感染者が出てしまった「自宅内クラスター」が2件認められました。正確に言うと、一人は幼稚園など外部で感染し、残りの4人が自宅内で感染したのケースでしたので、クラスター感染に当たらないのかもしれません。ですが、自宅での感染者が増えているのは確かです。

坂根医院でも、今週に入って、日曜:1名、月曜:13名、火曜:12名の新規陽性者が出ました。この26名のうちなんと17名が自宅(または日中主に過ごす実家)でした。半分くらいかなと思っていたのですが、65%でした。残りは、友人宅3名 職場2名(お二人とも保育士で職場は保育所でした)学校2名、不明2名 
26名全員が60歳以下でした。 10歳未満;7名、10代:2名、20代:4名、30代5名、40代5名、50代3名、 女性:15名、男性:11名 全員が軽症または無症状でした。


たった26例の分析ですが、オミクロン株の特徴すなわち感染者の若年化、軽症化、そして家庭内感染の増加を表していると思います。
家庭内感染を防ぐ手立ては色々と言われています。
何より大切なのは物理的に距離を置く事。出来れば別室で隔離することですが、乳幼児では困難です。可能な範囲でマスクを着用(大人は常時マスク)そして換気を心がけ、食事と排泄にも気を使ってください。食事時、排泄関連での感染拡大も多いと思います。

前回も触れましたが、唾液で行う抗原検査キット、役に立たないどころか害毒と言うべきでしょう。何処までも感度が低いです。問題になりません。
特にこれ 写真の横に✖10とありますが、私は✖(バッテン)を100個付けても足りない製品だと思っています。
家庭内クラスターが起こった大家族が使用されていたのですが、症状のある3人に使われて、誰も陽性に出ず、「私たちは新型コロナではありません。」と、おっしゃっていました。「今時、同じ家の中で3人も38℃もの熱が出ている状況で新型コロナと思わない方がおかしいです。」と、私は言い、往診してその場に居合わせた2人に対して医療用の抗原キットで鼻咽頭から検体を採取、検査したら、2人とも速攻で陽性と判明しました。それが一昨日。そして昨日御一族の残りの5名が来院、全員に同様の抗原検査を施行したら3名に陽性反応が出たというわけです。(残りの2人にはPCR検査をお勧めしましたが、「様子を見ます」と言われて帰られました。

感度が低すぎて役に立たない検査キットを販売するのは、感染拡大に直結します。医療用の抗原検査キットでは、唾液の検査は認められていません。唾液での検査が認められているのは、PCR検査及び抗原定量検査というどちらも機器を使用した検査です。その場合でも食後や歯磨き・うがいの後の検体採取を避ける等注意点が多くあります。
https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_note_200910.pdf

唾液での検査をうたう抗原検査キットは販売中止するべきだと私は強く思います。クソの役にも立ちません。

家庭内感染を防ぐ方法は色々とありますが、乳幼児や幼い子供さんが複数おられる場合は感染拡大を防ぐことはとても難しいです。先ず、家庭内にコロナを持ち込まないように努力しましょう。
とは言え、乳幼児が家庭に持ち帰ることを予防するのは何とも困難なのですが・・・・それでも、5歳から11歳までのワクチン接種には賛成と言えない私です。