最前線の子育て論byはやし浩司(2)

子育て最前線で活躍する、お父さん、お母さんのためのBLOG

●10月16日号(3)

2009-10-16 16:31:15 | 日記
●思い込み

(思い込み)は、どんな世界にもある。
たとえば、「今、私はここに生きている」という(思い)ですら、(思い込み)
でしかない。
この光と分子の織りなす世界で、私は私と思っている。
本当は、私など、どこにもない。
脳みその中を行き交う、無数の信号。
その中で、私は私と思っているだけ。

 それがわからなければ、あなた自身の手を見つめてみることだ。
「どうしてこれが私の手なのか?」と。
あなたは爪ひとつ、自分で作ったわけではない。
あなたの意思の命令によって指は動くかもしれないが、その指にしても、
あなたが自分で作ったわけではない。
「私の手」「私の指」と、あなたがそう思い込んでいるだけ。

が、(思い込み)が悪いわけではない。
人は、ものごとを思い込むことによって、それに価値を付加する。
野球にかぎらず、サッカーにしてもそうだ。

 たかが(失礼!)、ボールの蹴りあいなのに、選手たちは、そこに命をかける。
観客もかける。
そうしたエネルギーの原点になっているのが、(思い込み)。
その(思い込み)が、人生を楽しくしている。

●たまごっち

 こうした(思い込み)のプロセスは、子どもの世界をのぞいてみると、よくわかる。
たとえば1990年の終わりごろ、(たまごっち)というゲームが、大流行した。

 小さなゲーム機器で、その中で、子どもたちは夢中になって、電子の生き物(?)を
飼育した。
そんなある日のこと。
1人の女の子(小学生)が、そのゲームをしていた。
で、私がそれを借りて、あちこちをいじっていたら、その生き物(?)が、死んで
しまった(?)。
それを知って、その女の子は、「先生が、殺しちゃったア!」と、大泣きした。

 私は「これはゲームだよ」「死んではいないよ」「ごめんね」と何度も言ったが、
最後までその女の子は、私を許してくれなかった。

 当時も、そして今も、こうした(思い込み)は、いたるところにある。
子どもの世界だけではない。
おとなの世界にもある。
私たちは、そうした(思い込み)の中で、生きている。

●論理

 しかし(思い込み)には、いつもブレーキをかけなければならない。
(思い込み)だけで生きていると、それこそとんでもない世界に迷い込んでしまう。
占星術だの、心霊現象だの、などなど。
「カルト」と呼ばれる、狂信的な宗教団体を例にあげるまでもない。

そのブレーキの働きをするのが、「論理」ということになる。
映画『スタートレック』の中のミスタースポックの説くところの、
「ロジック(論理)」である。

野球を楽しむにしても、サッカーを楽しむにしても、ある(範囲)で楽しむ。
けっして、それをすべてと錯覚してはいけない。
錯覚したとたん、自分を見失う。
先にあげた、たまごっちを殺したと泣き叫んだ女の子も、その1人ということになる。

●世にも不思議な留学記

 が、こうした(思い込み)は、いたるところにある。
私たちの仕事にしてもそうだ。
私たちはときとして、大切でないものを、大切なものと思い込んだり、
価値のないものを、価値あるものと思い込んだりする。

それだけですめばまだよい。
その一方で、大切なものを、大切でないと思い込んでしまうかもしれない。
価値のあるものを、価値のないものと思い込んでしまうかもしれない。
それがこわい。

それについて書いたのが、つぎの原稿である。
『世にも不思議な留学記』というのがそれ(中日新聞発表済み)。
(http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/page195.html)

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イソロクはアジアの英雄だった【2】

●自由とは「自らに由る」こと

 オ-ストラリアには本物の自由があった。自由とは、「自らに由(よ)る」という意味だ。
こんなことがあった。

 夏の暑い日のことだった。ハウスの連中が水合戦をしようということになった。で、一
人、2、3ドルずつ集めた。消防用の水栓をあけると、20ドルの罰金ということになっ
ていた。で、私たちがそのお金を、ハウスの受け付けへもっていくと、窓口の女性は、笑
いながら、黙ってそれを受け取ってくれた。

 消防用の水の水圧は、水道の比ではない。まともにくらうと学生でも、体が数メ-トル
は吹っ飛ぶ。私たちはその水合戦を、消防自動車が飛んで来るまで楽しんだ。またこんな
こともあった。

 一応ハウスは、女性禁制だった。が、誰もそんなことなど守らない。友人のロスもその
朝、ガ-ルフレンドと一緒だった。そこで私たちは、窓とドアから一斉に彼の部屋に飛び
込み、ベッドごと2人を運び出した。運びだして、ハウスの裏にある公園のまん中まで運
んだ。公園といっても、地平線がはるかかなたに見えるほど、広い。

 ロスたちはベッドの上でワーワー叫んでいたが、私たちは無視した。あとで振りかえる
と、2人は互いの体をシーツでくるんで、公園を走っていた。それを見て、私たちは笑っ
た。公園にいた人たちも笑った。そしてロスたちも笑った。風に舞うシーツが、やたらと
白かった。

●「外交官はブタの仕事」

 そしてある日。友人の部屋でお茶を飲んでいると、私は外務省からの手紙をみつけた。
許可をもらって読むと、「君を外交官にしたいから、面接に来るように」と。そこで私が「お
めでとう」と言うと、彼はその手紙をそのままごみ箱へポイと捨ててしまった。「ブタの仕
事だ。アメリカやイギリスなら行きたいが、99%の国へは行きたくない」と。彼は「ブ
タ」という言葉を使った。

 あの国はもともと移民国家。「外国へ出る」という意識そのものが、日本人のそれとはま
ったくちがっていた。同じ公務の仕事というなら、オーストラリア国内のほうがよい、と
考えていたようだ。また別の日。

フィリッピンからの留学生が来て、こう言った。「君は日本へ帰ったら、軍隊に入るのか」
と。
「今、日本では軍隊はあまり人気がない」と答えると、「イソロク(山本五十六)の、伝統
ある軍隊になぜ入らない」と、やんやの非難。当時のフィリッピンは、マルコス政権下。
軍人になることイコ-ル、出世を意味していた。

 マニラ郊外にマカティと呼ばれる特別居住区があった。軍人の場合、下から二階級昇進
するだけで、そのマカティに、家つき、運転手つきの車があてがわれた。またイソロクは、
「白人と対等に戦った最初のアジア人」ということで、アジアの学生の間では英雄だった。
これには驚いたが、事実は事実だ。日本以外のアジアの国々は、欧米各国の植民地になっ
たという暗い歴史がある。

 そして私の番。ある日、一番仲のよかった友だちが、私にこう言った。「ヒロシ、もうそ
んなこと言うのはよせ。ここでは、日本人の商社マンは軽蔑されている」と。私はことあ
るごとに、日本へ帰ったら、M物産という会社に入社することになっていると、言ってい
た。ほかに自慢するものがなかった。が、国変われば、当然、価値観もちがう。

 私たち戦後生まれの団塊の世代は、就職といえば、迷わず、商社マンや銀行マンの道を
選んだ。それが学生として、最良の道だと信じていた。しかしそういう価値観とて、国策
の中でつくられたものだった。私は、それを思い知らされた。

 時、まさしく日本は、高度成長へのまっただ中へと、ばく進していた。

●作られる職業観

 私はこの中で、私たちがもっている職業観すら、そのときどきの体制の中で作られる
ということを書きたかった。
軍事国家では、軍人になること。
経済国家では、経済人になること。

が、もちろんだからといって、そうした仕事がつまらないとか、意味がないとか、そんな
ことを書いているのではない。
私たちには、私たちの(思い込み)があった。
その(思い込み)によって、動かされた。
それをわかってもらいたくて、この原稿を抜き出してみた。

●問いかける

 こうした(思い込み)と闘うには、つねに、自分に問いかけてみること。
意味のあるもの・ないもの。
価値のあるもの・ないもの、と。
この問いかけが、やがて論理へとつながっていく。

 簡単な方法としては、「だから、それがどうしたの?」と問いかけてみるという
方法がある。
レストランで食事をした……だから、それがどうしたの?
電車で旅行をした……だから、それがどうしたの?
前からほしいと思っていたものを買った……だから、それがどうしたの?、と。

 私がそれをいちばん強く感じたのは、大学の同窓生たちの会話を聞いたときのこと
だった。
今からもう30年以上も前のことである。
そのときすでに私は今で言う、フリーターをしていた。

A君(A銀行勤務)「君んとこは、35歳で課長か? いいなア」
B君(B銀行勤務)「君んとこは、何歳だ?」
A君「うちは、早くても、40歳にならないと、課長職には就けないよ」
B君「40歳かア……。遅いなア……。君んとこは、都市銀行だからなア」と。

 私はその会話を横で聞きながら、「だから、それがどうしたの?」と考えていた。
彼らとて、日本の高度成長経済の中で、踊らされているだけ。
私はそう感じた。

 その結果として今の日本があることは認めるが、同時に、その結果として、今の
彼らもある。
A君も、B君も、ともに50歳を過ぎるころには、リストラされ、さらに60歳を
過ぎた今、リストラ先でも、退職期を迎えつつある。

●脳の欠陥

 こうした(思い込み)が起きる背景には、脳そのもの中に、欠陥があるためと
考えてよい。
たとえば今、同時に2つの問題が起きたとする。
わかりやすい例としては、(地球温暖化)と(相続問題)の2つを考えてみよう。

 こういうとき人は、脳の中で、問題の軽重、大小を的確に判断できない。
より身近な問題を、重く、大きな問題として、とらえてしまう。

 またひとつの問題が起きると、それによって脳内ホルモンが脳全体を満たし、
それがほかの問題にまで、影響を与える。
俗にいう『八つ当たり』という現象も、これによって説明される。

 このことは、うつ病を患っている人の思考形態を観察してみると、よくわかる。
ささいな問題にこだわり、悶々と悩む。
悩むだけならまだしも、それが思考全般に影響を与える。

 もちろんその反対の例もある。
イチローが200本目を打ったと聞いたときは、心も晴れ晴れとする。
気分もよくなり、「今日は、何かいいことが起きそうだ」と思ったりする。
これもつきつめれば、脳の欠陥による現象のひとつとも、考えられなくはない。

 そこで問いかけてみる。
「だから、それがどうしたの?」と。
意地悪な見方かもしれないが、それがよきにつけ、悪しきにつけ、私たちを
(思い込み)から守る。

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi
林浩司 BW はやし浩司 思い込み こだわり 錯覚)


Hiroshi Hayashi++++++++Sep.09+++++++++はやし浩司

●9月16日(情報格差)(The Second Industrial Revolution)

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昨日、ルーム・ウォーカー(ランナー)を
ネットで注文した。
ネットショップで注文すると、電気店で買うよりも、
1~2割、安く買うことができる。
在庫があれば、即、配送してくれる。

それが今日中には、届くはず。
今日は、それが楽しみ。
これからは家の中にいて、散歩できる(?)。

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●ネット販売の時代

 少し古い資料で恐縮だが、5年前ですら、ネットの広告販売高は、年間33%前後の
伸びを見せていた。

(eNネット)は、つぎのように書いている。

『米国におけるネット広告の業界団体Interactive Advertising Bureau (IAB)が、
4月28日発表した統計によると、2004年のインターネット広告販売高は前年比
33%増の96億ドルとなり、ドットコムブーム期の2000年を超える規模となった』と。

 昨年(08年)には、この日本でも、デパートやショッピングセンター、商店街での
売上高よりも、ネットを通しての販売高のほうが高くなったと聞いている。
たとえばあの丸井も、ネット販売を始めたが、「2007年3月期の50億円に対して、
2009年3月期は3倍の150億円。今3月期は200億円の計画」という。

 数字を見るかぎり、年々、倍々で販売高がふえているのがわかる。
つまりその分だけ、店で直接ものを買う客が減っているということ。

●ネットショップ

 私も今回、ネットで、ルーム・ウォーカーを購入してみた。
簡単な登録するだけで、OK。
送料は無料。
値段を比較してみる。

J店内にあるC店(大型電気店)……10万9800円
最近できたK(大型電気店)  ……12万9800円
ネット大手の、A・CO    …… 9万0800円(+代引手数料など約500円)

 値段を見ただけで、もう決まり。
近くの店で買うよりも、4万円近くも安い!
というより、店は、ただの陳列場。
客はそこで商品を見て、試しに使ってみる。
それをネットを通して、注文する。

 一方、ネットショップは、店舗を構える必要がない分だけ、商品を安く売ることが
できる。
今ではそうしたネットショップが、都会の中心部にあるのではなく、長野県の山の中に
あったりする。
巨大な倉庫を構え、そこを拠点に、商品をネットで販売している!

●情報格差

 そんなわけで、インターネットを使っている人と、使っていない人の間で、
大きな格差が生まれてくる。
インターネットをうまく使っている人は、より多くの情報を手に入れ、ものを買うとき
なども、より安く買うことができる。
一方、そうでない人は、そうでない。
それが(格差)となる。
称して「情報格差」。

 今後、この情報格差は、拡大することはあっても、その反対はない。
ということは、これからは、インターネットをしていない高齢者は、ますます不利になる。
「不利」といっても、はっきりと目に見える不利ではないため、ことはやっかい。
「インターネットなど、なければないで、一向に困らない」と豪語する(?)人も
少なくない。
私の年齢以上の人に、そういう人が多い。

で、問題は、こうした高齢者たちを、どうフォローしていくかということ。
インターネットというより、パソコンという文明の利器は、使いこなせるようになるまで
が、たいへん。
その上での、インターネットである。

 が、どうしようかと考えたところで、思考停止。
この問題だけは、本人がその気にならないかぎり、どうしようもない。
仮に……ということで、私の義兄(70歳代)たちを思い浮かべてみるが、キーボードを
叩くことにさえ、拒絶反応を示す。
最近も、こんなことがあった。

●「パソコンが動かない!」

 ある女性(40歳)から電話がかかってきた。
「パソコンが動かないから、助けてほしい」と。

 で、出かけてみると、新しくノートパソコンが、そこにあった。
(その横には、それよりも1、2年古いタイプのデスクトップパソコンが置いてあった。)

 両方とも、電源を入れても、なかなか立ちあがらない。
その女性は、「中学生の息子がいじったから、動かなくなった」と言っていたが、
少し調べてみて、私は、絶望感を覚えた。

私「リカバリー(再セットアップ)するしかないです。ディスクはありますか」
女「そんなもの、ありません。もらってきたパソコンですから」
私「……」
女「これでテレビ電話(SKYPE)をしてみたいので、それをできるようにしてほしい」
私「ウィルス対策ソフトの期限が、とっくの昔に切れていますよ」
女「でも、ちゃんとソフトは、入っています」
私「毎年、お金を払って、更新しなければいけませんよ」
女「……」と。

 ついでにIEの履歴から、息子氏がどんなところへアクセスしていたかを見てみた。
予想通り、そこにスケベサイトがズラリと並んだ。

私「このパソコンには、ウィルスやスパイボットが、きっと、ぎっしりと入っていますよ」
女「スパイボット?」
私「つまり、ばい菌だらけということです」
女「どうすればいいですか?」
私「だからここまでくると、リカバリーして、ソフトを新しく、インストールしなおす
しかないです」
女「先生、やっていただけますか?」
私「……。時間があれば、できますが、時間がないので、ごめんなさい」と。

 あれほど重症のパソコンとなると、満足に使えるようになるまでに、5~6時間は
かかる。
テレビ電話(SKYPE)などというのは、その後の後。
その女性は、パソコンを、テレビかラジカセのようにしか考えていない。
つまり、お手上げ!

 こうした現状がわかればわかるほど、思考停止となってしまう。

●第二の産業革命

 で、たった今、ネットで調べてみたら、「商品は、浜松市内現在配送中」と出てきた。
今では、ネットでそこまでわかるようになっている。
そこで宅配会社に電話を入れ、伝票番号を伝えると、「12時前後に配達の予定です」と
教えてくれた。

 すごい!

 これを第二の産業革命と言わずして、何と言う?
配送状況から、配達予定時刻までわかる。
私たちは人間の歴史に残る革命を、今、こうして目の当たりに、経験している!

 2009年9月16日、水曜日。
100年後の人が、このエッセーを読んだら、どう思うだろうか?


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