茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

折り紙

2010年09月11日 | Weblog
流浪の茶道教室・・・
いつもいろいろとお道具を詰め込んだ
ガラガラを引いては
お稽古場に通っています。
私は、忘れ物も多く
ダメな先生です。

今日は、香合を忘れてしまいました。
白檀は持ってきたのに。
何か代わりになるものをと
懐紙で「はこ」を作り始めました。
しかし・・・
「はこ」になりません。
あ~れ~・・・。

水屋は突如、折り紙教室になりました。
みんなで懐紙を取り出して、
それぞれに思い思いの香合を作り始めました。
画像は、
最優秀作品!
舟を折ってくれましたが、
大変安定していて
白檀を運ぶ任を果たしてくれました。

暑い日でしたし、
白い和紙の香合はなかなか涼を呼んで
良い風情でした。
それに、
香木は、こうして舟に乗って
大陸からやって来たわけですし。

インドが原産の白檀は、
仏教の伝播と共に中国に伝わり、
中国からは
鑑真和尚が仏典と共に
たくさんの香料を持ってきてくれました。
唐の時代(754年)のことです。
すでに、
インド・中国、朝鮮では
仏前を清めるものとして香が使われていました。
日本では、
ひとあし遅く奈良の時代に
仏教と共に広がっていきました。

でも、
日本におけるもっとも古い香木の記録は、
595年、
淡路島に漂着した木片を火の中にくべたところ、
よい香りがしたので、
その木を朝廷に献上したところ重宝された
という『日本書紀』にある伝説だそうです。

一片の香から
遙かなる旅が香ってきます。