茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

東京大茶会の中国茶席

2009年10月16日 | Weblog


明日から2日間にわたって開催される東京大茶会
詳細は3日前にご案内いたしました通りです
今日は私が担当する中国茶席のお茶を
チラッとご紹介いたします
この席は
NPO法人日本中国茶芸師協会が請け負っていまして
当日提供させていただく茶葉は
中国よりこの日のために届いた
それはそれは素晴らしいお茶です!
それが
無料で召し上がっていただけます
茶芸もご覧になれます
御用とお急ぎでない方は
是非お立ち寄り下さい

中国緑茶
・径山茶:グラスによる瑠璃杯式茶芸
  甘渋苦味が魅力のお茶です
・龍井茶:グラスによる瑠璃杯式茶芸
  釜炒り緑茶 西湖周辺の銘茶 
・蒙頂甘露:グラスによる瑠璃杯式茶芸
  皇帝への貢品茶であった香り高いお茶

中国青茶
・安渓鉄観音:茶壷による工夫式茶芸
  音韻と称される蘭の香りが特徴の烏龍茶
・鳳凰単ソウ:茶壷による工夫式茶芸
  蜜蘭香というすばらしい香りが特徴

中国紅茶
・九曲紅梅:蓋碗又は、グラスによる瑠璃杯式茶芸
  浙江省杭州市の美しい水色(すいしょく)の紅茶

私は予定では
18日13:30から龍井茶をお出しします


売茶翁調査員その2:田中新一先生

2009年10月15日 | Weblog
以下、茶坊主様がお寄せ下さったリポートをご紹介します。

===
「売茶翁をもっと知ろう」講演会(3回講演)が
北九州市小倉城庭園で行われています。
第一回は10月12日でした。展示会も開催中。
講演は、売茶翁調査員と自称される田中新一先生。
(小笠原煎茶道家元教授)
先生は来年、約25年にわたる、ご自身の売茶翁さん調査の集大成を本にするということで着々と準備を進めていらっしゃいます。
聴講の私たちにそのおこぼれをいっぱい分けてくださいました。

MINAKOさんのブログでも何回か売茶翁さんは登場していますね。
実在の人物ながら、その素顔はまだよくわかっていないんですよね。
この、まだよくわかっていないというところがお茶好きの探究心をくすぐります。
なんたって煎茶の祖ですからね。
なんだか、若冲が書いた売茶翁の肖像を見ていると
茶祖・神農帝や陸羽の面影があるような感じで引き込まれてしまいます。
好々爺ながらも奥深い何かの境地を感じさせる、そんな感じ。

面白いなと思うところは・・・
たとえば、売茶翁は本人以外4人います。
ファンの尊敬が高じてその名を名のっちゃった人たちがいるようで。
あ、あまりココで詳しく書くとイケマセンばい(^^)

売茶翁 本名はご存知、柴山菊泉 
1675年に九州佐賀の蓮池城外で生まれます。
12歳で出家して「月海元昭」、
68歳のとき、還俗して「高遊外」を名乗ります。
同じ年には、宇治へ煎茶を技術開発した永谷宗円を訪ねています。
そして89歳の高齢で没するまでの期間が
売茶翁として京の町中で名が高まった時期にあたるのです。
最初はほとんど町衆に相手にされず、
3店舗目の清水寺下の露店から人気が出たようです。
人通りの多さを重視した戦略だったよう。

田中新一先生作成の<売茶翁年表>すごいです。
内容が濃い。
柴山家のルーツも溯ってお調べです。
きちんと文献で照合し、実踏し、
判読できないものは専門家の協力を得、
証拠なきものは調査対象とせず。
この姿勢がナイスなんです。
先達の研究者の成果も踏まえておられます。

24日は第二回。 
さてどんな 売茶翁の姿が紹介されることでしょう。
ワクワクして待っているところです。
ああ、本が出版されたあとだったらもう少し突っこんで書けるのに~、
すまんことですばい。

===

売茶翁を名乗る静岡の葉のつくおじさまは存じていますが、
他に3人もいらっしゃるのですか!?!
ん~、こそっと、おしえてほしか。

第2回目のご報告も楽しみにしていますね。

売茶翁調査員

2009年10月14日 | Weblog
「売茶翁調査員という人を知っていますか」
というメールをいただきました
このブログに良くお立ち寄り下さる方からです
なんでも地域のコミュニティ誌を見ていたら
売茶翁に関する講演会があるのを見つけて
ハガキで申し込みをし
無事当選して
電車に乗って聞きに行ってらしたと言います

会場には
「売茶翁の12代目という方もおられてました」
と言うお話は大変興味深いもので
是非感想文をお寄せ下さるようお願いしちゃいました
佐賀、福岡では
売茶翁関係のイベントや研究会が多く
指をくわえているだけでしたが
こうしてご報告を寄せて下さると
ほんとーにうれしいです

そして何よりも
「今までだったらたぶん目にとまらなかった売茶翁にヒットし
 その話を聞きにわざわざ出かけていって
 そしてとても楽しい話を聞いて
 よい時間を過ごせた」
というお話が
私は本当にうれしかったのです

今日は星三つです~

あ、売茶翁から12代目というのは
お兄さんから数えてだそうです
売茶翁にはお嫁さんもお子さんもなかでした


茶梅

2009年10月13日 | Weblog
夕方熱っぽいと言っていた子が
39.8度になってしまいました
ポカリスエット飲んで寝ています
夜中に高熱出すのは久しぶり
時節柄こわいです
目が覚めた時に口に入れるものを
いろいろ作っているのですが
ハタと思い出し
茶梅で熱いお茶を飲ませようとしたところ
瓶があかない~~~
いくら頑張ってもあかない~~~
なので
普通の梅干しで番茶になりました
あ~
今夜は眠れぬ夜です・・・

人が苦しんでるのにブログネタかよ
なんて
早く元気になって言って欲しい

東京大茶会2009

2009年10月12日 | Weblog



去年に引き続き
今年も浜離宮恩賜庭園にて
東京大茶会が行われます

プログラムに
世界のお茶・おいしい日本茶の淹れ方講座がありますが
その中の
中国茶のブースにお手伝いに伺います
18日の日曜日です
ご来場お待ちしております


開催日時
10月17日(土)・18日(日)9:30~16:00
(*浜離宮恩賜庭園開園時間 9:00~17:00 最終入園時間は16:30)

入園料
一般300円、65歳以上150円
小学生以下及び都内在住・在学中学生無料

アクセス
都営大江戸線「築地市場」「汐留」下車徒歩7分
ゆりかもめ「汐留」下車徒歩7分
都営浅草線・JR・地下鉄銀座線「新橋」下車徒歩15分

主催 東京都
   東京文化発信プロジェクト室(財団法人東京都歴史文化財団)

石灯籠

2009年10月11日 | Weblog
この石灯籠は
箱根白雲洞茶苑にいました
実にかわいくて
もうかわいくてかわいくて
「撮るよ-」というと
右足をぴょんとあげそうでした♪

石燈籠というのは
そもそもは寺院や神社のものであって
庭園や個人宅にあるものではありませんでした
でも
そんな常識を変えてしまったのは
もしかしたら利休さん

ずいぶん後の資料ですが
1830年の喜多村信節著『嬉遊笑覧』に
「古代は庭に石燈籠を置くことなし、
 石燈は寺院のものなるを、
 茶湯者取りて庭に置きて見物とす」
とあります

実際
石灯籠が寺社以外の所に見られるようになるのは
織豊時代からだそうですから
やっぱり茶湯者の仕業かもです

利休さんのメモにも
どこどこの寺の石灯籠が形がいいなどと記されていて
あれこれ物色している様子がわかります
また台子のお点前に関して記したものに
「朝にても夜にても、
 石とうろに火ともしては、
 しゃうじを立る物也」
とあります

朝から点(とも)すのですから
照明ではなく燈明の意ですね
献灯には十種の功徳があるそうです

一、世をてらすこと燈の如く、
二、所生の処に帰って肉眼壊せず、
三、天眼を得る、
四、善悪の法に於て善智慧を得る、
五、大闇を除滅する、
六、智慧の明を得る、
七、世間に流転するも常に黒闇の処に在らじ、
八、大福報を具す、
九、命終して天に生ず、
十、速やかに涅槃を証す、

茶の道ですね
明かりを点すと言う字と
茶を点てるという次は同じですね

うぐいす

2009年10月10日 | Weblog
茶箱の月点前は、
点前座に4枚続きの板を敷いて、
その上にお茶を点てる道具を並べていきます。
その道具の一つに、
うぐいすと呼ばれる逆U型の針があります。
これに茶筅をさす(立てる)ので、
茶筅が倒れないための道具と説明されますが、
では何故他のお点前には使わないのでしょう。
「花」や「雪」はインドアのもので、
「月」だけが風に倒れることを配慮しているのでしょうか。
さて、
うぐいすという語源とは。

「うぐいす」という名は香道の道具に由来します。
香道では香の紙をとめるのに銀製の畳針を使うようですが、
これが「うぐいす」と呼ばれています。
針に紙がささっている景色が、
鶯が梅の枝にとまっているようであるからとか、
「飽かなくに折れるばかりぞ梅の花 
 香をたづねてぞ鶯の鳴く」という
『続後拾遺集』の歌に因んで、
香を留める針をうぐいすと呼ぶようになったとかだそうです。
茶道には香も歌もあります。
香道にヒントを得た道具があるのは道理です。

でも茶筅を立てるなら、
ここにうぐいすを曲げて持ってこなくても、
画像の右にあるような茶筅立てでもいいはず。
(この茶筅立ては月点前とは関係ありません)
香道のうぐいすが香を留めるものなら、
月点前のうぐいすは月を留めるため?
あ、まだ行かないでお月様
という思いかしら。
でもそこに茶筅を立ててしまうのは何故?
茶筅は竹。
竹取の翁が月のお姫様を留める想い?

なことを考えていると
浮き世の憂さも晴れて参るというものです。

月点前

2009年10月09日 | Weblog
茶箱の月という点前は
手数が多くて一服点てるのに長い時間を要します
これは
秋の夜長を楽しむため
月の明かりに映える風情をゆっくり愛でるため
そんな仕掛けなのかと思います

虫の声も草の匂いも風も
昼間のそれとはまた違います
月を見るつもりが
五感がたくさんの発見をしてくれて
飽きを覚えないひとときとなります

月のお点前が確立されたのは
十一代玄々斎精中宗室の時
19世紀の後半です
まだ街灯なんてない時代ですから
秋の夜は
今よりもっとたくさんのメッセージをくれたことでしょう

日本にコペルニクスの地動説が入ってきたのは
吉宗の時代
17世紀後半です
月点前は地動説の時代のお点前ですが
もっともっと前から
人は月夜にお茶を楽しんだでしょう
いったいぜんたい
月の満ち欠けをどう見ていたのでしょうね

今宵は
NASAの月クレーター観測探査衛星『LCROSS(エルクロス)』が
クレーター『Cabeus(カベウス)』にロケットを衝突させました
クレーター内に水の痕跡があるかどうかを調べるためです
その様子は
NASAのHPからリアルタイムで見ることができましたし
YOU TUBE で振り返ることもできます
月、目の前です
すごいです

昔の人は
月が細ることの不思議の向こうに
人の命の不思議を重ねたことでしょう
今は今で
ビッグバンに思いは飛んでいきます
ほんとうに
人はどこから来て
どこへ行くのでしょう

足袋

2009年10月08日 | Weblog
寒くなってきました
板の間や畳の冷たさが辛いお年頃
冬になると皆さん
お着物の足元にはいろいろ工夫されているようです
ストッキングはいちゃう派
七分丈スパッツはいちゃう派
足先ホッカイロ入れちゃう派

私はお水屋では
大きな毛糸の靴下を足袋の上からすっぽり履いていました
でも別珍の足袋があるというではありませんか
紫とか濃い色ですが
今年はちょっと試してみたいと思います
正装では白足袋がお約束ですから
お茶会の時は白がよいでしょうが
お稽古の時は
足袋の柄を楽しむのも良いと思います

もともと「たび」は白ではありませんでした
「たび」の語源は単皮(たんび)
オリジナルの素材は皮だったのです
奈良時代より前に中国から伝わってきたもので
木靴に履く靴下のような履き物がありました
これが日本で独自に発展して
足袋になったといわれています
木綿の足袋は江戸時代になってからです

画像は「フランス履き物美術館」にある足袋(?)
親指と他の4本が分かれている履き物の機能性は
欧米で高く評価されているそうで
いろいろおしゃれな工夫が始まったいるようです
大工さんの地下足袋もお祭りの足袋も進化してます
スニーカーで先が割れているのもあります

足先の割れた靴下(たびっくす?)も
出てきた頃は抵抗がありましたが
最近はかわいい柄物も増えて
割と日常的になって来ましたね
たびっくつもそのうちメジャーになるかしら?





「点茶心指」

2009年10月07日 | Weblog
耐震工事で少しお休みだった学校茶道が再会
とってもうきうきです
みんなの喜ぶ顔が見たくて
うさぎちゃんのかわいい和三盆を用意しました
塩瀬総本店さんのお月見バージョンです

でも
うさぎちゃんよりも
ころころのお月見団子よりも
ひときわ大きい満月が人気
正客さんが干菓子盆に手を伸ばすと
「月はわたし」
「まつたけはだめ」
「まつぼっくりのこしといて」
などなど声がとびかい
懐かしいにぎやかなひととき

ところが今日はそのにぎやかさの後に
凛とした静寂が訪れたのです
胸が熱くなりました
3年生はもうあと数回しかお稽古日がありません
残り少ない時間を惜しむように
丁寧に帛紗をさばく所作は
数ヶ月のブランクを感じさせませんでした
柄杓をきる間合いも美しく
「おかしをどうぞ」も照れずに言えました

茶筅を振っている時
8人の女子高生の唇は余計なことを語りませんでした
のの字を書いて茶筅を置くまで
みんなの息がとまっていたみたい
しょ~~~~
茶室に松風がたちました
「聞こえた?」
静寂を破ってしまったのは私
「いいお茶が点ったわね」
そんなこと言わなくても
本人がいちばんよくわかってます
いい顔してました

帰ってから
柳宗悦の詩を繰ってみました
良き場をいただいていると
本当にうれしくおもいました


「点茶心指」

一フクマイラス

捨テ身ナル聖へ
僧堂ノ行者ヘ
心澄メル比丘尼ヘ
求道ノ居士ヘ
貧シキ道友ヘ
老イタル佳人ヘ
素直ナル若人ヘ
媚ビザル主ヘ
ツマシキ田舎人ヘ

掃除機

2009年10月06日 | Weblog
子供が掃除機を担いで帰ってきました
友達の家からもらってきたと言います
そんな簡単にもらえる物ではありません
いったいどうしたのか聞いてみると
「だってうち箒だし」ということです

掃除機が壊れたとき
お茶の葉っぱと箒で掃除をすることに開眼した私は
掃除機を買い換えようなどという考えなく
ルンルンとお茶の葉を撒き散らしては
箒でさっさか掃除をしてきました
絨毯も箒でいける!
隙間も段差も楽ちん!
箒すごい!
それにお茶の葉を使うと
雑巾がけも一緒に終わったような仕上がりで
お茶の葉万歳!
と喜んでいたのです

子供の友人が遊びに来ているときに
「どうしておまえんちって壁にお茶っ葉がよくついてんの」
なんて聞かれて
「うちの親へんだからだよ
 これから掃除するってのに、茶殻撒いてよごすし」
などというような会話を何回か聞いた気はします
その友人が
うちにノズルが壊れただけて使ってないのがあるぞ
と愛のメッセージをくれたようです

うちは掃除機も買えない・・・
と小さな胸(小さくないけど)を痛めていたのね
というわけで
壊れた掃除機よりぐっと新しい掃除機ゲットです
あれば、そりゃあ便利ですね~
これからお茶殻は
捨てるストッキングに入れて
雑巾で来るんで床拭くのに使います

今度フロアーモップ担いでくるかしら♪

『茶道文化検定公式問題集』

2009年10月05日 | Weblog
たとえば

宇治七名水のうち
現在も現役の井戸はどれですか

公文水
法華水
阿弥陀水
桐原水

新古今和歌集に
「秋の夕暮れ」を結びとした三首の名歌が所収されていますが
作者の一人は誰ですか

藤原家隆
在原業平
小野小町
寂蓮

十三世紀なかば
中国南宋代の審安が著した書物はどれですか

茶具図賛
茶具備討集
大観茶論
茶録

日本の絵画が茶席に使われるようになったのは
いつの時代からですか

鎌倉時代
室町時代
安土桃山時代
江戸時代

師である五祖法演の問いに
「看脚下」と答えたのは誰ですか

園悟克勤
趙州和尚
澤庵宗彭
雲門和尚


などなど
茶のこころ
茶の歴史
茶事・茶会
茶道具
茶と禅
茶席の花
懐石
菓子
茶室・露地
茶業
と言った分野から出題されています


2008/10/22と2009/9/17に
この検定のことをご紹介しましたが
友人がこのような問題集で特訓しているのを発見
いろいろあるのですねえ
一日借りて覗いて見れば
ちょいと
難しいです
受験申し込み締め切りは10月16日
あ、まだ申し込んでいない!



『茶道文化検定公式問題集 1』
監修(財)茶道文化振興財団
平成21年10月発行
淡交社

under the moon

2009年10月04日 | Weblog
2畳のゴザがざっと砂浜に舞い
月光茶室完成

お月様を待つ間
スコップでさくさくと砂を掘り
建水?
いえいえ
寝るんでーす
腰から下を砂の中に埋め
やや腹筋きてます気味で
びみょ~に安定した状態
目の前の海に大きな夕陽がおちてきて
魚がぴょっと跳びはねて
どこからかいい感じでギターの音
名付けて癒し系デトックス待合

太陽は海に届く前に雲に隠れてしまいました
星三つ数えているうちに
人もいなくなりました
まっくらです
山の端から満月が現れるまで
お茶会はお預け

遠くに消えゆく水平線
背に満月の気配
下半身砂の中
上半身茶室(ゴザの上)
こんな変なことに面白がって集る仲間がいるなんて
お茶やっててよかった~
カンケイナイカぁ
でもお茶仲間なんですね~

砂からあがり
パンパンと身を清めていると
茶室の明かりもばっちりのぼってきました
冴えています
満月のようなお盆でお薄を点てて
夜咄タイム
お話は・・・
主婦の日常会話・・・
旦那がどうの、子供がどうの、明日のおかずがどうの

でも
気がつけば三服もいただいていました
砂パワーで体ポカポカ
冷たい秋風も気になりません
小さな子供の手を引いて花火をした浜です
大勢でBBQを楽しんだ浜です
病気の母と歩いた浜です
哀しいとき独りで泣いた浜です

超日常をひきづったままでも
お茶はおいしかった
ふと正座して茶筅を振る姿は美しく
袋菓子でも
ふとでる「お先に」はさりげなく
大変結構なお点前でございました

茶碗の中の月を飲むには
あと3時間は長居が必要
もっと不良ママにならないとなあ~

水に浮かぶ月

2009年10月03日 | Weblog
雷で目を覚ましました
強い雨です
あーあ
お月様はダメだな
お月見茶会は中止にし
大船の温泉に行きました

正しくは横浜市栄区に
田谷の洞窟とよばれる名所があります
鎌倉時代初期開創といわれる修禅道場で
約1キロにわたる洞窟になっていて
壁にはたくさんの仏様が彫られています
もちろん中は真っ暗
入り口でろうそくを一本もらい
風に揺れる炎を大事にしながら
歩いて巡るのです

そのすぐそばにできた
一日500円の温泉は
この洞窟をイメージしていて
気持ちが落ち着いてなかなかでした
初めて体験する電気風呂で
すっかり元気をとりもどして来ました

気が付けば雨は上がり
どんどん空が晴れてきて
もしやと思っている間に
温泉に映る月発見
平安時代の貴族は
池に船を浮かべ
水に映る月を愛でて歌を詠んだと言いますが
まさか温泉に揺れる名月を観賞しようとは
思いませんでした

今年は中秋の名月の翌日が満月となります
明日の15:00です
明日は葉山の長者が崎で
満月浴を楽しみながら
月点前でも
いややっぱり盆点てかな
ゴザかついで行ってきます

そういえば
去年はススキがまだないと言って
探し回っていましたが
今年はもう開きすぎてしまいました
一昨日床に飾ったススキが
今朝は畳みにばらばらとこぼれていました

いくめぐり過ぎゆく秋にあひぬらん
かはらぬ月の影をながめて
待宵小侍従 (「新勅撰和歌集」)

月見団子

2009年10月02日 | Weblog
テレビで
関西の月見団子は
白いお団子に餡の帯をしているが
これは食い倒れの街の大阪人が
上新粉のお団子だけではおいしくないので
餡を巻いちゃったと説明していました
餡の帯をしている月見団子を見たことがなかったので
へ~~さすが大阪!などと思い
デパ地下で関西の月見団子を探しました

画像は京都鼓月さんのお菓子です
これはどう見ても
里芋です
中秋の名月は芋名月と言われますが
この芋とは里芋のこと
ですから餡の帯を巻いているのではなくて
餡で里芋をかたどっているのです
関東では
白い丸いお団子を重ねて
別に里芋を籠に盛ったりしますが
関西では里芋をお団子にしちゃうのですね

でもテレビのお団子は確かに帯でした
テレビの人が紹介した由来もあるのかしら

今、お芋というとジャガイモが一番身近かもしれませんが
ジャガイモがジャガタラ(ジャカルタ)から渡来するのは
17世紀のこと
日本人がずっと食べてきたお芋は
山に生える山芋と
里に生える里芋でした
縄文の頃から食べられていたそうですが
子芋がころころいっぱい付く里芋に
子孫繁栄を托したり
その秋の収穫を感謝したり
愛されてきたお芋です

さすが鼓月さん
ただ餡をくるんでいるようですが
これがなかなか難しいです
私がつくると
チョコレートの「きのこの山」になります
今宵は嵐
明日の名月はいかに