茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

五百羅漢

2008年11月10日 | Weblog
裏千家さんの茶道資料館で
『鎌倉時代の喫茶文化』という展示が行われています
印象的だったのは
南宋時代(12世紀)の仏画で
羅漢さんの
お茶タイムの様子が描かれたもの

羅漢さんというのは
仏道修業者で
供養と尊敬を受けるに値する人
のことをいうのだそうですが
この羅漢さん達のお茶の用意をしているのが
鬼くんたちなのです

一匹は
固形茶を砕いた物を茶研でひいています
もう一匹は
炭をおこし湯瓶を乗せる炉の準備をしています

鬼に支度をさせるなんて
羅漢さんダメジャン
利休さんは
たった一服のお茶をいただくための
こうした準備を
全部ひとりでやってごらん
と言われてます
それが大事なのに

え?ちょっと待って
いやいやこれこそが施餓鬼?
お茶は徳のある人達だけのものではない
(当時はまだお茶が民衆の物ではなかったから)
誰だって
鬼でさえ喫茶OKということ?
確かに鬼君
よし僕も頑張ろう!
みたいな顔してるかも

他には
朱の天目台に載ったお茶碗や茶筅
茶漉し用の赤い布などがみられました
赤ですよ、赤

鎌倉時代の喫茶と言えば
禅宗の教えとともに広がりを見せていました
この浙江省の仏画はまさに
「茶禅一味」を現す物なんですね
所蔵は、大徳寺さん
村田珠光、武野紹鴎そして利休さんとも
ご縁の深いお寺さんです

大阪日帰り出張の隙をぬっての
鎌倉時代への高速ワープ
ハッピーバットたいあーど
そうだ・京都に行こうな時期
ゆっくり自然を味わうことはできなかったけれど
道ばたで見つけたかわいい紅葉にも
竜田姫は微笑んでいました