日本の民話の中にも、暗く、やりきれない結末のものがあり
そう言ったものを題材に「問題を提起する」という人形劇がある。
ただ私は、どうにも割り切れない気持ちになります。
人形劇と言うのは基本的には親子で見てもらうものだから
少なくとも演出家は、「大人の立場」であって欲しい
問題を提起して、現実をつきつけて、
後は見た人に解決策を求めると言うのは
大人がやる仕事ではないんじゃないか?と思います。
制作者なりの解決策の提示が欲しい
それに対して賛否があるなら、受けて立つと言う姿勢が欲しい
芝居を見て憤りみたいなものを感じたのはそういったところか。
きゃべつ村に例えれば
キウイが最後の最後まで飛ぶことも、缶に戻ることもできず
諦めてしまったら、子供たちは消化不良を起こすと思います
「あーよかった」で終わって欲しいのです
「頑張ればきっとできる」と思って欲しいんです
「世の中そんなに甘いものではない」と言うのは
社会に出てから本人が味わうべきもので
飛び立つ前のヒナに、毒の餌を与えて
「これが社会と言うものだ」と言うのは
ある意味、大人の免罪符だ。
子供時代に必要なのは
「歴史と言う長い流れの中で、
紆余曲折はあるけど、人類は確実に、
非暴力と友愛と平等に向かっている」と言う確信であり
「それでも残る矛盾に立ち向かっていく勇気」を
与るのが、大人の役目なのではないかと思います。