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読売新聞「拡販団員」の妻が綴った8冊の『凄惨な日記』

2005-12-03 19:00:00 | 記事
 連続キャンペーン第三弾 大新聞の「暗部」を抉る! 週刊宝石 1997.03.27号

 読売新聞「拡販団員」の妻が綴った8冊の『凄惨な日記』
 大林高士

 ──想像を絶する凄まじい現実。ある団員の妻の日記には、大新聞が正視すべき拡販団の驚愕実態が克明に記されていた。──

「団(拡張団)から、”指名手配”されている人が、こんなに多いのをご存じですか」
 新聞拡販団のある関係者がそう言って業界情報紙を広げてみせた。
 団や新聞販売店向けの専門情報紙なのだが、ページの下の顔写真付き「尋ね人」欄に異常に大きなスペースが割かれている。
「彼らはみな”お尋ね者”といっていい。借金を踏み倒して逃げたやつが大半だ」
 その人物はこう言う。
 ”尋ね人”の一例を示そう。
 <(彼は)悪質な拡張員で当社に多大な迷惑をかけたうえ多額の負債を踏み倒し、目下逃走中です。心当たりの方は当社までご連絡ください。本人に会えた場合は、十分なお礼を差し上げます>
 前号では”人売”(人身売買)といわれる拡販団の人集めについて紹介したが、まさに”首に賞金をかけた”人探しが平然と行われているのだ。
 これまで朝日新聞の拡販団を中心に追及してきたが、団の実情は読売新聞の場合も同様である。
 連載開始以来、非常に多くの拡販団に対する”告発”が編集部に寄せられているが、多くが、悪質な拡販団は新聞社を問わずある、というものだった。
 今回取り上げるのは、読売新聞の拡販団の団員に対する酷い仕打ちの実例である。
 ある関係者が「夫婦者は逃げないから、がんじがらめにできて団には都合がいい」と証言(前号)したとおりの実情を本誌はつかんだ。
 夫婦で読売の拡販団に雇われていた女性が、凄惨な日記を提供してくれたのだ。

 汚い足を出してクスリを打て

 <平成7年10月X日  会社(注・読売新聞拡張団のこと)から50万円を前借りしてマンション入居。主人初出社。新居片づけ。K子(22歳の娘)とファーストフードで昼食>
 かつて団員だったA氏の妻A子さん(51)が大学ノート8冊に綴った日記の冒頭の記録である。まずは希望にあふれた出発だった。
 関東謀県のP市で会社員をしていたA氏は、リストラで解雇され、スポーツ紙の求人欄を見て同県Q市にある読売の”団員”となったのだ。
 A子さんは告白する。
「よかったね、と言ってたんです。引っ越した当時、社長(団長)は私や娘にもやさしく接してくれたのです」
 しかし、わずか3日後に娘のK子さんが失踪するという事件が起こった。
 彼女はミスコンテストに出たほどの美貌の持ち主。
「娘は婚約者に”あなたと結婚できなくなった”と言い残して消えたんです。娘からはいまだ何の連絡もありません」
 A子さんの顔が曇った。
 日記には、<K子、会いたい>、<今日は誕生日ね、おめでとう>などと、娘を思う言葉がよく登場してくる。
 一方では、夫の契約カードの獲得数を毎日真っ先に記す。入団当初は3、4、2、2と続き、1ヶ月後にはカード数60に迫る優秀さだった。
 <X月X日。雨がやまない。夫の方もきっと降っている。大変だろうな。雨の日も風の日も仕事。他の家のドアをたたく仕事つらいだろうな。風邪ひかないように>
 <X月X日。朝からすごい暑さ。家の中はサウナだ。夫は仕事先でちゃんと食事をとっているだろうか・・・・>
 日記に夫の日々のつらさを思う妻の心情が溢れている。
 その後、A氏は社長のもとでデスクワークを務める総班(総責任者)の信頼厚い有能拡張員となるが、以降の日記にも、前借り5万円、3万円といった記述が随所に出てくる。A子さんが語る。
「3ヶ月契約を取ると4千円もらえることになっていますが、3本取ってもその日にくれるのは半分の6千円だけ。残りは月極めの一括払いなんですが、景品代とか不良カードが出たとかの名目でどんどん引かれて、支給されない月もあるのです」
 <平成7年12月X日。夫は団の忘年会旅行。でも給料が出ないので正月の買い物も出来ない。・・・・平成7年は私たちにとって地獄の年だった・・・・もう一度K子に会いたい>
 翌年になると、A子さんはもっと酷い地獄を見ることになる。
 ケガをした団長の世話をするよう命じられたのだ。
 A子さんが強いられたのはケガの看護だけではない。驚いたことに、彼はクスリをやっていたのだ。
「クスリを抜くには汗を出さなきゃならないから、布団を引いてくれと言われて。社長は部屋の鍵を締めだし、カーテンも閉めて、着てるものを全部脱ぎ出したんです。真っ裸になって、”おまえ、ここに寝ろ”と言うんです」
 彼女が気丈に拒絶すると、自分で歩き回りながらオナニーに及んだという。団長のその後の言葉。「おやじ(夫)に言うと、命がねえぞ。おれのバックに誰がつ いてるか分るだろう」
 凄惨な日記が続く。
 <3月X日。今日も私に注射器を持たせ、汚い足を出してクスリを打てと命令した。いくらこんな田舎でも、なんで警察はこの現実に目をつぶるのか>
 団長は腕も体も注射の痕で血管が硬くなっている。残るは足首しか打つところがなかったと彼女は言う。
 <3月X日。朝10時すぎ、社長が車で来た。押入れに逃げ込むがドアをけとばす。5回、6回・・・・。恐い。近所の人が見ている。仕方なく開ける。異常な目。俺の女にならないと夫の命はないと言い、手首を離さない。私は舌を噛もうとした。社長の顔色が変わった・・・・>
 A子さんは危うくレイプを免れたのである。
 団員の奥さんの中には、旦那が仕事に行った後にレイプされ、口止め料を渡された人もいた、とA子さんは言う。
 こうした団長の行為に、ついに夫A氏の堪忍袋の緒が切れた。今年初めのことだ。
 <平成9年1月X日。PM10:20、夫帰宅。Yシャツもネクタイも血だらけ。社長とやったらしい。夫は何も言わない。ただ悔し涙と胸の傷が痛々しい>

 ズボンのベルトに包丁を入れ

 退団を決意したA氏に、団長はこう告げた。「おまえの不良カードが150枚出てきた。145万円にまけてやる」
 いわれのない”借金”だった。A子さんはこう語る。
「主人の仕事からすると、考えられないことです。それで地区の専売所の責任者に確かめたら、”いや、Aさんの不良カードはありません。あっても1枚か2枚ですよ”と」
 <1月X日。社長が上の幹部のところへ連れて行くという。退団によって、その人の前で指をつめるのだという。私も夫もそんな世界は知らない>
 A子さんの日記は1月中旬で終わっている。つまり読売拡張団での最後の日である。
 <1月X日。PM4:30、外に社長の車がとまった。私は体がふるえた。ズボンのベルトに包丁を入れてある。何か起きる。・・・・飲酒・無免許運転のクスリ中毒の社長を、なんとかなだめて車に乗せて帰らせる。その後、私は何着かの着替えを持って、夫とともにいま住む部屋を捨てた>
 ”逃げた”団員がどんな目に遭うか。
 残された家財道具などをすべて燃やしてしまうのだという。A子さん自身も、団長からそうした仕事を何度も手伝わされていて、よく知っていたのだった。
 逃げた後、彼女は一度だけQ市の旧居へ密かに行ってみた。
「主人が15年育ててきた熱帯魚はすべて殺され、娘が残していった鳥はお腹に鋲を刺されて死んでいました・・・・」
 彼女はそこから拾ってきた愛鳥の死骸をいまも大切に持っているという。
「この憎しみは消えません」
 A子さんは、そう言って唇を噛むのである。
 これが法治国家のそれも大新聞の拡張団の実態なのだから慄然とする。
 Q市のくだんの団長、そして読売新聞本社に取材を申し込んだ。
 団長は平然とこう答えた。
「本社からも問い合わせがあったが、会っても意味はない。誰が私のことを言っているのかも知っている。クスリの件など、すべて事実無根だ」
 また、読売新聞社は何と言うか。井上安正広報部長が文書でコメントを寄せてきた。
「セールスチームは販売店が業務委託契約を結んでいるもので、本社とは直接的な関係はありませんが、読売新聞のセールスに当たってもらっている以上、本社としても社会的な批判を受けるようなセールスを是正する責任があります」
 やはり、朝日の場合と同様に、拡張団(セールスチーム)と本社の間には直接的な関係はない、という立場のようだ。
 しかし、悪質な団や団長の多くは大新聞という傘の下にいるからこそ、こうした行為に及んでいることも事実。
 やくざまがいの販売拡張体制を本気で是正しないかぎり、読者は新聞そのものを信用しなくなるだろう。
「本社は昨年6月、販売局内に『訪販委員会』を設置し、読者などからの苦情について速やかに調査し、本紙のセールス活動から排除するなど臨機、適切な措置を重ねています」(井上広報部長)
 それが真の効力を発揮しているとは思えないのだが・・・・
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『週刊宝石』連続キャンペーン”大新聞の「暗部」を抉る!”全5弾

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・読売新聞「拡販団員」の妻8冊の「凄惨な日記」 1997.03.27号
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