820note

820製作所/波田野淳紘のノート。

メモ。

2017-06-15 | メモ。
政治的奴隷を生みだす手順は「孤立化」、「無力化」、「透明化」(中井久夫「いじめの政治学」)。

自分の言葉を持てず、弱みを握られた人間の顔は、悲しいが死体よりも死んでいる。

「治安維持法」は希代の悪法とぼくは認識してきた。“「治安維持法」は「適法」だった”という認識のもとに「共謀罪」を立法しようというなら、それはもう、そういうことなんだろう。

歴史の二度目は喜劇として、というが、悲劇だろう。

侍と町民の心性。人当たりがよく、仕事がよくできて、現実をクールに吟味し(皮肉さえよく口にする)、何かにじっと耐えている。侍は主君に仕えることを責務とする。町人はお上のオオトリテエに従う。人治国家の美学。

しかしながら、わたしたちの社会の主君はわたしたち自身だ。一国の首相ではない。今上天皇は人格者だと思うが、天皇でもない。

「孤立化」と「無力化」の過程を経た者は、反撃と脱出のための力を奪われ(“なにをしてもむだ”という学習)、自尊心を失う、と。自らの一挙手一投足が「彼/女」の意に適うものかを必死に窺う。「彼/女」の目が内在し、遍在し、もう身動きがとれない。

仕事を辞めさせられて、どうやって生きていけばよいのか、家族を路頭に迷わせるわけにはいかない、という恐怖。
あの人と、友達とわたしが、分断されることへの苦慮。

でも、銃殺される社会のなかでも、反撃を人はする。恥をさらしても。爪を剥がされても。家族を監禁されても。

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