茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

根を張る

2010年09月03日 | Weblog
この猛暑、
庭の鉢植えの緑は、
うかうかしていると
がくっと首を落とし、うなだれていますが、
茶畑のお茶たちは、
どうでしょう、
暑さなんぞどこ吹く風、
まだまだ、
次から次から芽を吹いています。

土はからからなのに。
お水はやっていないのに。
うなだれるどころか、
柔らかな葉を大きく開いて
天を仰いでいました。

育っていない幼木もいくつかありました。
植えるときに
根をまっすぐに落とさなかった苗でしょう。
まだ、ほんの30㎝ほどの幼木ですが、
土の中で
深く深く根を張っている様子が見えるようです。

畑の土はもうかさかさで
歩くとすぐに靴が真っ白になり、
白い砂煙が立つほどです。
でも、散水はしていない・・・
この試練が立派な根を育てるのでしょうか。
水を求めてぐんぐんと張るのでしょうか。
鱗雲の空を見上げて
土の中を想像していました。

九州では、
お茶は結納の品として欠かせないものです。
婚家で深く根を張るように。
そんな願いを込めてお茶が贈られるのです。
また、結納金を茶銀といったり、
結納の品を披露することをお茶見せというそうです。
福岡のお茶屋さんでは
結納セットが並んでいましたっけ。
贈られるお茶は番茶。
何度も出ない、からだそうです。