”【統一協会】【共謀罪】どうやら統一協会は共謀罪を支持しているようです (弁護士山口貴士大いに語る)”によれば、統一教会系メディアの『世界日報』が5月14日付で「共謀罪/与党再修正案で成立させよ」と題した社説を掲載している。
1980年代の「スパイ防止法(国家秘密法)」(これも「治安維持法」的な法案)の時もそうだったのだが、何故他国の”宗教団体”がこういう極めて政治的なことに口を出すのか、疑問に思うかたも多いだろうと思われるので、この統一教会という団体について少し書いておきたいと思う。
1995年9月14日、世界平和女性連合(統一教会の女性組織)の東京ドームでの集会にブッシュ米前大統領夫妻が出席し講演した。
その時のことを文鮮明氏(統一教会教祖)の夫人である韓鶴子氏は次のように語っている。
「統一教会の内情に詳しい人の話では、その頃にバーバラ婦人は按手(ordination)を受けており、文鮮明の熱心な信奉者になったそうです。文鮮明は壮大な世界戦略の持ち主であり、ホワイトハウスを抑えれば世界を動かせると考え、メディアを支配する高度な戦術を使って、ワシントンに拠点を作るのに成功しています。
岸の子分として反動路線を推進していた、福田赳夫の秘書官として政治を学んだ小泉純一郎が、勝共連合の筋で隠れ統一教会なのは、知る人ぞ知る日本の政界人脈の家系図であり、そんなことくらいCIAは良く心得ているから、ブッシュは小泉を愛犬チンコロ扱いするのです」
統一教会(Unification Church)の正式名称は、世界基督教神霊統一協会(The Holy Spirit Association of World Christianity)。(だから「統一教会」と「統一協会」の二つの呼び名が並存している。その団体の性格からいって、実利的な印象の「協会」のほうが的確だと思うが、ここでは普通に世の中で一般に使用されている「教会」のほうで記述する。無論僕は「統一教会」を”宗教”だとは思っていない)
統一教会は韓国で1954年に文鮮明氏が創立、日本では1959年ごろ伝道を開始している。
文鮮明氏は1920年に現在の北朝鮮の平安北道定州郡に生まれた。
1941~43年には日本の早稲田高等学校に在籍、卒業後鹿島組で働き、終戦後には鹿島組を退職、イスラエル修道院で補助引導師になる。
1946~50年、平壌で既成教会改革と称して宗教改革運動を興すがスパイ容疑で逮捕され、興南監獄に収容されたとされているが、実際は、1945年に平壌で「血分け布教」を開始したことがその逮捕、収監の理由のようだ。「血分け」というのは文鮮明氏と性交することによって原罪を背負った汚れた女性たちが清められるとする反儒教的な思想の実践で、文鮮明氏は法によって禁止されている人妻との性交渉を繰り返したのだ。しかしこれで文鮮明氏は北朝鮮(=共産主義)に深い恨みを抱くことになったらしい。
1952年、文鮮明氏は国連軍の進撃で解放され、釜山で伝道を再開する。
韓国で統一教会が財団法人の認可を得たのは1963年であるが、KCIA(韓国中央情報部)のアメリカでの活動を分析した「韓米関係の調査」(下院フレイザー委員会、1978年)は、次のように報告している。
しかしながら、韓国政府が南北対話を真面目に考えだした1971年、文鮮明氏は韓国を追放され、アメリカへの移住を余儀なくされたらしい。
アメリカの歴史修正学者フリッツ・スプリングマイヤー氏の著書『蛇の如く狡猾に』(1991年刊)に、おおよそ次のような記述がある。
児玉誉士夫氏が払った1億ドルは、彼が上海の新アジアホテルを本拠とした児玉機関で、麻薬や恐喝などで儲けた莫大な金の一部だった。出所した彼は余った金で自民党を作った。それは収監で中断していた、「自分でコントロールできる新しい政党の組織、暴力団と政治との関係の再構築」だった。
アメリカでの統一教会は、「イラン・コントラ事件」として大きな問題となったそのコントラに資金を調達したり、アメリカ内外の様々な極右・反共組織にも資金を調達したりした。ブッシュ家との関係も先に書いた通り。
霍見芳浩氏(ニューヨーク市立大教授)が『日刊ゲンダイ』(2003.04.03)で、”米政権「ネオ・コン」の手口と危険思想”と題して、
ワシントン・タイムズ社長だった朴普煕氏は、金剛山国際グループ会長、韓国「世界日報」の社長でもあった。
「世界日報」のWebサイトにはその【あゆみ】として、≪昭和五十年(一九七五年)一月一日世界日報が創刊された。当時は冷戦時代のただ中であり、ベトナム戦争における米国の敗北に象徴されるように、国際共産主義の脅威が最も高まっていた。国内主要メディアが大きく反米親共に傾斜する中で、ひとり世界日報は共産主義の非人間性と脅威を訴え続けた。とりわけソ連を「悪の帝国」と喝破したレーガン米大統領が登場してからは、有力姉妹紙ワシントン・タイムズと連携して、言論戦線を強化した。云々≫と書かれている。
先のフリッツ・スプリングマイヤー氏の著書にも出てきたが、統一教会の主導で作られた「国際勝共連合」は日本では「勝共連合」として、児玉誉士夫氏、笹川良一氏(「世界は一家、人類は皆兄弟」という彼の有名なスローガンは、ロックフェラー氏の「The one world」を想起させる)、岸信介氏らが主催した。それは、戦争で富みを築いたような財界人も多く関わり、日本の軍部、韓国の軍部及びKCIA、アメリカの軍部及びCIAともつながった国際的工作機関だった。
防衛庁・自衛隊の最高責任者のほとんどはその勝共連合と関係し、日米韓のラインで潜行した軍事的関りをもってきた。そして、防衛庁・自衛隊の高官たちの多くが、退役ののち三菱重工や川崎重工などといった軍需産業の中核企業に天下りし、軍需企業と勝共連合の結縁をも深めるとともに、軍拡推進の政治的役割を果たしてきた。公安・警察も似たような関係。
一方で、「タカ派」の自民党議員や一部の民社党議員たちにとって、この統一教会は、自分たちの理念を底辺から支えてくれるような組織であり、また選挙となれば安上がりな、かつ熱烈なる運動員だったのだそうだ。このへんは、やはりカルトの創価学会とよく似ている。
西村真吾氏もその一人で、6年ほど前に『VOICE』という雑誌に、1980年代において勝共連合が中軸となって推進した「スパイ防止法(国家秘密法)」の制定を実現させようと気焔を吐いていた。
ところで、文鮮明氏の片腕で、「ワシントン・タイムズ」「世界日報」の社長でもあった朴普煕氏は、北朝鮮の金正日書記と会談している。
「統一教会が金剛山国際グループを通じて求める要求を、いまや金正日書記も無下に断るわけにいかない。統一教会が北朝鮮経済に深く浸透しているからだ。逆に言えば、厳しい状況にある北朝鮮経済にとって、統一教会資金は無視できない比重を占めるに至っているのだ」
とも書いている。
いつも何かとタイミングの良い「北朝鮮の行動」の背後に、僕は統一教会の影を感じている。ともかく、このカルトには要注意である。
参考:
・アメリカでは小泉純一郎は”隠れ統一教会”と見られている (『小泉純一郎と日本の病理 Koizumi's Zombie Politics』藤原肇著)
追記。
・「赤報隊」と朝日(その1)
・「赤報隊」と朝日(その2)
(3年ほど前に書いたもので、「テポドン騒動」における統一教会人脈は、参考になると思う)
1980年代の「スパイ防止法(国家秘密法)」(これも「治安維持法」的な法案)の時もそうだったのだが、何故他国の”宗教団体”がこういう極めて政治的なことに口を出すのか、疑問に思うかたも多いだろうと思われるので、この統一教会という団体について少し書いておきたいと思う。
1995年9月14日、世界平和女性連合(統一教会の女性組織)の東京ドームでの集会にブッシュ米前大統領夫妻が出席し講演した。
その時のことを文鮮明氏(統一教会教祖)の夫人である韓鶴子氏は次のように語っている。
尊敬するブッシュ大統領ご夫妻、ご来賓、そして満場の皆様。再び皆様にお目にかかれましたことを、心から嬉しく思います。私にとっては、今回が4度目の日本訪問となります。藤原肇氏がこのことにふれて、次のように言っている。
私たち世界平和女性連合は、創設以来3年目を迎えました。昨年の17万組の韓日姉妹血縁に続き、今年は1月以来、既に6000組以上の日米姉妹血縁をなしてまいりました。これらのことを通して、第二次大戦後50年を経た日米関係の新しい未来を切り開く重要な行事となり、過去の敵対関係を超えて、最良のパートナーとしての絆を再び強化するようになりました。
ブッシュ大統領御夫妻は、その特別ゲストスピーカーとして、何度もお話しして下さいました。そして、このたびは、わざわざ日本までおいでくださったことに対して、心から感謝申し上げます。
(『-基調講演-「真の家庭と私」韓鶴子(世界平和女性連合総裁)』より)
「統一教会の内情に詳しい人の話では、その頃にバーバラ婦人は按手(ordination)を受けており、文鮮明の熱心な信奉者になったそうです。文鮮明は壮大な世界戦略の持ち主であり、ホワイトハウスを抑えれば世界を動かせると考え、メディアを支配する高度な戦術を使って、ワシントンに拠点を作るのに成功しています。
岸の子分として反動路線を推進していた、福田赳夫の秘書官として政治を学んだ小泉純一郎が、勝共連合の筋で隠れ統一教会なのは、知る人ぞ知る日本の政界人脈の家系図であり、そんなことくらいCIAは良く心得ているから、ブッシュは小泉を愛犬チンコロ扱いするのです」
統一教会(Unification Church)の正式名称は、世界基督教神霊統一協会(The Holy Spirit Association of World Christianity)。(だから「統一教会」と「統一協会」の二つの呼び名が並存している。その団体の性格からいって、実利的な印象の「協会」のほうが的確だと思うが、ここでは普通に世の中で一般に使用されている「教会」のほうで記述する。無論僕は「統一教会」を”宗教”だとは思っていない)
統一教会は韓国で1954年に文鮮明氏が創立、日本では1959年ごろ伝道を開始している。
文鮮明氏は1920年に現在の北朝鮮の平安北道定州郡に生まれた。
1941~43年には日本の早稲田高等学校に在籍、卒業後鹿島組で働き、終戦後には鹿島組を退職、イスラエル修道院で補助引導師になる。
1946~50年、平壌で既成教会改革と称して宗教改革運動を興すがスパイ容疑で逮捕され、興南監獄に収容されたとされているが、実際は、1945年に平壌で「血分け布教」を開始したことがその逮捕、収監の理由のようだ。「血分け」というのは文鮮明氏と性交することによって原罪を背負った汚れた女性たちが清められるとする反儒教的な思想の実践で、文鮮明氏は法によって禁止されている人妻との性交渉を繰り返したのだ。しかしこれで文鮮明氏は北朝鮮(=共産主義)に深い恨みを抱くことになったらしい。
1952年、文鮮明氏は国連軍の進撃で解放され、釜山で伝道を再開する。
韓国で統一教会が財団法人の認可を得たのは1963年であるが、KCIA(韓国中央情報部)のアメリカでの活動を分析した「韓米関係の調査」(下院フレイザー委員会、1978年)は、次のように報告している。
1963年のある未評価のCIA報告は、金鍾泌がKCIA部長であったとき統一教会を「組織」し、それ以来統一教会を「政治的用具」として利用してきた、と述べている。「政治的用具」というのは、韓国において「勝共」(共産主義に勝つという意)という特別な役割を文鮮明氏が率いる統一教会に与えたということだった。
しかしながら、韓国政府が南北対話を真面目に考えだした1971年、文鮮明氏は韓国を追放され、アメリカへの移住を余儀なくされたらしい。
アメリカの歴史修正学者フリッツ・スプリングマイヤー氏の著書『蛇の如く狡猾に』(1991年刊)に、おおよそ次のような記述がある。
韓国政府はロックフェラー氏の銀行であるチェース・マンハッタン銀行を取引先に指定しましたが、アメリカ政府は同銀行の助言に従いKCIAの局長に金鍾泌氏を就任させましたた。1962年10月、その金鍾泌KCIA局長が、CIA長官ジョン・マコーン氏(のちにベクテル社社長)とキャロル陸軍中将と会談するために訪米した際に文鮮明氏が同行しました。この訪米で二人はネルソン&デイヴィッド・ロックフェラー氏とも会いました。文鮮明氏とネルソン・ロックフェラー氏は、同じ「The one world」という標榜において、たちまち意気投合し、ロックフェラー氏は日本で密かに保有していた資金で隠密裡に文鮮明氏を援助する事を決定したのです。そして、ロックフェラー氏の「新世界秩序」に反対する日本の愛国的保守勢力を骨抜きにする事を使命にした「勝共連合」を発足させました。ロックフェラー財閥の総帥デイヴィッド・ロックフェラー氏は、カーター政権の時に「日米欧三極委員会」をつくったが、この委員会は「見えざる世界政府」「資本主義国家連邦」といわれた。デイヴィッド・ロックフェラー氏は戦争で巨利を得るベクテル社とも親しかったが、『ブッシュの世界支配戦略とベクテル社』江戸雄介著(1990年刊)には次のようなことが書かれている。
スプリングマイヤー氏は、ロックフェラー氏のビジネス仲間の弁護士が次のように自信をもって語ったとしています。
「デイヴィッド&ネルソン・ロックフェラーは、熱狂的なグローバリストだ。文鮮明だって、そうだ。統一教会の目的は、ロックフェラーが世界各国をがんじがらめにしようとしている国際的なタガを、基督教にはめ込んでしまおうというのだから。このゴールに到達する為には、チェース・マンハッタンの連中は、いわゆる共和党右翼と呼ばれる愛国者達を骨抜きにしなくちゃならんのだ。よく見てご覧なさい。文鮮明がやっている事は、それなんだよ」
韓国の経済発展は日本と同様に世界の驚異だ。その源泉こそ、ベトナム特需に始まり、中東産油国大プロジェクトでの巨大な利益が主柱であり、マンパワーの養成と相まって、今日の経済成長をとげたのであった。引用ばかりで恐縮だが、さらにジョナサン・バンキン著『超陰謀』(1995年刊)には次のように書かれている。
その数百にものぼる産油国大プロジェクトの発注者こそ、外ならぬベクテル社であり、実にベクテル社こそ漢江の奇跡の演出者と断言してよいのだ。これまた日本人はほとんど知らないくらいである。
さらに、統一教会は実際上KCIAの手先だったのではないかという疑惑もある。KCIAは、韓国政府の情報機関であるというだけでなく韓国を実質上動かしていたのだ。KCIAの元長官たちが、幾度となく軍事政府の大統領や首相の座に就いた。チャールズ・ウィロビー将軍が率いる諜報ネットワークのG-2は、A級戦犯の児玉誉士夫氏をアメリカ陸軍対敵諜報部隊(CIC)に対するおよそ1億ドルの支払いと引き換えに刑務所から出している。またこのチャールズ・ウィロビー氏は七三一細菌部隊の生体実験のデータをアメリカに移管するのも手伝っている。
軍国体制はいくつかの形を経たけれども、CIAによって育まれたのは事実であり、1950年代はじめに遡って言えば、チャールズ・ウィロビー将軍が率いる諜報ネットワークG-2によって育まれたのだ。
KCIAは、アメリカのCIAから相当な援助を受けて1961年に設立された。児玉、文、そしてロッキードの三つどもえからは、著述家ジム・フーガンが指摘するように、めまいのする可能性が浮かんでくる。すなわち、「ロッキード社が、香港を通して資金洗浄した金を使って、ソウルからジョウジア州サヴァナまで広がる統一教会の活動に資金を提供し…その金が東京の財界の黒幕に(箱詰めで)送り届けられるという亡霊のような光景」である。
この混合物に、日本の政界でのCIAおよび児玉の人脈を加えると、蜘蛛の巣をたどることはもはやまったく不可能になる。自民党は、CIAと児玉から供給された資金で日本の政治を動かした。その児玉はKCIAとの関係が濃厚な統一教会にも金を提供した。さらに児玉は、CIAの給料支払い名簿に名前を連ね、ロッキードの極秘エージェントとして行動し、そしてそれらの資格において、日本で最有力の政治ポストを占めた自民党ボスである岸や田中のような友人に対して影響を及ぼした。
児玉誉士夫氏が払った1億ドルは、彼が上海の新アジアホテルを本拠とした児玉機関で、麻薬や恐喝などで儲けた莫大な金の一部だった。出所した彼は余った金で自民党を作った。それは収監で中断していた、「自分でコントロールできる新しい政党の組織、暴力団と政治との関係の再構築」だった。
アメリカでの統一教会は、「イラン・コントラ事件」として大きな問題となったそのコントラに資金を調達したり、アメリカ内外の様々な極右・反共組織にも資金を調達したりした。ブッシュ家との関係も先に書いた通り。
霍見芳浩氏(ニューヨーク市立大教授)が『日刊ゲンダイ』(2003.04.03)で、”米政権「ネオ・コン」の手口と危険思想”と題して、
ブッシュは、チェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官、ウォルフォウィッツ国防副長官、パール前国防政策委員長などがこれまで12年間夢見てきた「アメリカ軍事帝国」の青写真を丸のみした。ブッシュも含めて彼らはキリスト教原理主義と白人至上主義の偏狭な国粋右翼であり、米国では「ネオ・コン」と蔑みのあだ名がある。ネオ・コンのコンは「保守」と「前科者」また「詐欺師」との掛け言葉でもある。と書いているが、このワシントン・タイムズは、統一教会のメディア会社のニューズ・ワールド・コミュニケーションズ社がワシントン・スター紙を買収し1982年に創刊した統一教会の新聞社。ニューズ・ワールド・コミュニケーションズ社は2000年には世界有数の通信社のUPIも買収している。
拙著「アメリカのゆくえ、日本のゆくえ」でブッシュ帝国主義の暴発を警告したが、ネオ・コンの源流は40年ほど前になる。それまでは東部の富裕な中道穏健派が共和党の主流で、内向きの保守政治を好んでいた。しかし、その後南部や西部の石油成り金や中小企業主の国粋保守派の白人たちに占領された。
彼らは使用人以外の有色人種を嫌い、民主的市民連帯の内外策を敵視する。民主主義の騎士を気取るが、保守反動で言論の自由、妊娠中絶、人種平等そして国際協調を拒否し、自分たちの偏見を「神の教え」と正当化する。ワシントン・タイムズ紙やフォックス・ニューズテレビなどの御用メディアを使い反対者を潰すのには手段を選ばない。
ワシントン・タイムズ社長だった朴普煕氏は、金剛山国際グループ会長、韓国「世界日報」の社長でもあった。
「世界日報」のWebサイトにはその【あゆみ】として、≪昭和五十年(一九七五年)一月一日世界日報が創刊された。当時は冷戦時代のただ中であり、ベトナム戦争における米国の敗北に象徴されるように、国際共産主義の脅威が最も高まっていた。国内主要メディアが大きく反米親共に傾斜する中で、ひとり世界日報は共産主義の非人間性と脅威を訴え続けた。とりわけソ連を「悪の帝国」と喝破したレーガン米大統領が登場してからは、有力姉妹紙ワシントン・タイムズと連携して、言論戦線を強化した。云々≫と書かれている。
先のフリッツ・スプリングマイヤー氏の著書にも出てきたが、統一教会の主導で作られた「国際勝共連合」は日本では「勝共連合」として、児玉誉士夫氏、笹川良一氏(「世界は一家、人類は皆兄弟」という彼の有名なスローガンは、ロックフェラー氏の「The one world」を想起させる)、岸信介氏らが主催した。それは、戦争で富みを築いたような財界人も多く関わり、日本の軍部、韓国の軍部及びKCIA、アメリカの軍部及びCIAともつながった国際的工作機関だった。
防衛庁・自衛隊の最高責任者のほとんどはその勝共連合と関係し、日米韓のラインで潜行した軍事的関りをもってきた。そして、防衛庁・自衛隊の高官たちの多くが、退役ののち三菱重工や川崎重工などといった軍需産業の中核企業に天下りし、軍需企業と勝共連合の結縁をも深めるとともに、軍拡推進の政治的役割を果たしてきた。公安・警察も似たような関係。
一方で、「タカ派」の自民党議員や一部の民社党議員たちにとって、この統一教会は、自分たちの理念を底辺から支えてくれるような組織であり、また選挙となれば安上がりな、かつ熱烈なる運動員だったのだそうだ。このへんは、やはりカルトの創価学会とよく似ている。
西村真吾氏もその一人で、6年ほど前に『VOICE』という雑誌に、1980年代において勝共連合が中軸となって推進した「スパイ防止法(国家秘密法)」の制定を実現させようと気焔を吐いていた。
ところで、文鮮明氏の片腕で、「ワシントン・タイムズ」「世界日報」の社長でもあった朴普煕氏は、北朝鮮の金正日書記と会談している。
『「神の国」の崩壊』有田芳生著(1997年09月刊)より有田芳生氏は同書で、
金日成が死去した直後、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)政府は、統一教会の文鮮明教祖に、葬儀出席の招待状を送った。それを受け、文教祖は十二日、北京の北朝鮮大使館に弔花を届け、十三日には最側近で、韓国『世界日報』社長の朴普煕氏が韓国人としてはじめて金主席死去後の北朝鮮を訪れた。朴氏は金正日氏と会談する模様だ。
北朝鮮の最高指導者だった金日成主席と、本来なら社会主義と相容れないはずの徹底した反共主義者の文鮮明教祖。その両老の奇妙な関係を示すこんな出来事がある。九二年四月十五日、金日成競技場では主席生誕八十歳を記念するマスゲームが行われていた。愛国者を称える踊りになると、スタンドには日本植民地時代の独立運動家など八人の朝鮮人の名前が人文字で鮮やかに浮かび上がった。その最後に記されたのが「文鮮明」という三文字である。文教祖が愛国者として称賛されたといっても、それを額面どおりに受けとめることはできない。文教祖が称えられる裏には国際的苦境に立ち、ソ連の崩壊などで経済的にも追いつめられている北朝鮮の深刻な実情があるからだ。この人文字さえ、金で売られているというのである。「北朝鮮では日本円で一億円以上の献金をした人がリストに記載され、愛国者として称えられるのです」(北朝鮮に詳しいジャーナリストの加藤博氏)
謎の「金剛山国際グループ」
だが、ことは人文字どころにとどまらない。北朝鮮の首都・平壌には、霊感商法にもかかわった統一教会員が経営するホテルまで登場したのである。北朝鮮で進行しているこの事態は、日本ではもちろんのこと国際的にもまったく知られていない。
「統一教会が金剛山国際グループを通じて求める要求を、いまや金正日書記も無下に断るわけにいかない。統一教会が北朝鮮経済に深く浸透しているからだ。逆に言えば、厳しい状況にある北朝鮮経済にとって、統一教会資金は無視できない比重を占めるに至っているのだ」
とも書いている。
いつも何かとタイミングの良い「北朝鮮の行動」の背後に、僕は統一教会の影を感じている。ともかく、このカルトには要注意である。
非公式情報 第128号 2004.10.02
<http://www.mailux.com/mm_dsp.php?mm_id=MM3D384F43742FA>
小泉首相の対米従属路線
By StrangeLove
小泉首相は閣僚を大幅に入れ替え、対米従属路線を一層強めようとしている。郵政民営化にしろ、アメリカ産牛肉の輸入再開にしろ、改憲にしろ、現共和党政権の意向に添うものだ。こうしたタイミングでライバルたちが摘発されるという展開も奇妙な偶然である。
日本のエリートたちはネオコンに忠誠を誓っているらしい。政治家や官僚、大企業の経営者だけでなく、大手マスコミも彼らに胡麻をすっているとしか思えない。
郵政民営化の背後では日本でのビジネス・チャンス拡大を図るアメリカ企業がうごめき、アメリカで牛の全頭検査できないのは狂牛病の蔓延が露見することを恐れているのではないかとする声もある。改憲は日本をアメリカにとって、より都合の良い国に作り替えるために行われるわけで、自衛隊はアメリカ軍の下請けとして海外派兵されることになるだろう。
さて、そのネオコンは一九九〇年代初頭、軍事力を全面に題した世界制覇戦略を作成している。ビル・クリントン政権では封印されていた戦略だが、ジョージ・W・ブッシュが大統領になると息を吹き返し、イラク攻撃を実現した。
彼らは軍事力を使ってエネルギー資源の支配し、潜在的ライバルをたたき潰そうと計画していた。エネルギー資源の支配とは中東や中央アジアの制圧を意味、また、たたき潰すべき潜在的ライバルとは東アジアを念頭に置いていた。勿論、中国や韓国だけでなく、日本がライバルに成長することを彼らは許さない。
日本の立場は、ネオコンの完全な支配下に置かれた状態で、アジア攻撃の拠点となることである。日本が中国や韓国と同盟関係に入ることは絶対に許されない。小泉首相たちが靖国神社に参拝する意味もそこにある。改憲して海外派兵を自由にできるようにする意味もここから出てくる。
もうひとつ忘れてならないのは朝鮮。1980年代にはイスラエルがカチューシャ・ロケット弾をこの国から大量に輸入、アメリカの情報機関関係者(ネオコンに近い)が経営する会社に売却してイランへ転売されている。1990年代には統一協会が朝鮮の金日成に多額の資金を提供していたとアメリカのDIA(国防情報局)は報告している。バチカンのような自分たちの『国』を作りたいのだともいう。この統一協会が講演料名目で多額の報酬をブッシュ家に提供していることも有名だ。
イスラエルや統一協会、ネオコンと浅からぬ関係のある朝鮮は現在、東アジアの火種である。中東に置けるアル・カイダ的な存在だとも言えるだろう。ネオコンが支配する現在のアメリカ政府が朝鮮を潜在的なライバルだと考えているとは思えない。ターゲットは中国や韓国である。朝鮮の利用価値は、こうした国々を攻撃する口実に使える点にある。
(但:大韓民国は韓国、朝鮮民主主義人民共和国は朝鮮と表記する。)
参考:
・アメリカでは小泉純一郎は”隠れ統一教会”と見られている (『小泉純一郎と日本の病理 Koizumi's Zombie Politics』藤原肇著)
追記。
・「赤報隊」と朝日(その1)
・「赤報隊」と朝日(その2)
(3年ほど前に書いたもので、「テポドン騒動」における統一教会人脈は、参考になると思う)
そういう精神衛生上欠かせないジョークレベルの会話さえ犯罪の対象とされてしまうとしたら、それはもぉ~猛烈にストレス溜まっちゃって、徹底的に抑圧された精神は、その突破口を求めて、物凄い破壊力の凶悪犯罪として爆発しそうで怖いですね。
これって、(現代じゃ否定されて久しい筈の)少し前の軍国主義だった大日本帝国にソックリ・・・というか、まさに言論の自由さえ奪われていた抑圧社会に逆戻りする行為ではないでしょうか?
・・・ということは、ちょっと穿って考えれば、日本の指導者達は、国民大衆を、またまた戦争に駆り立てようとマインドコントロールしようとしているのじゃないか?・・・などと思ってみたり。(抑圧された精神の捌け口を戦争という行為によって一気に晴らす方向に・・・)
だって、自衛隊は間違いなく軍に格上げする方向で動いてるし、仮想敵国(中国や韓国など)は血気盛んに日本バッシングしてくれてるし・・・。(戦争への民意の誘導も然程難しくなくなってきている状況に・・・?)
つくづく学習能力の無さに絶望します。
やはり、政党に(海外じゃ凶悪カルトとして有名な)宗教団体が存在するってことすら驚きなのに、その創価学会が、政治家を裏で動かすとも言われる多くの大企業のトップにまで食い込んで、今じゃ経団連までコントロールしてるのですから、マトモな政治なんて行われる筈もないと諦めるしかないのでしょうか?
統一教会も、こうした法案を通すことによって美味しい思いができる・・・ということが裏で画策されているのかも?
それもこれも、民主主義という幻想に踊らされてしまった報いなのでしょう。悲劇ですね。
これはそうでしょうね。何だか「ドストエフスキー小説的イラダチ」の世界ですね。
> マインドコントロールしようとしているのじゃないか?・・・などと思ってみたり
最近、民間対民間([政府=権力]対市民ではなく、市民対市民)という図式が多いのがちょっと気になりますね。
裁判員制も、駐車違反取締りの民間委託も、また郵政民営化だって公務員削減だって、市民対市民という対立軸が出来ていますからね。もし、意図してやっているのだとしたら…という可能性も排除できませんね、今の政府では。
> 民主主義という幻想に踊らされてしまった報い
民主主義は与えられるものではなく、努力して築いていくもの、また守っていくものという意識が必要なのかもしれませんね。