阿武山(あぶさん)と栗本軒貞国の狂歌とサンフレ昔話

コロナ禍は去りぬいやまだ言ひ合ふを
ホッホッ笑ふアオバズクかも

by小林じゃ

短歌 その15(2018年8月~10月)

2018-08-08 09:48:55 | 短歌(まとめ)

 

 

       月命日     

  不明者を捜索中の写真見れば こぶし効かせてミンミンゼミなく


       寄団扇悔恋 

  頭ではわかっていると言っておいて うちわであおぐペタペタあおぐ


       壊冷房

  暑い死ぬも一度君に会いたいと言うのはちょっとインチキくさいか


        不消恋

  いや今も好きよ恨んでないけえね幽霊なったらすぐ会いに行くよ


       食後珈琲

  一線でバリバリ働く君は強い議論はしない同じホットで


       断恋

  幸せを願い続けた真心を貫くならば Fade away!

  まごゝろを全部吐き出したのだからこれでおしまいすべておしまい


       酷暑漸終

  30℃なれども涼し我が部屋も暑くはあらず秋立つらしも


       寄夏水仙

  秋晴れや淡き黄色の遠けれどさやかに見ゆるリコリスの花

  あぜ道の緋色の波と競ふでもなしに咲きゐる黄花リコリス

  昨日はたち今日は十九の差があれば手折らんとしたことはなかりき

  さよならもおめでとうとも言えなくて花の名前を風に託せり

  秋風の吹けども君は凛と立ち我の影のみ長く揺れたり

  君は背を向けず別れも言わずありて立ち去る勇気我に与えず


       恨恋

  龍一のツイートほめて私にはいいねくれない人ぞ恋しき


       風呂敷心

  ふろしきの文化と君はゆうたけどつゝむこゝろはリスペクトなんよ


       胃腸不順

  原因は「冷え」だわと言う漢方医 確かに心は冷えきっている


       阿武山夕景

  夕闇やこのまま君を好きなうちに消えてみようか 火星かがやく