実は、お菓子教室を台所でやる事を決心した理由がもうひとつあります。教室を始める前の年にシステムキッチンを購入したのです。それまで30年前に製造された流し台を使っていて、気に入らなくて何度もペンキで塗り替えを繰りえしていました。でも、流し台より気に入らなかったのは、床。10年以上前にその家を建てた時大工さんに進められたピンクの小石模様の床は、たくさんの隙間にゴミがたまってしまい半日かけてブラシでこすってきれいになっても3日ともたない最悪なものでした。それが気持ち悪くて本当は床を直したかったのです。
システムキッチンをほんとに買ってもらえるなんて思ってもいなかったのですがたまたまガス展で3日間展示したキッチンを激安で売っていたのです。サイズも我が家にぴったり。父を説得してついに購入してしまったのです。ついでに床も木目模様に貼り替えてもらいました。取り付け費用や床も混ぜたら結構いい金額になってしまいましたが薄汚いイメージの台所から憧れのイメージに近づいて、お菓子教室の夢を現実に見るようになったのです。
お菓子教室を始めるために太郎庵を辞めた直後からお菓子教室の準備を始めました。
なるべくお金をかけないで始めようと思い古くなった台所の壁紙を自分でペンキで塗ったり、飾りつけ、家庭のものをなるべく隠す大掃除をしたりしました。それまでの家庭のイメージからかわいい教室のイメージに変更するためにお金をかけない工夫をたくさんしました。
そんな事で教室にイメージが出来上がり、太郎庵を辞めて2ヵ月後ついにお試しコースを5ヶ月間に渡って始めました。パソコンもワープロもできない私は、手書きで案内を書いてあちこちにおいてもらえるところを捜しました。そして月刊誌の会津嶺に情報として送ったら掲載してもらいました。
5ヶ月間にわたるお試しコースは大反響でした。もちろん毎日参加者がいるわけではないので太郎庵を辞めて教室を本格的に始める7ヶ月間は、太郎庵にバイトとして通いながらの日々でした。
今考えれば、お試しコースのために準備した道具はほとんどありません。安いボールと鍋を数個そして100円ショップで細かな道具などを買ったくらいで今まで好きで集めてきたお菓子の道具をここでまとめて使った状態です。狭いキッチンで6人同時に作ることもあり、要領がよくなるわけがありません。
それでもたくさんの方に喜んでいただき、アンケートでたくさんの意見をいただきました。
本格的に教室を始める時には、ミキサーと1ドア冷蔵庫、1万円のオーブン1台、ワープロを買い、入会金の分で泡立て器orパレットナイフ、カード、ゴムベラをプレゼントにしたのでたくさん購入して教室用にもおろしました。今考えるとここまでお金をかけずに仕事開業をする人はいないんじゃないかと思ってしまいます。
教室開業の案内は再び会津嶺に掲載してもらい、知り合いの紹介で情報紙の週刊あんぐるにも記事として掲載していただき、初年度のみですが広告料0円でした。v(^ ^)v
そして、想像をはるかに超える入会希望の方からの連絡がきたのです。