最前線の子育て論byはやし浩司(2)

子育て最前線で活躍する、お父さん、お母さんのためのBLOG

(3)

2010-02-05 09:13:09 | 日記


●利他度でわかる人格の完成度
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あなたの子どもの前で、重い荷物をもって、苦しそうに歩いてみてほしい。そのとき、「マ
マ、もってあげる!」と走りよってくればよし。反対に、知らぬ顔をして、テレビゲーム
などに夢中になってれば、あなたの子どもは、かなりのどら息子と考えてよい。子どもの
人格(おとなも!)、いかに利他的であるかによって、知ることができる。つまりドラ息
子は、それだけ人格の完成度の低い子どもとみる。勉強のできるできないは、関係ない。

●見栄、体裁、世間体
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私らしく生きるその生き方の反対にあるのが、世間体意識。この世間体に毒されると、子
どもの姿はもちろんのこと、自分の姿さえも、見失ってしまう。そしてその幸福感も、「と
なりの人より、いい生活をしているから、私は幸福」「となりの人より悪い生活をしてい
るから、私は不幸」と、総体的なものになりやすい。もちろん子育ても、大きな影響を受
ける。子どもの学歴について、ブランド志向の強い親は、ここで一度、反省してみてほし
い。あなたは自分の人生を、自分のものとして、生きているか、と。

●私を知る
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子育ては、本能ではなく、学習である。つまり今、あなたがしている子育ては、あなたが
親から学習したものである。だから、ほとんどの親は、こう言う。「頭の中ではわかって
いるんどえすが、ついその場になると、カッとして……」と。そこで大切なことは、あな
た自身の中の「私」を知ること。一見簡単そうだが、これがむずかしい。スパルタのキロ
ンもこう言っている。「汝自身を、知れ」と。哲学の究極の目標にも、なっている。

●知識はメッキ
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知識と思考力は、はっきりと区別する。もの知りな子どもイコール、賢い子どもというこ
とではない。もちろん人格的に高邁(こうまい)ということにもならない。脳みその中で
も、使う部分そのものがちがう。大切なのは、思考力。自分で考える力である。それをみ
て、その子どもの能力を判断する。

http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/++++++++++++++++はやし浩司

●作文の前に速書きを
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計算力は、算数の力の基礎である。計算力があるからといって、算数の力があるというこ
とにはならない。しかし計算力がないと、算数の力を下へ引っ張ってしまう。同じように、
速書きは、作文力(表現力)の基礎である。速く書くことができるからといって、作文力
があるということにはならない。しかし速く書くことができないと、作文力を発揮できな
い。小1~2レベルで、15分間に、100~150文字を筆写できるようにするのを目
標とする。

●国語力が学力の基礎
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理科は、理科的な国語、社会は、社会的な国語と考える。国語力(読解力、理解力、表現
力)のあるなしは、すべての科目に大きな影響を与える。「本を読む」、つまり読書の重
要性は、今さら説明するまでもない。方法としては、大きな図書館で、子どもを自由に遊
ばせてみるとよい。それを定期的な習慣にする。

●会話は正しい日本語で
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「ほら、バス、バス、バスよ」ではなく、「もうすぐ、バスが来ます。あなたは外に立っ
て、バスを待ちます」と言う。こうした正しい言い方が、子どもの国語力の基礎となる。
子どもの国語力は、親、とくに母親が決める。なおこうした語りかけは、生後直後から始
める。赤ちゃん言葉(ウマウマ、ブーブーなど)、幼稚語(ワンワン、ニャーゴなど)は、
避ける。

●思考は作文力で
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これだけ視覚情報(テレビやゲーム)が多い中、さらにその上、右脳教育をあえてする必
要はないのではないか。それよりも大切なのは、分析力、論理的な思考力。こうした能力
は左脳が司っていると言われている。その分析力、思考力は、左脳が司る。分析力、思考
力を養うには、作文が第一。作文に始まって、作文に終わる。ものを書くという習慣を大
切に。

●思考と情報は分ける
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もの知りだからといって、その子どもに思考力があるということにはならない。かけ算の
九九をペラペラと口にしたからといって、その子どもに算数の力があるということにはな
らない。思考と情報は、いつも分けて考える。思考力のある子どもの目つきは、いつも深
く、静かに落ち着いている。

●「文化」は心の精神力
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その人(子ども)の精神的な深みは、日ごろの文化性で決まる。何かの事件に遭遇したと
き、あわてふためいて、ボロを出す人もいれば、そうでない人もいる。そのためにも、子
どもには、日ごろから、本物を見せておく。絵画でも音楽でも、さらに子どもが読む絵本
にしても、本物を見せておく。そういう日ごろの姿勢が、子どもの中の文化性を高める。
それが精神的な深みとなって、その人(子ども)を側面から支える。

●反面教師のゴーストに注意
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あなたの周囲にも、反面教師と呼んでよいような人がいるかもしれない。ひょっとしたら、
あなたの親が、そうであるかもしれない。人は(子どもも)、反面教師を教師として、自
分を高めることができるが、対処のし方を誤ると、あなた自身が、いつかその反面教師そ
っくりの人間になることもある。これを「ゴースト」という。反面教師がいても、批判の
ための批判だけに終わってはいけない。どこかでその人を乗り越える努力を忘れてはいけ
ない。

●子供の叱り方
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日本人は、親子の密着度、とくに母子の密着度が、高い。そのため母親は、自分の子供を
客観的に見ることができない。できない分だけ、叱るとき、とまどう。つまり自分の子供
のできの悪いのは、自分のせいと考えてしまう。とくに他人に自分の子供の批判を許さな
い。自分自身がけなされたかのように思ってしまう。子供の叱り方で悩んだら、母子関係
の密着度が高すぎないかも反省してみる。

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○受験は、淡々と
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子ども(幼児)の受験は、淡々と。合格することを考えて準備するのではなく、不合格に
なったときのことを考えて、準備する。この時期、一度、それをトラウマにすると、子ど
もは生涯にわたって、自ら「ダメ人間」のレッテルを張ってしまう。そうなれば、大失敗
というもの。だから受験は、不合格のときを考えながら、準備する。

○比較は、要注意
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情報交換はある程度までは必要だが、しかしそれ以上の、深い親どうしの交際は、避ける。
できれば、必要な情報だけを集めて、交際するとしても、子どもの受験とは関係ない人と
する。「受験」の魔力には、想像以上のものがある。一度、この魔力にとりつかれると、
かなり精神的にタフな人でも、自分を自分を見失ってしまう。気がついたときには、狂乱
状態に……ということにも、なりかねない。

○すべる、落ちるは禁句
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子どもの前では、「受験」「入試」「合格」「不合格」「落ちる」「すべる」などの用語
を口にするのは、タブーと思うこと。入試に向かうとしても、子どもに楽しませるような
お膳立ては、必要である。「今度、お母さんがお弁当つくってあげるから、いっしょに行
きましょうね」とか。またそういう雰囲気のほうが、子どもも伸び伸びとできる。また結
果も、よい。

○入試内容に迎合しない
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たまに難しい問題が出ると、親は、それにすぐ迎合しようとする。たとえば前年度で、球
根の名前を聞かれるような問題が出たとする。するとすぐ、親は、「では……」と。しか
し大切なことは、物知りな子どもにすることではなく、深く考える子どもにすることであ
る。わからなかったら、すなおに「わかりません」と言えばよい。試験官にしても、そう
いうすなおさを、試しているのである。

○子どもらしい子どもに
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子どもは子どもらしい子どもにする。すなおで、明るく、伸びやかで、好奇心が旺盛で、
生活力があって……。すなおというのは、心の状態と、表情が一致している子どもをいう。
ねたむ、いじける、すねる、ひねくれるなどの症状のない子どもをいう。そういう子ども
を目指し、それでダメだというのなら、そんな学校は、こちらから蹴とばせばよい。それ
くらいの気構えは、親には必要である。

○デマにご用心
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受験期になると、とんでもないデマが飛びかう。「今年は、受験者数が多い」「教員と親
しくなっておかねば不利」「裏金が必要」などなど。親たちの不安心理が、さらにそうし
たデマを増幅させる。さらに口から口へと伝わっていく間に、デマ自身も大きくなる。こ
ういうのを心理学の世界でも、「記憶錯誤」という。子どもよりも、おとなのほうが、し
かも不安状態であればあるほど、その錯誤が大きくなることが知られている。

○成功率(達成率)は、50%
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子どもが、2回トライして、1回は、うまくいくようにしむける。毎回、成功していたの
では、子どもも楽しくない。しかし毎回失敗していたのでは、やる気をなくす。だから、
その目安は、50%。その50%を、うまく用意しながら、子どもを誘導していく。そし
ていつも、何かのレッスンの終わりには、「ほら、ちゃんとできるじゃ、ない」「すばら
しい」と言って、ほめて仕あげる。

○無理、強制
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無理(能力を超えた負担)や強制(強引な指導)は、一時的な効果はあっても、それ以上
の効果はない。そればかりか、そのあと、その反動として、子どもは、やる気をなくす。
ばあいによっては、燃え尽きてしまったり、無気力になったりすることもある。そんなわ
けで、『伸びたバネは、必ず縮む』と覚えておくとよい。無理をしても、全体としてみれ
ば、プラスマイナス・ゼロになるということ

○条件、比較
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「100点取ったら、お小遣いをあげる」「1時間勉強したら、お菓子をあげる」という
のが条件。「A君は、もうカタカナが読めるのよ」「お兄ちゃんが、あんたのときは、学
校で一番だったのよ」というのが、比較ということになる。条件や比較は、子どもからや
る気を奪うだけではなく、子どもの心を卑屈にする。日常化すれば、「私は私」という生
き方すらできなくなってしまう。子どもの問題というよりは、親自身の問題として、考え
たらよい。(内発的動機づけ)

○方向性は、図書館で
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どんな子どもにも、方向性がある。その方向性を知りたかったら、子どもを図書館へ連れ
ていき、一日、そこで遊ばせてみるとよい。やがて子どもが好んで読む本が、わかってく
る。それがその子どもの方向性である。たとえばスポーツの本なら、その子どもは、スポ
ーツに強い関心をもっていることを示す。その方向性がわかったら、その方向性にそって、
子どもを指導し、伸ばす。(役割形成)

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○神経症(心身症)に注意
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心が変調してくると、子どもの行動や心に、その前兆症状として、変化が見られるように
なる。「何か、おかしい?」と感じたら、神経症もしくは、心身症を疑ってみる。よく知
られた例としては、チック、吃音(どもり)、指しゃぶり、爪かみ、ものいじり、夜尿な
どがある。日常的に、抑圧感や欲求不満を覚えると、子どもは、これらの症状を示す。こ
うした症状が見られたら、(親は、子どもをなおそうとするが)、まず親自身の育児姿勢
と、子育てのあり方を猛省する。

○負担は、少しずつ減らす
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子どもが無気力症状を示すと、たいていの親は、あわてる。そしていきなり、負担を、す
べて取り払ってしまう。「おけいこごとは、すべてやめましょう」と。しかしこうした極
端な変化は、かえって症状を悪化させてしまう。負担は、少しずつ減らす。数週間から、
1、2か月をかけて減らすのがよい。そしてその間に、子どもの心のケアに務める。そう
することによって、あとあと、子どもの立ちなおりが、用意になる

○荷おろし症候群
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何かの目標を達成したとたん、目標を喪失し、無気力状態になることを言う。有名高校や
大学に進学したあとになることが多い。燃え尽き症候群と症状は似ている。一日中、ボー
ッとしているだけ。感情的な反応も少なくなる。地元のS進学高校のばあい、1年生で、
10~15%の子どもに、そういう症状が見られる(S高校教師談)とのこと。「友人が
少なく、人に言われていやいや勉強した子どもに多い」(渋谷昌三氏)

○回復は1年単位
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一度、無気力状態に襲われると、回復には、1年単位の時間がかかる。(1年でも、短い
ほうだが……。)たいていのばあい、少し回復し始めると、その段階で、親は無理をする。
その無理が、かえって症状を悪化させる。だから、1年単位。「先月とくらべて、症状は
どうか?」「去年とくらべて、症状はどうか?」という視点でみる。日々の変化や、週単
位の変化に、決して、一喜一憂しないこと。心の病気というのは、そういうもの。

○前向きの暗示を大切に
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子どもには、いつも前向きの暗示を加えていく。「あなたは、明日は、もっとすばらしく
なる」「来年は、もっとすばらしい年になる」と。こうした前向きな暗示が、子どものや
る気を引き起こす。ある家庭には、4人の子どもがいた。しかしどの子も、表情が明るい。
その秘訣は、母親にあった。母親はいつも、こうような言い方をしていた。「ほら、あん
たも、お兄ちゃんの服が着られるようになったわね」と。「明日は、もっといいことがあ
る」という思いが、子どもを前にひっぱっていく。

○未来をおどさない
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今、赤ちゃんがえりならぬ、幼児がえりを起こす子どもがふえている。おとなになること
に、ある種の恐怖感を覚えているためである。兄や姉のはげしい受験勉強を見て、恐怖感
を覚えることもある。幼児のときにもっていた、本や雑誌、おもちゃを取り出して、大切
そうにそれをもっているなど。話し方そのものが、幼稚ぽくなることもある。子どもの未
来を脅さない。

○子どもを伸ばす、三種の神器
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子どもを伸ばす、三種の神器が、夢、目的、希望。しかし今、夢のない子どもがふえた。
中学生だと、ほとんどが、夢をもっていない。また「明日は、きっといいことがある」と
思って、一日を終える子どもは、男子30%、女子35%にすぎない(「日本社会子ども
学会」、全国の小学生3226人を対象に、04年度調査)。子どもの夢を大切に、それ
を伸ばすのは、親の義務と、心得る。

○上下意識は禁物
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 兄(姉)が上で、弟(妹)が下という、上下意識をもたない。……といっても、日本人
からこの意識を抜くのは、容易なことではない。伝統的に、そういう意識をたたきこまれ
ている。今でも、長子相続を本気で考えている人は多い。もしあなたがどこか権威主義的
なものの考え方をしているようなら、まず、それを改める。


【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。

【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

休みます。

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