トトラの馬

元々はエコロジーやスローライフについて書いていましたが、とりとめなくなってきた。

「割りばし有料化」への反応

2006-09-22 00:14:28 | エコ&スロー
<割りばし>コンビニ大手のミニストップが一部有料化
一昨日このニュースを読んでから、一体この取り組みは一般消費者にどのように受け止められるんだろう、と気になっていました。

gooブログのトレンドランキング< でも上位にランキングされるくらい、BLOG上での反響は大きかったようです。
刻々と増えていく、このニュースに言及するBLOGの記事を沢山読みました。
BLOGというのは、こうした日常のニュースに対しての反応をすばやく読みとるには、とても優れたツールだと思います。

さて、このニュースへの反応として、一番多かったのは 「今まで無料だったものを有料化しても、定着しない」というものです。
これは、ごくまっとうな日常感覚ではないかと感じます。

自身の金銭的メリットよりも、環境への配慮を優先する人間は世の中のごく一部です。
金銭的な損失がない場合には、環境への貢献度が高いものを優先する人も増えるかもしれませんが、今回の取り組みの場合、中国産の割りばしをこれまでと同様もらう場合はタダ。一方、国産材の割りばしを選択すると5円。

「中国産がこれまでどおりタダでもらえるなら、当然そっちをもらうでしょ」
というのはごく一般的な感覚。
無料での配布を撤廃できなかったところに、この取り組みの難しい点があるように思います。

そしてもう一点。
冒頭で「気になっていた」と述べたのは、この取り組みが「国産間伐材」の問題であるという点まで含めて伝わるのかどうかが疑問だったからです。
わたし自身は、「消費すること=環境への悪影響」と捉えられがちな環境問題において、企業がこのように間伐材の利用促進に取り組むことは評価に値すると考えています。まあ、一般的な感覚に沿っていない点で、その方法には課題が残されていますが。

しかし、BLOG上でこの問題に言及されている記事が非常に少ないことを残念に思っていました。
むしろ、「有料化することで割りばしの使用量を削減する取り組み」と捉えていると思われる内容が多く見受けられます。
そして、多くのBLOGを見回している中でも特にハッとさせられた一文があったのです。

 さんきゅ!: 割りばし有料化 より引用。
「ん?」って思いました。
 中国産、割りばしが高騰しているので、国内産の割りばしを有料化。って、変な感じです。


わたしもこれを読んで、「ん?」と思いました。
そして、慌てて元記事を読み直してみて、妙に納得。
そう、なんの予備知識もなくこのニュースを読んだ場合、確かにこのようにも読みとることができてしまうのです。

もちろん、記事中には “中国で森林乱伐が問題化” “有料の割りばしは(中略)端材を活用” “地球温暖化防止” といったキーワードは出てくるのですが、国産材の利用が国内の森林保護につながることがわかる説明はありません。
記事の後半では中国材の値上げの脈絡からミニストップでの有料販売試験実施に文を継いでいて、読み終わった印象として「中国材の高騰→有料化」のストーリーが強く印象に残っていてもおかしくありません。

理解されにくい施策ではないかと懸念を持ってはいましたが、どうもこのニュースの書き方がより一層の誤解を招いたのではないかと残念でなりません。
コンビニ側の努力はもちろんのこと、報道する側もきちんとした前後関係を伝えてほしいものです。

同じくこの問題を昨日取り上げていた BROblog: 消費することで維持出来る環境~木づかい運動~ では、その点、タイトルからしてよくこの内容を表現されています。
取り組みの趣旨がきちんと紹介されている、ミニストップの「木づかい運動」のページニュースリリース(PDF)へもリンクを張られていますし、本文中でも安価な木材の輸入により国産材の使用が減少し、国内の森林が荒廃している点をきちんと説明しています。
(どうして、ニュースサイトはこういう分かりやすい説明ができないんでしょうね・・・)

一部の人だけでなくもっと多くの人に理解される取り組みが
欲しいところですね。

とBROSさんが書かれている通り、この取り組みが主眼としている国産間伐材の利用促進への理解はなかなか得にくいでしょうね。

これなら、「国産割りばし5円」と協力を求めるより、「国内の森林保護に募金を」といってレジ前に募金箱でも置いておいたほうが、よっぽどお金が集まるんじゃないかなあ。
それで国産割りばしを作る費用を補助して、店で配る割りばしはすべて国産に換える方が効果的な気がしてしまいます。