最前線の子育て論byはやし浩司(2)

子育て最前線で活躍する、お父さん、お母さんのためのBLOG

2/2

2012-05-19 08:45:12 | 日記


【2】

●右脳教育ブームの中で

 左脳は言語をつかさどり、右脳はイメージをつかさどる(スペリー)。
その右脳をきたえると、たとえば次のようなことができるようになるという(七田氏)。
ひらめき、直感が鋭くなる(波動共振)、
受け取った情報を映像に変えたり、思いどおりの映像を心に描くことができる(直観像化)、
見たものを映像的に、しかも瞬時に記憶することができる(フォトコピー化)、
計算力が速くなり、高度な計算を瞬時にできる(高速自動処理)など。

 しかしこういう説に対して、疑問を投げかける学者も少なくない。目白大学の渋谷氏もその1人で、著書「心理学」の中で、こう書いている。

 『なにやら、右脳のほうが、多彩な機能をもっていて、右脳が発達している人のほうが、すぐれているといわんばかりです。
一時巻き起こった、(現在でも信者は多いようですが)、「右脳ブーム」は、こういった理論から生まれたのではないでしょうか。
これらの説の中には、まったくウソとはいえないものもありますが、大半は科学的な根拠のあるものとは言えません』と。

●だから、どうなの?

 ときどき、右脳教育の成果(?)として、神業的な能力を示す子どもが紹介される。
まさに神業。しかし「だからどうなの?」という部分がないまま、子どもにそういう訓練をほどこしてよいものか。
はたしてそれが能力と言えるのか?

 昔、「一晩で百人一首を覚えたら、5000円あげる」と母親に言われ、本当に、一晩で暗記してしまった子どもがいた。
その子どもというのは、あの忌まわしい殺人事件を起こした、「少年A」である。
彼は専門家の鑑定により、「直観像素質者」という診断名がくだされた。

 イメージの世界ばかりが、極端にふくらんでしまい、空想と現実の世界の区別がつかなくなってしまった子どもと考えるとわかりやすい。

●大切なのは、静かに考える子ども

右脳が創造性やイメージの世界を支配するとしても、右脳型人間が、あるべき人間の理想像ということにはならない。
むしろゆっくりと言葉を積み重ねながら(=論理)、他人の心を静かに思いやること(=分析)ができる子どものほうが、望ましい子どもということになる。
その論理や分析をつかさどるのは、右脳ではなく、左脳である。

 で、今、その静かに考えることができる子どもが、むしろ減っているのではないか。
私は、個人的には、これだけ映像文化が発達しているのだから、あえて右脳を刺激しなくても、よいのではと考えている。

 要はバランスの問題。右脳教育にせよ、左脳教育にせよ、いつもバランスを考えながらする。


【3】

●セロトニン悪玉説

「キレる子ども」については、諸説が飛び交っている。環境ホルモン説(シシリ-宣言、95年)に始まって、最近では、脳の微細障害説(上智大・福島教授)まである。

そのキレる子どもについて、昔から一因として指摘されているのが、「セロトニン悪玉説」である。
つまり脳間伝達物質であるセロトニンが異常に分泌され、それが毒性をもって、脳の抑制命令を狂わすという(アメリカ生化学者・ミラー博士ほか)。

アメリカでは、「過剰行動児」として、もう25年以上も前から指摘されていることだが、もう少し具体的に言うとこうだ。

たとえば白砂糖を多く含む甘い食品を、一時的に過剰に摂取すると、インスリンが多量に分泌され、それがセロトニンの過剰分泌を促す。
そしてそれがキレる原因となるという(岩手大学・大沢名誉教授、大分大学・飯野教授ほか)。

「脳内の血糖値の変動がはげしいと、神経機能が乱れ、情緒不安になり、ホルモン機能にも影響し、ひいては子どもの健康、学習、行動に障害があらわれる」(アメリカ小児栄養学・ヒュー・パワーズ博士)。

 特徴としては、脳の抑制命令が変調するため、行動がカミソリでものを切るように、スパスパと鋭くなる。
小学生でいうと、突発的にキーキー声を出して、泣いたり、暴れたりする。
興奮したとき、体を小刻みに震わせることもある。
言動が、過剰になりやすいことから、「過剰行動児」(アメリカ)という。

●食生活の改善

 そこでもしこういう症状が見られたら、まず食生活を改善してみる。
甘い食品を控え、カルシウム分やマグネシウム分の多い食生活に心がける。
リン酸食品も控える。リン酸は日もちをよくしたり、鮮度を保つために多くの食品に使われている。
リン酸をとると、せっかく摂取したカルシウムを、リン酸カルシウムとして、体外へ排出してしまう。

 一方、昔からイギリスでは、『カルシウムは紳士をつくる』という。
日本でも戦前までは、カルシウムは精神安定剤として使われていた。
それはともかくも、子どもから静かな落ち着きが消えたら、まずこのカルシウム不足を疑ってみる。
ふつう子どものばあい、カルシウムが不足してくると、集中力がなくなり、筋肉の緊張感が持続できず、座っていても体をクニャクニャとくねらせたりする。

 効果がなくても、ダメもと。「うちの子は、どうもキレやすい」と感じたら、海産物を中心とした献立に切りかえてみる。
その海産物(魚介類、海草類など)には、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどの94種類もの天然のミネラルが豊富に含まれている。
「肉よりは魚、チーズよりはワカメの入った味噌汁、菓子よりは干した小魚やコンブ」(マザーリング)を食べさせるとよい。
子どもによっては、たった1週間で、劇的に変化することもある。


【4】

●流産率が39%

 よく高層住宅の子どもに与える心理について、話題になる。その影響はあるのか。
ないのか。
それについては、こんなショッキングな調査結果がある
。妊婦の流産率について調べたものだが、10階以上の高層住宅に住む妊婦の流産率が、何と、39%もあるというのだ(東海大学医学部・逢坂氏、「保健の科学」第36巻1994別冊)。

 6階以上では、24%、1~5階は5~7%。10階以上では、39%。流・死産率でも6階以上では、21%(一戸建ても含めて、全体では8%)、と。
マンションなど集合住宅に住む妊婦で、マタニティブルー(うつ病)になる妊婦は、一戸建ての居住者の4倍(国立精神神経センター・北村氏)という調査結果もある。
母親ですら、これだけの影響を受ける。いわんや子どもをや、と考えるのが妥当ではないのか。

●多い神経症的傾向

 逢坂氏は、「(高層階に住む妊婦ほど)、妊婦の運動不足に伴い、出生体重値の増加がみられ、その結果が異常分娩に関与するものと推察される」と述べている(同論文)。
つまりこの問題は、妊婦の運動不足と関係があるというわけである。

 が、問題はつづく。高層住宅の高層部に住む母親ほど、神経症的傾向を示す割合が、多いという。

 集合住宅の1~2階で、10・2%であるのに対して、6階以上になると、13・2%にふえる。(一戸建てで、5・3%。)

 さらに逢坂氏は、喫煙率も同じような割合で、高層階ほどふえていることを指摘している。
たとえば集合住宅の1~2階で、11・4%。3~5階で、10・9%、6階以上になると、17・6%。(一戸建てで、9・0%。)

●運動と心のケア

 高層住宅というのは、高層になればなるほど、視野が広がり、開放感があると考えられがちである。
しかし実際には、ガラス1枚をへだてて、その向こうは、大絶壁。そのため長く住んでいると、閉塞感が蓄積するのではないかと考えられる。

 そこで高層階に住む人ほど、外出の機会をふやし、のぼりおりの回数をふやすなどの運動が必要ということになる。
子どもについて言えば、戸外活動を、より頻繁に行うということも大切かもしれない。

 で、これは私のあくまでも個人的な実感だが、高層住宅だからといって、子どもに心の問題が起きるわけではない。
しかしひとたび何か問題が起きると、高層住宅に住む子どもほど、症状は急速に悪化し、また立ちなおるのに、より時間がかかるように思う。

母親も、子どもも、決して、部屋の中に、とじこもってしまってはいけない。


【5】

●紫外線対策を早急に

 今どき野外活動か何かで、まっ赤に日焼けするなどということは、自殺的行為と言ってもよい。
中には、皮膚が赤むけになるほど、日焼けする子どももいる。
無頓着といえば、無頓着。
無頓着すぎる。

国立がんセンターの山本医師も、『海外旅行に行って、肌を焼いているのは、日本人の若者ぐらいです。
海外の皮膚がん研究者からは、「いったい日本は、どうなっているのだ?」と質問されることさえあります。

専門家にしてみれば、日本の若者がこぞって肌を焼く行為は、自ら命を縮めているに等しい行為なのです』(日経BP)と述べている。

紫外線で皮膚が傷つくわけだが、オゾンが10%の割合で減りつづけると、皮膚がんは、26%ふえ、紫外線が2%ふえると、皮膚がんは、3%ふえるとういう(UNEP99年)。

 実際、オーストラリアでは、1992年までの7年間だけをみても、皮膚がんによる死亡件数が、毎年10%ずつふえている。
日光性角皮症や白内障も急増している。しかも深刻なことに、20代、30代の若者たちの皮膚がんが、急増しているということ。

そこでオーストラリアでは、その季節になると、紫外線情報を流し、子どもたちに紫外線防止用の帽子とサングラスの着用を義務づけている。
が、この日本では野放し。オーストラリアの友人は、こう言った。
「何も対策を講じていない? 信じられない」と。
ちなみに北極についても、1997年には、すでに30%も減少している。

●破壊される環境

 日本の気象庁の調査によると、南極大陸のオゾンホールは、1980年には、面積がほとんど0だったものが、1985年から90年にかけて南極大陸とほぼ同じ大きさになり、2000年には、それが南極大陸の面積のほぼ2倍にまで拡大しているという。

北極についても、1997年には、すでに30%も減少している。

 さらに2000年に入ってからは、地球温暖化の影響で、成層圏の水分や温度が変化。
極地方には、不気味なピンク色の雲が出現し、02年には、オゾンホールは、とうとうオーストラリアのタスマニアまで拡大。「上空オゾン層はさらに破壊、急拡大している」(NASA)という。

●疑わしきは罰する

 法律の世界では、「疑わしきは、罰せず」という。しかし教育の世界では、「疑わしきは、罰する」。
子どもの世界は、先手、先手で守ってこそ、はじめて守ることができる。
害が具体的に出るようになってからでは、遅い。
たとえばここに書いた紫外線の問題にしても、警報が出たら、外出をひかえる。
過度な日焼けはさせない。
紫外線防止用の帽子、サングラス、長そでのシャツ、長ズボン着用させる。
サンスクリーンクリームを皮膚に塗るなど、あなたが親としてすべきことは多い。


Hiroshi Hayashi+++++++April. 2012++++++はやし浩司・林浩司

●帰宅

 そろそろ帰宅。
ワイフが帰り支度を始めた。
が、私は何も手伝わず、こうしてのんびりと原稿を書いている。
そういう身分に感謝しながら、今朝のエッセーは、ここまで。

では、みなさん、おはようございます。
2012/04/14朝記

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Hiroshi Hayashi+++++++April. 2012++++++はやし浩司・林浩司

【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【極東情勢・論理的分析】(この原稿は、2012年4月12日の夜に書いたものです。)

●発射延期?

 12日(2012年4月12日、本日)と思われていた、北朝鮮のミサイル発射実験が、どうやら14日になりそうな気配になってきた。
表向きの理由は、『点火用燃料(始動燃料)の注入が、まだすんでいない』※(中央日報紙)とのこと。

(注※)『この消息筋は、ミサイル推進体への燃料注入は11日に終わったが、点火用燃料(始動燃料)の注入が済んでいないとした上で、「始動燃料は発射の1日前に注入される」と述べた。
13日に点火用燃料を注入し、14日に打ち上げられると予想した』(韓国・中央日報)と。

●論理

 現在の北朝鮮を取り巻く、極東アジア情勢を、論理的に分析してみよう。

(1) 北朝鮮は、今回のミサイル発射実験は、ミサイルではなく、人工衛星を打ち上げるためのものだと、かねてから強く主張している。

(2) その人工衛星について、各国の専門家は、人工衛星ではないのではないかと疑問を抱いている。

とくに韓国は、「おもちゃ」と断言している。

(3) アメリカと韓国は、ミサイル本体はもちろん、人工衛星の打ち上げに失敗したばあいには、人工衛星そのものを回収すると、明言している。

(4) これに対して、北朝鮮側は、ミサイル本体はもちろん、人工衛星の回収作業を始めたら、即、(軍事的)報復を加えると述べている(朝鮮中央放送)。

●まずい!

 ミサイル発射実験の失敗はもちろん、それ以上に、人工衛星本体が、それによってアメリカ側の手に渡ったとしたら……?
北朝鮮にとって、これはほど、(まずいこと)はない。
赤恥をかくだけでは、すまない。
「人工衛星説」が総崩れになるだけでは、すまない。
国連安保理による北朝鮮への制裁決議を、まともに受けることになる。

 そこで北朝鮮は、「(軍事的)報復」という言葉を使っている。
が、ここで論理の第1歩が、入り口のところで矛盾する。

 どうして回収作業に対して、(軍事的)報復なのか?
ふつうなら、こう言う。
「回収したら、それは我が国の所有物だから、すみやかに返還を求める」と。

なぜ北朝鮮が、かくも強硬な言葉を使い、回収作業を警戒するのか。
理由は言うまでもなく、積んであるのが、ただの「おもちゃ」(韓国政府)であることを、北朝鮮自身がよく知っているからにほかならない。

●ヒドラジン

 なぜ、12日の予定が、14日(?)に、延期されたか。
その前に、「ヒドラジン」なるミサイル用燃料について、調べておきたい。
日本のH2Aロケットなどは、液体水素を燃料に使っている。
が、液体水素は、製造するのに手間もかかるし、扱い方も難しい。
そこで、「ヒドラジン」。

 ヒドラジンについて、ウィキペディア百科事典には、つぎのようにある。

『アンモニアに似た刺激臭を持つ無色の液体で、空気に触れると白煙を生じる。
水に易溶。強い還元性を持ち、分解しやすい。
引火性があり、ロケットや航空機の燃料として用いられる。
常温での保存が可能であるため、ロシアなどのミサイルの燃料としても広く用いられており、また人工衛星や宇宙探査機の姿勢制御用の燃料としても使われている』(以上、ウィキペディア百科事典)と。

 「常温での保存が可能である」という点が、とくに重要である。
液体水素は、『水素原子や水素分子はあまりにも小さいため、金属容器に詰めてもその金属内部に浸透してゆき金属を劣化させる水素脆化を引き起こすので現状では長期保管が困難である』(ウィキペディア百科事典)という点で、長期保管には向かない。

 ミサイルなどのような緊急性を必要とするようなロケットには、液体水素は向かない。
さらに北朝鮮のような周囲科学、周囲技術が、恐ろしく貧弱な国にあっては、液体水素そのものが、製造できない。
加えて現在の製造方法では、アルミニウムの精錬と同じ程度の、多量の電力を必要とする。
北朝鮮では、その電力そのものが、不足している。

●2つの可能性

 なぜ、12日が、14日になったか?

 それについては、冒頭で、2つの可能性を書いた。
が、実は、もうひとつの可能性がある。
それを暗示するのが、つぎの記事である。

『【ソウル聯合ニュース】韓国政府は12日、北朝鮮の「衛星」打ち上げと主張する長距離弾道ミサイル発射に備え、国民の安全と有事の際の迅速な対応に向け「全行政機関に公務員の勤務紀綱確立のための指針を通告した」と明らかにした。

 指針では全行政機関が当直勤務を徹底し、非常連絡体制を維持するよう求めた。
また、有事に備え危機管理状況室の運営を準備するほか、関係機関の協力、重要施設の警戒・警備の強化を促した』(韓国・中央日報・4月12日)と。

 つまり韓国政府は、「非常連絡体制」を、全行政機関に敷いた、と。

 いったい、これは何を意味するのか。
たかがミサイル一発程度のことで、しかも、北朝鮮側の主張によれば、たかが人工衛星一個の打ち上げ程度のことで、「非常連絡体制」とは?

●非常連絡体制

 この「非常連絡体制」を裏側から読むと、こうなる。
つまり韓国政府側は、北朝鮮側の異常な動きを、すでに察知している、と。
その異常な動きに対して、韓国政府側は、「非常連絡体制」を敷いた。

 この時点では、まだ「戦時体制」とか、「戒厳令」とかいう言葉は使えない。
(本当は、そういう言葉を使いたいのだろうが……。)
そういう言葉を使えば、かえって北朝鮮を刺激してしまうことになりかねない。

 原則論を先に言えば、韓国にしても、北朝鮮との戦争は、避けたい。

●シナリオ

 最悪のシナリオはこうだ。

(1) ミサイルの発射実験が、失敗する。
(2) アメリカと韓国は、弾頭部の回収作業を開始する。
(3) 北朝鮮側は、それを阻止しよと、軍事的妨害工作を加える。
(4) アメリカと韓国は、それに対して、報復攻撃を加える。
(5) 一気に、戦局が拡大する。

 そこで北朝鮮としては、今回のミサイル発射実験を、100%、成功させなければならない。
おもちゃでも何でもよいから、宇宙に、飛翔体を打ち上げなければならない。
しかし「100%」というのは、難しい。
何かの報道によれば、「成功率は95%」という数字も出ている。
根拠はわからないが、北朝鮮にすれば、残りの「5%」でも、恐ろしい。

言い換えると、その「5%」が解消されないかぎり、北朝鮮は、最後の発射ボタンを押すことができない。
さらに言い換えると、その「5%」がある以上、北朝鮮は、同時に報復攻撃の準備を始めなければならない。

 その動きを、韓国側が、察知した。
先に書いた、「非常連絡体制」というのは、それをいう。

●人民日報

 ついでに北朝鮮内部から、今回のミサイル発射実験をながめてみよう。
北朝鮮にとって、今回のミサイル発射実験は、どういう意味があるのか。

 
中国・人民日報は、つぎのように報道している。

『……2012年4月11日、数日内にも発射すると考えられている北朝鮮の弾道ミサイルについて、北朝鮮はこの日、海外メディアの記者ら100人以上を招いて管制センターの様子を公開した。

 アメリカAP通信、仏AFP通信、英ロイター通信、そして共同通信など各国の記者100人超が集められ、4台のバスに分乗して、平壌の北西20kmにある「平壌衛星管制総合指揮所」を視察した。同指揮所の白正浩(Paek Chung Ho)所長によると、今回のメディア公開は「北朝鮮最高指導者・金正恩氏の特別な指示によるもの」であり、公正で客観的な報道を求めた。

 白所長は今回の“衛星”打ち上げに際して非常に感激し、また緊張を感じているが、「衛星発射は必ず成功する、なぜならば金正恩氏がすべてのプロセスにおいて自ら指揮を執られているからだ」と自信を交えて語ったという』と。

●官僚主義

 この日本では、役人と呼ばれる人たちが、自らの失政に対して、責任を取った例はない。
(もちろん刑事犯、ハレンチ罪は別である。)
それが官僚主義と呼ばれる所以(ゆえん)の一つでもある。

 そこで役人たちは、何をするにも、他方で、万が一のために、責任逃れの方便を用意する。
そのひとつ……というか、その典型的な例が、先の、平壌衛星管制総合指揮所の同指揮所の白正浩(Paek Chung Ho)所長の言葉。
注意深く読んでみてほしい、
こうある。

「衛星発射は必ず成功する、なぜならば金正恩氏がすべてのプロセスにおいて自ら指揮を執られているからだ」と。

 実に巧みな言葉である。
一見、金正恩を称賛しながら、万が一にも失敗しても、それは私の責任ではない。
金正恩の責任である、と。
 もちろんミサイルの発射実験が成功すれば、白正浩は、大英雄として称えられるであろう。
が、もし失敗すれば……。
はたしてそうはうまくいくか?
つまり白正浩の思惑通りにいくか?

 白正浩のこの言葉は、まさに両刃の剣。
もし失敗すれば、「すべての責任を、金正恩になすりつける用意をしていた」という罪で、ひょっとしたら銃殺刑に処せられるかもしれない。

 話はそれたが、官僚主義がどういうものかわかってほしかったから、白正浩の言葉を例にあげてみた。
なおほかの報道では、白正浩は、「100%」という言葉を使っている。
「100%、成功する」と。

●さて、どうなるか?

 さて、明日は、どうなるか?
今夜も、私はワイフと、賭けをした。
「お前は、失敗するほうに賭けるか、それとも成功するほうに賭けるか」と。

 ワイフはあっさりと、「失敗するに決まっているわ」と。

私「失敗といってもだよ、レベルがあるよ」
ワ「そうね……」
私「飛ぶには飛んだが、人工衛星なるものが、宇宙にあがらなかったとしたら、失敗だよ」ワ「北朝鮮は、それでも成功と発表するでしょうね」と。

 私は、失敗するとみている。
そう思う根拠は、あのロケット。
報道された映像を見ると、ロケットの表面が、どこかボコボコ。
白く色は塗ってあるが、塗りむらさえ、わかる。
超精密機械であるはずのロケットが、ボコボコ?
色むら?
いくら使い捨てのミサイルでも、あまりにもお粗末。
内部構造も、その程度と考えてよい。

 ともあれ、私は失敗を望む。
北朝鮮が、赤恥をかくことを望む。
14日は、ただひたすら注視あるのみ。
もし失敗したら、ワイフと2人で、養命酒で乾杯!

【4月13日、追記】2012年4月13日記

 北朝鮮のミサイル発射実験は、みごとに、失敗した。


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