820note

820製作所/波田野淳紘のノート。

新宿の夜。

2011-03-31 | 生活の周辺。
次回公演のための契約を劇場さんと交わす。オーナーの太田篤哉さんが穏やかな声で、どんな芝居するの、とお尋ねになる。言い淀んでしまう。
椎名誠さんや沢野ひとしさんの文庫本をむさぼるように読んでいた中学生の頃、その名前にたびたびお目にかかった。ご本人とこうして会話していることがふしぎでならない。フェリーニのような芝居を、と答えると、ああフェリーニかあ、と笑ってくださった。

ぶじに契約終了。敏腕プロデューサーのあっかさんがてきぱきと進行してくれた。こういう場では波田野はもう借りてきた猫の状態になる。もたれかかりっぱなしである。申込書に記入しながら、「旅」の漢字を思いだせないとか、ハンコがうまく押せないとか、日付を間違えるとか、静かにパニックに陥っていた。新宿の夜。
ホッとしてコロッケを頬張りながら通りを歩く。加藤くんからもらったのだった。冷めてしまっていたけどカリカリでとても美味しかった。



おやすみ、すべての邪悪なものたち。あしたへいくんだよ。