カバ社長の日記 caba note

壁画やオブジェの制作会社ビッグアートの社長日記。「面白くなければ人生じゃない」がモットーの熱い熱いカバ社長の物語です。

「絵を描く仕事」の可能性を広げる視点

2011-07-18 11:44:46 | アートと仕事
絵を描くことを仕事にしたい人は限りなくいますが、実際に仕事にありつける人となるとほんの一握り。
実際に絵を描く仕事に就いても、十分な収入を得ている人や安定して仕事を継続している人となると、そのまた一握り。
というのが実態です。

このことは、絵を描くことが仕事として成立しにくいことを物語っています。

では、絵やアートの需要がないかというと、その逆で、無限にあると私は実感しています。
問題は、ビジネスモデルがないんです。
イラストレーターやアニメーター、絵本作家なども、ビジネスモデルが古いため仕事として続けていくのは厳しいのが現実です。

昔からあった仕事は、人件費の安い海外や技術革新よる機械化という流れに押しやられ、低生産性、低賃金という厳しい環境を強いられています。

つまり、ただ絵を描くだけでは価値を生み出せない時代に突入したのです。
それは、絵に限らずすべての業種、職種にも言えることです。
「ただつくるだけ」「ただ売るだけ」といった単純労働の仕事は、どんどん機械に取って代わられていきます。
機械より安い低賃金の労働力だけが、まだ生き延びているという構図です。

私も、壁画を中心としてウォールアートという仕事に18年間取り組んできましたが、こうなる予兆は15年以上も前から気づいていました。
そのため、単純で安直な楽な仕事は避けて、新規性のある仕事、提案性の高い仕事に特化してきました。

「オンリーワン」「価値の創造」「視点を変える」・・・・私の口癖であり、それは外に向けてというより私自身をインスパイアする言葉です。

ビッグアートでは、以前から続けてきた既存の仕事を脱ぎ捨てる努力を続けています。
壁画を描かないとか、デザイン塗装をしないとか、オブジェをつくらない、ということではありません。
全く新しい仕事の枠組みに切り替える、という作業です。

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実は、絵を描くことそのものは仕事にはなりにくいのです。
というより、仕事にはなりません。

「誰のために絵を描くのか」
「何のために絵を描くのか」
つまり、絵を通して「何をどう変えるのか」です。
絵によって、どんな価値を作り出すのか。

今、絵で食えないという状況は、その絵がほとんど価値を生み出していないからです。
つまり、描いた絵が人に対して社会に対してあまり意味がないということです。
絵は上手いにこしたことはことはありませんが、上手いだけでは意味がありません。
仕事の対価は、提供した仕事によって生み出した価値に対する報酬です。

その人が8時間もかかって描いた絵が、コピー機で簡単に出せるものと同じ価値しかなければ、10円の価値しかありません。
つまり、8時間で10円の稼ぎしかありません。

ビッグアートの仕事、「シャッターアート(壁画)」に例えてみましょう。

<ケース1>
シャッターに、決まった原稿の絵を描くだけなら、描き賃(作業費)をいただくだけです。
相場は、インクジェット出力のシートを貼る料金との比較になるでしょう。

<ケース2>
シャッターに、お店の魅力をアピールし、入店を促進する絵を描いたらどうでしょう。
集客力アップを目的としたシャッターアートです。
月商1,000万の店が1,200万円に業績アップしたら、年間2,400万円の売上貢献です。

<ケース3>
もし、シャッターアートでその街の歴史や文化を体系的に描き、街の景観づくりや観光化という一大プロジェクトを実現したなら、・・・・・どうででしょう。
そのことによって、川越市のように年間200万人もの観光客が訪れるような効果を生み出すとしたら。
街に及ぼす経済効果は、年間68億以上と試算されています。
街の努力次第で、それを倍にすることも十分可能です。

<ケース1>~<ケース3>の事例からシャッターアートの成果を比較したら見えてきます。
同じように見える仕事でも、視点を変え、目標を変え、コンセプトを変えたら、生み出す価値の規模は、何十倍にも何百倍にも何万倍にもなるということです。

絵を描くのが得意というのは、歌が得意、車の運転が得意、話が得意・・・・・というのと同じです。
それは誰もがそれぞれに持つ個性、能力特性のひとつにすぎません。
問題は、それが凄いか凄くないかではありません。

ここに時速300キロで走れるスーパーカーがあるとします。
でも、30キロ以上のスピードで走ることがないとしたら、大して自慢になりません。

つまり、どんなに絵が上手くても、それをフルに引き出し、それに見合う価値の仕事をしなければ無用の長物でしかありません。

そのカギを握るのは、
「絵を描くことを仕事にしたい」ではなく、
「絵を何のために使うのか」です。

絵を描ければどんな仕事でもいい、という人はビッグアートでは要りません。
絵を活用して、人々が喜んでくれる「家」や「まち」をつくることが、ビッグアートの使命です。
絵を使って、「家」や「まち」の空間価値を創造していくこと。
目を少し転じてみると、まだ誰も手がけていない仕事が際限なく見えてきます。

既存の価値や枠組みから脱して、より高度な価値を模索していけば、新しい成長への道が開けてきます。
手描きの壁画、手づくりのオブジェがデジタル化の波に押し勝っていく、いや共存していく世界がすぐ目の前に来ています。

絵の仕事は、本当に楽しい!

手描き、手づくりのアートの未知なる可能性を求める情熱のある人、来れ!
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