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インド旅(10) サールナートへ

2009-01-03 | 旅-インド
正月休みも明日まででしょうか?
皆様どんなお正月をお過ごしですか?


***

バラナシに来たならぜひ行ってみたいと思っていた「サールナート」の町。
インドの中でも仏教の聖地としてとても有名だ。
ブッダ・ガヤーで覚りを得たブッダは多くの宗教者が集まるバラナシを目指す。
その郊外サールナートに着いた後、かつて共に修行していた5人の修行者に出会い、自分の覚った真理を初めて語ることになる。
初めて説法をした場所ということもあり、今でも各地から修行者の巡礼が耐えない。


10キロほど離れた町なので、バスで行こうかとも思ったけれど、行った先でもそれぞれの見所を歩くので、オートリキシャをチャーターした。
前金を払い、なんとそのお金でガソリンを入れにスタンドへ直行。
ちょっと遠回りだったけど、関係ないんだな。
オートリキシャの燃料は何なんだろう?
普通のガソリンを入れた後、コップ一杯の「なんちゃら」を入れてた。

運転手のおっちゃんは口の中が真っ赤なんだ。
途中で何度となく立ち寄って、葉っぱの上にのってる何かを口に入れ、しばらく噛んだ後「ピュ~!」って口から吐き出す。
もちろんその液体はレンガ色なのだ。
名前はパーンというのかキンマと呼んでるのか分からないが、ヒンドゥーと深い関わりのある趣向品。
噛みタバコというのか?
かなり依存性が強く、頻繁に買って口に含んでは「ピュ~!」って吐いてた。

サールナートまでの道のりは埃っぽくて、排気ガスもすごい。
近づくと交通量も減ってきたけれど、着くまでにはすっかり喉をさらにやられてた。
インドに行くときは絶対にマスクが必要だ!

駐車場にリキシャを入れて、おっちゃんと別れ一人でムールガンダ・クティー寺院へ行く。
お寺は基本的に裸足で入らなければならない。
必ずといっていいほど靴の見張り番がいて、小銭は必要。
2~5ルピーといったところだ。



美しいでしょ?
スリランカから来たお坊さんがいて、ちょっとおしゃべりしてみた。
日本には来ないんですか?ってきいたら、とっても行きたいんだけどまだインドで修行し始めたばかりだから…いつかきっと行くよ!と若い坊さんらしいお返事でした。



このお寺の内壁は淡い色彩の絵で一面覆われている。
なんとこの絵は1930年代に日本人画家、野生司香雪がブッダの生涯を描いたもの。
繊細な美しい絵だった。

外へ出ると一人のおっちゃんが寄ってきた。
「私はブッディストなので、お寺を案内してあげる」と。
「ガイドじゃないの?」というと、
「私はブッディストだからちがう」と繰り返す。

ストゥーパ見たいんだけど…というと「こっちこっち」と案内してくれる。
「このお寺の絵は日本人が描いたんだよ!」
「うん、知ってる。綺麗だった」

「これだよ!ストゥーパ!」

霧の中に現れた大きな土の塊は迫力があった。



ストゥーパはサンスクリット語で「土を盛り上げたもの」という意味がある。
ブッダの遺骨を土を盛った塚に収めて崇拝する対象としたそうだが、それがこのストゥーパの始まり。ただの象徴だからここのストゥーパに埋まっているわけではないですよ。
「卒塔婆」と漢訳され、日本にも伝わって墓地で供養のために立てる卒塔婆(そとうば)や、仏教寺院の五重塔などの塔の起源はこのストゥーパなんだそうだ。

次に見たのが隣にあるお寺。
2体のお釈迦様がいるんだけど、右が本物で左がイミテーションなんだとか。
ぜんぜん違いが分からなかった。



そして鹿公園には鹿を見ることができました。
それにしても霧がすごいなぁ~。



中国寺などの寺めぐりも大体終わって「博物館に行こうかな?」っていったら、おっちゃんが「アズユーライク!」と言うではないか?
でた!必殺技。
ここで普通なら無視するのだろうか?
私は出来なかったんだな。
「じゃぁ60ルピーね!」って渡したら、
「あと20頂戴!」だって。
言い訳が、ほかのガイドみたいに100とか200とか言ってるわけじゃないんだからさぁ~。
ってお前はガイドじゃないっていったじゃん!

またインド人にしてやられた私であった。

160円でガイドしてもらったら安いよねぇ~。
とか自分に言い訳しながら、これでいいんだろうか?と考える。

リキシャのおっちゃんに断りを入れて、博物館に向かう。
ダメークストゥーパモニュメントサイトの外から見たら、ちょうどお坊さんたちの巡礼者がいた。
ひとしきりお経などをあげた後、高いダメークストゥーパを見上げ感慨深げにしていた。



考古学博物館へ行ってみた。
途中、太い輪ゴムで出来たボールのようなものでリフティングして遊んでいる少年たちがいた。
横を通ったら、「蹴って~!」ってそれが私に飛んできた。
思わず足が出て、渾身のリフティングが成功し一人の少年に帰ると、次々私に飛んでくるようになった。
しかしボールを蹴ったのなんて何十年ぶり?最初の1回は奇跡だった。
「ごめんねぇ~」っていいなが輪から抜ける。
やはり何でもやっておくべきだなぁ。
世界の中田はさすがだと思った。

博物館は入場料わずか2ルピー。
携帯電話とカメラを預けて、中へ入ると…日本からきている団体観光客の皆様。
日本語ガイドが付き、15人はいただろうか?
添乗員さんが暇を持て余してたので、久しぶりに日本語でおしゃべりが出来た。
おばさんやおじさんに「一人で来たの?」
「どれくらいいるの?」
「どこへ行くの?」
など次々に質問を受けながら、「お気をつけて~」となぜか握手して分かれた。
この親しみ感は海外旅行ならでは。
彼らは物売りに囲まれながらゴージャスなピカピカの観光バスに乗り込み去って行った。

最後に見たのは、日本寺
ちょうどお経を上げていたので、静かにお参りして失礼した。
瓦などは日本から持ってきたものらしい。
こちらのご住職はインドの貧富の差が酷いので、無料の学校を作られました。
もちろんカーストは関係なくだれでも学ぶことができます。
地味なお寺だったけど、日本人としてはやはり一番落ち着く感じがしたなぁ。



残念ながらこの日は霧が晴れることはなく、ず~っとどんよりしたまま。
今度来るときには青空の中を散策してみたいなぁ。

あっという間に2時間は経過し、バラナシに戻ることにした。
また帰りに彼はパーンを口に入れ、埃と排気ガスの中を走り抜けた。
ホテルの前でお金を払い、さっそくシャワーを浴びることに。

気持ちよくスッキリした所でランチに出かける。

お腹すいたなぁ~何食べようっかな?


つづく。