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子育て最前線の育児論byはやし浩司 2011年 7月 29日
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HTML(カラー・写真版)を用意しました。
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メルマガ(6万3000誌)の中で、2008年度、メルマガ・オブ・ザ・イヤーに
選ばれました!
【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
●過剰行動児
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
【突然、キーキー声を張りあげる子どもについて】
【N先生より、はやし浩司へ】
お久しぶりです。先生、お元気でしょうか。
うだるような暑さの中でも子どもたちは
元気に遊んでいます。
今日は、保育園の園児のご相談をしたいと
思います。
興奮したりすると、「キー」とまるで猿のように
叫ぶ子がいて、とても気になります。
一人そんなことをすると、まねをする子が出ます。
友達と遊んでいて、喜んでいる時かと思いますが、
本当によく響き渡る声です。
この子は、5歳児ですが、サ行やタ行がうまく
言えません。でも、友達とはおしゃべりが盛んです。
実習生やボランティアの方などが保育園に
みえると、おんぶや抱っこをせがんだり、べったり
甘えたりして積極的に行動します。
家庭では、母親にほとんど甘えたがる様子は見せない
ということです。
単に、そんな声を出して楽しんでいるのか、それとも
何か彼の心のなかを表現しているのでしょうか。
子どもですから、キャッキャと騒ぐのは慣れているのですが
この子の声はとても気になります。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●問題点
問題点は、つぎの3つある。
それぞれを別に考える。
が、ここでは(1)の過剰行動性について考える。
(1)キーキー声を張り上げる。
(2)発語障害
(3)母子関係の不全(マターナルデブリベーション)
【はやし浩司より、N先生へ】
●樹香庵
暑いですね。
冗談のような話ですが、おとといの夜は、浜北区の森の家にある、樹香庵に一泊しました。
すばらしい一軒家旅館です。
そこでのこと。
風呂上がりに体重計に乗ったら、何と72キロ!
ギョーッ!
少し腹が出てきたかなと思っていましたが、7~8キロもオーバーです。
で、そのショックといったら、たいへんなものでした。
とたん意気消沈。
ガックリときました。
で、しばらくしてから、ワイフにも体重を測らせました。
そのワイフも、いつもより6キロもオーバー。
……ということで、体重計が壊れていることを知りました。
ホーッとしましたが、そんなこともあり、昨日と今日は、運動+ダイエット。
サイクリングを2単位(40分x2)、プラス、カロリーメイトと軽食のみ。
昨日、1キロ減量。
今日、500グラム減量。
現在、66キロ。
それでも標準より、4~5キロ、オーバー。
しばらく苦しいダイエットがつづきそうです。
●キーキー・ボイスについて
幼児のキーキー・ボイス(突発的で、耳をつんざくようなキーキー声)は、第一に、過剰行動性を疑
います。
もう30年ほど前から、アメリカでは問題になっています。
「過剰行動児」と訳されていますが、日本では一般的ではありません。
原因は、低血糖です。
日常的に、糖分の多い食生活(ジュースやアイスクリームなど)を摂取していると、血糖値があがりま
す。
その血糖値をさげようと、インシュリンが分泌されます。
で、血糖値はさがりますが、血中に残ったインシュリンが、さらに血糖値をさげつづけます。
結果として、低血糖児になるわけです。
低血糖になると、脳の抑制命令がきかなくなり、行動に過剰性がみられるようになります。
以前書いた原稿をこのあとに添付しますが、砂糖断ち(白砂糖)をすれば、1週間ほどで、ウソのよう
に静かになりますから、一度、試してみてください。
つまり原因は、食生活と考えます。
(かんしゃく発作、あるいはてんかん症も疑われますが……。)
付随的な症状としては、(1)体の緊張感が保てず、ダラダラとした様子になる(カルシウムイオン
不足)、(2)集中力がつづかない、(3)興奮性が強くなる、などがあります。
あわせて海産物の多い食生活に切り替えます。
海産物には、K、Mg、Caが多く含まれています。
イギリスでは昔から、「カルシウムは紳士を作る」と言われています。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●過剰行動児(2007年に書いた原稿)
●砂糖は白い麻薬
++++++++++++
甘い食品になれた子どもから、
甘い食品を取りあげると、
禁断症状に似た症状が観察される。
私はこのことを、すでに30年前
に発見した。雑紙にも、そう書いた。
それが最近、科学的に、証明され
つつある。
++++++++++++
●禁断症状
アメリカの国立薬物乱用研究所の、N・D・ボルコフ(女性研究者)は、つぎのような論文を発表し
ている。
「……過食症ラットのばあい、砂糖を多く含むエサを与えたあとに、ナロキソンというオピオイド拮
抗剤(脳内快楽物質の働きを妨げる薬)を投与すると、禁断症状が起こる。
モルヒネを注射したあとに、ナロキソンを投与したのと同じく、禁断症状が生ずるのだ。この結果か
ら、糖分の多いエサを食べつづけることによって、身体的な依存が生じていたことがわかる。人間でも
同じ反応が起こるなら、禁断症状を緩和する処置が、ダイエットに役立つかもしれない」(日経・サイ
エンス・07・12月号・P55)と。
これはラットについての実験だから、そのまま人間に当てはまるとはかぎらない。しかし一歩、近づ
いた! つまり白砂糖でも、麻薬に似た禁断症状が起こる!
その30年前に書いた原稿をさがしてみたが、見あたらなかった。そのかわり、当時の原稿をもとに、
書き直した原稿が見つかった。中日新聞に、8年前に発表した原稿である。この中に書いた、U君とい
うのは、今でもよく覚えている。
++++++++++++++
●砂糖は白い麻薬
●独特の動き
キレるタイプの子どもは、独特の動作をすることが知られている。動作が鋭敏になり、突発的にカミ
ソリでものを切るようにスパスパとした動きになるのがその一つ。
原因についてはいろいろ言われているが、脳の抑制命令が変調したためにそうなると考えるとわかりや
すい。そしてその変調を起こす原因の一つが、白砂糖(精製された砂糖)だそうだ(アメリカ小児栄養
学・ヒューパワーズ博士)。
つまり一時的にせよ白砂糖を多く含んだ甘い食品を大量に摂取すると、インスリンが大量に分泌され、
そのインスリンが脳間伝達物質であるセロトニンの大量分泌をうながし、それが脳の抑制命令を阻害す
る、と。
●U君(年長児)のケース
U君の母親から相談があったのは、4月のはじめ。U君がちょうど年長児になったときのことだった。
母親はこう言った。「部屋の中がクモの巣みたいです。どうしてでしょう?」と。
U君は突発的に金きり声をあげて興奮状態になるなどの、いわゆる過剰行動性が強くみられた。このタ
イプの子どもは、まず砂糖づけの生活を疑ってみる。聞くと母親はこう言った。
「おばあちゃんの趣味がジャムづくりで、毎週そのジャムを届けてくれます。それで残したらもった
いないと思い、パンにつけたり、紅茶に入れたりしています」と。そこで計算してみるとU君は1日、
100~120グラムの砂糖を摂取していることがわかった。かなりの量である。そこで私はまず砂糖
断ちをしてみることをすすめた。が、それからがたいへんだった。
●禁断症状と愚鈍性
U君は幼稚園から帰ってくると、冷蔵庫を足で蹴飛ばしながら、「ビスケットをくれ、ビスケットを
くれ!」と叫ぶようになったという。急激に砂糖断ちをすると、麻薬を断ったときに出る禁断症状のよ
うなものがあらわれることがある。U君のもそれだった。
夜中に母親から電話があったので、「そのまま砂糖断ちをつづけるように」と私は指示した。が、その
1週間後、私はU君の姿を見て驚いた。U君がまるで別人のように、ヌボーッとしたまま、まったく反
応がなくなってしまったのだ。
何かを問いかけても、口を半開きにしたまま、うつろな目つきで私をぼんやりと私を見つめるだけ。母
親もそれに気づいてこう言った。「やはり砂糖を与えたほうがいいのでしょうか」と。
●砂糖は白い麻薬
これから先は長い話になるので省略するが、要するに子どもに与える食品は、砂糖のないものを選ぶ。
今ではあらゆる食品に砂糖は含まれているので、砂糖を意識しなくても、子どもの必要量は確保できる。
ちなみに幼児の一日の必要摂取量は、約10~15グラム。この量はイチゴジャム大さじ一杯分程度。
もしあなたの子どもが、興奮性が強く、突発的に暴れたり、凶暴になったり、あるいはキーキーと声を
はりあげて手がつけられないという状態を繰り返すようなら、一度、カルシウム、マグネシウムの多い
食生活に心がけながら、砂糖断ちをしてみるとよい。効果がなくてもダメもと。砂糖は白い麻薬と考え
る学者もいる。子どもによっては一週間程度でみちがえるほど静かに落ち着く。
●リン酸食品
なお、この砂糖断ちと合わせて注意しなければならないのが、リン酸である。リン酸食品を与えると、
せっかく摂取したカルシウム分を、リン酸カルシウムとして体外へ排出してしまう。
とは言っても、今ではリン酸(塩)はあらゆる食品に含まれている。たとえば、ハム、ソーセージ(弾
力性を出し、歯ごたえをよくするため)、アイスクリーム(ねっとりとした粘り気を出し、溶けても流
れず、味にまる味をつけるため)、インスタントラーメン(やわらかくした上、グニャグニャせず、歯
ごたえをよくするため)、プリン(味にまる味をつけ、色を保つため)、コーラ飲料(風味をおだやかに
し、特有の味を出すため)、粉末飲料(お湯や水で溶いたりこねたりするとき、水によく溶けるように
するため)など(以上、川島四郎氏)。かなり本腰を入れて対処しないと、リン酸食品を遠ざけること
はできない。
●こわいジャンクフード
ついでながら、W・ダフティという学者はこう言っている。「自然が必要にして十分な食物を生み出し
ているのだから、われわれの食物をすべて人工的に調合しようなどということは、不必要なことである」
と。
つまりフード・ビジネスが、精製された砂糖や炭水化物にさまざまな添加物を加えた食品(ジャンク・
フード)をつくりあげ、それが人間を台なしにしているというのだ。「(ジャンクフードは)疲労、神経
のイライラ、抑うつ、不安、甘いものへの依存性、アルコール処理不能、アレルギーなどの原因になっ
ている」とも。
●U君の後日談
砂糖漬けの生活から抜けでたとき、そのままふつう児にもどる子どもと、U君のように愚鈍性が残る
子どもがいる。それまでの生活にもよるが、当然のことながら砂糖の量が多く、その期間が長ければ長
いほど、後遺症が残る。
U君のケースでは、それから小学校へ入学するまで、愚鈍性は残ったままだった。白砂糖はカルシウム
不足を引き起こし、その結果、「脳の発育が不良になる。先天性の脳水腫をおこす。脳神経細胞の興奮
性を亢進する。痴呆、低脳をおこしやすい。精神疲労しやすく、回復がおそい。神経衰弱、精神病にか
かりやすい。一般に内分泌腺の発育は不良、機能が低下する」(片瀬淡氏「カルシウムの医学」)という
説もある。
子どもの食生活を安易に考えてはいけない。
+++++++++++++
30年前の当時、『白砂糖は麻薬』と、私は書いた。U君の禁断症状(ほんとうは、麻薬による禁断
症状というのは、知らなかったが)、その禁断症状を目(ま)の当たりに見せつけられて、私は、そう
書いた。
U君は、幼稚園から帰るとすぐ、冷蔵庫を足で蹴りながら、「ビスケット!」「ビスケット!」と叫ん
だという。そのあまりの異常な様子に母親があわてて、私に相談してきた。
が、当時、『白砂糖が麻薬』と考える人は、だれもいなかった。私の意見は無視された。おかしなこ
とに、当時は、「砂糖は、滋養要素」と考えられ、「甘いものを断つと、かえって子どもの情緒は不安定
になる」と主張する学者さえいた。
私はN・D・ボルコフ(女性研究者)の論文を読んだとき、「やはりそうだった」と、確信を得た。
まだラットでの実験段階だから、先にも書いたように、人間にそのまま当てはめて考えることはできな
い。先に、「あと、一歩!」と書いた私の気持ちを理解してもらえれば、うれしい。
●お母さんたちへ
ショッピングセンターなどの飲食コーナーなどへ行くと、よく、子どもの頭よりも大きなソフトクリ
ームや、ジュースを、食べたり、飲んでいる子どもを見かけますね。
それがいかに危険なものであるかを知るためには、あなた自身が、一度、自分の頭より大きなソフト
クリームや、ジュースを、食べたり、飲んでみることです。
量は、体重で計算します。体重、15キロの子どもが、ソフトクリーム1個を食べるということは、
体重60キロのおとなが、4個食べる量に等しいということです。
いくらおとなでも、4個は食べられませんね。食べたら、気分(=頭)がおかしくなります。それだ
けではありません。一時的な血糖値の急上昇が、その直後に、低血糖を引き起こすことも、よく知られ
ています。「甘いものを食べて、どうして低血糖?」と思われる人もいるかもしれません。理由は簡単
です。血中に大量のインシュリンだけが残り、必要以上に血糖値をさげてしまうからです。
突発的に衝動的な行動に移る子どもは、この低血糖を疑ってみます。わかりやすく言えば、突発的に、
キーッとか、キャッキャッと、甲高い声を張り上げて、(たいていは耳をつんざくような金きり声で)、
騒ぐようでしたら、まずこの低血糖を疑ってみます。
『砂糖は、白い麻薬』です。もしどうしても、甘い食品……ということでしたら、精製していない、
黒砂糖をお勧めします。黒砂糖には、CA、MG、Kなどの天然のミネラル分がバランスよく含まれて
いますから、ここでいうような(突発的な行動)は起こりません。
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 ボルコフ
過食症ラット 禁断症状)
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●インシュリンの分泌について
ついおととい、こんな論文がネット上に、ニュースとして流れました。
「ペットボトル症候群」というのが、それです。
「ペットボトル症候群」という言葉は、もう10年以上も前からあります。
毎年、夏になると、話題になります。
ウィキペディア百科事典には、つぎのようにあります。
『ペットボトル症候群(ペットボトルしょうこうぐん、PET bottle syndrome)とはスポーツドリンク、
清涼飲料水などを大量に飲み続けることによっておこる急性の糖尿病である。
糖尿病性ケトアシドーシスの症状となった若い人達の多くがペットボトルで清涼飲料水を飲んでいた
ことから「ペットボトル症候群(清涼飲料水ケトアシドーシス)」と名付けられた。1992年5月に、
聖マリアンナ医科大学の研究グループが報告した』(ウィキペディア百科事典)と。
このばあいは、一度に多量の糖分を摂取することにより、インシュリンの分泌が停止してしまうとい
うことになります。
その結果、急性の糖尿病が起るというわけです。
ひどいばあいは、そのまま昏睡状態に陥ってしまうこともあるといいます。
(こわいですね!)
どうであるにせよ、糖分の過剰摂取は、子どもの脳の発育には、よい影響を与えないということにな
ります。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●キレる子ども(感情、行動に抑制のきかない子ども)
キレる子ども(突発的に錯乱状態になって、暴れる、興奮する)についても、ひとつの原因として、
白砂糖の過剰摂取が疑われています。
一部、原稿がダブるかもしれないが、それについて書いた原稿をさがしてみます。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
【栄養学の分野からの考察】
●過剰行動性のある子ども
もう二〇年以上も前だが、アメリカで「過剰行動性のある子ども」(ヒュー・パワーズ・小児栄養学)
が、話題になったことがある。ささいなことがきっかけで、突発的に過剰な行動に出るタイプの子ども
である。
日本では、このタイプの子どもはほとんど話題にならなかったが、中学生によるナイフの殺傷事件が続
いたとき、その原因の一つとして、マスコミでこの過剰行動性が取りあげられたことがある(九八年)。
日本でも岩手大学の大沢博名誉教授や大分大学の飯野節夫教授らが、この分野の研究者として知られて
いる。
●砂糖づけのH君(年中児)
私の印象に残っている男児にH君(年中児)という子どもがいた。最初、Hさん(母親)は私にこう
相談してきた。「(息子の)部屋の中がクモの巣のようです。どうしたらいいでしょうか」と。
話を聞くと、息子のH君の部屋がごちゃごちゃというより、足の踏み場もないほど散乱していて、その
様子がふつうではないというのだ。が、それだけならまだしも、それを母親が注意すると、H君は突発
的に暴れたり、泣き叫んだりするという。始終、こきざみに動き回るという多動性も気になると母親は
言った。私の教室でも突発的に、耳をつんざくような金切り声をあげ、興奮状態になることも珍しくな
かった。そして一度そういう状態になると、手がつけられなくなった。私はその異常な興奮性から、H
君は過剰行動児と判断した。
ただ申し添えるなら、教育の現場では、それが学校であろうが塾であろうが、子どもを診断したり、診断名をくだすことはありえない。第一に診断基準が確立していないし、治療や治療方法を用意しない
まま診断したり、診断名をくだしたりすることは許されない。仮にその子どもが過剰行動児をわかった
ところで、それは教える側の内心の問題であり、親から質問されてもそれを口にすることは許されない。
診断については、診断基準や治療方法、あるいは指導施設が確立しているケース(たとえば自閉症児や
かん黙児)では、専門のドクターを紹介することはあっても、その段階で止める。この過剰行動児につ
いてもそうで、内心では過剰行動児を疑っても、親に向かって、「あなたの子どもは過剰行動児です」
と告げることは、実際にはありえない。教師としてすべきことは、知っていても知らぬフリをしながら、
その次の段階の「指導」を開始することである。
●原因は食生活?
ヒュー・パワーズは、「脳内の血糖値の変動がはげしいと、神経機能が乱れ、情緒不安になり、ホルモ
ン機能にも影響し、ひいては子どもの健康、学習、行動に障害があらわれる」という。メカニズムは、
こうだ。ゆっくりと血糖値があがる場合には、それに応じてインスリンが徐々に分泌される。しかし一
時的に多量の砂糖(特に精製された白砂糖)をとると、多量の、つまり必要とされる量以上の量のイン
スリンが分泌され、結果として、子どもを低血糖児の状態にしてしまうという(大沢)。
そして(1)イライラする。機嫌がいいかと思うと、突然怒りだす、(2)無気力、(3)疲れやすい、
(4)(体が)震える、(5)頭痛など低血糖児特有の症状が出てくるという(朝日新聞九八年2・12)。
これらの症状は、たとえば小児糖尿病で砂糖断ちをしている子どもにも共通してみられる症状でもある。
私も一度、ある子ども(小児糖尿病患者)を病院に見舞ったとき、看護婦からそういう報告を受けたこ
とがある。
こうした突発的な行動については、次のように説明されている。つまり脳からは常に相反する二つの
命令が出ている。行動命令と抑制命令である。たとえば手でものをつかむとき、「つかめ」という行動
命令と、「つかむな」という抑制命令が同時に出る。
この二つの命令がバランスよく調和して、人間はスムーズな動きをすることができる。しかし低血糖に
なると、このうちの抑制命令のほうが阻害され、動きがカミソリでスパスパとものを切るような動きに
なる。先のH君の場合は、こまかい作業をさせると、震えるというよりは、手が勝手に小刻みに動いて
しまい、それができなかった。また抑制命令が阻害されると、感情のコントロールもできなくなり、一
度激怒すると、際限なく怒りが増幅される。そして結果として、それがキレる状態になる。
●恐ろしいカルシウム不足
砂糖のとり過ぎは、子どもの心と体に深刻な影響を与えるが、それだけではない。砂糖をとり過ぎる
と、カルシウム不足を引き起こす。
糖分の摂取が、体内のカルシウムを奪い、虫歯の原因になることはよく知られている。体内のブドウ糖
は炭酸ガスと水に分解され、その炭酸ガスが、血液に酸性にする。その酸性化した血液を中和しようと、
骨の中のカルシウムが、溶け出るためと考えるとわかりやすい。
体内のカルシウムの98%は、骨に蓄積されている。そのカルシウムが不足すると、「(1)脳の発育が
不良になったり、(2)脳神経細胞の興奮性を亢進したり、(3)精神疲労をしやすくまた回復が遅くな
るなどの症状が現われる」(片瀬淡氏「カルシウムの医学」)という。わかりやすく言えば、カルシウム
が不足すると、知恵の発達が遅れ、興奮しやすく、また精神疲労を起こしやすいというのだ。甘い食品
を大量に摂取していると、このカルシウム不足を引き起こす。
++++++++++++++++++++++++++はやし浩司
●生化学者ミラー博士らの実験
精製されてない白砂糖を、日常的に多量に摂取すると、インスリンの分泌が、脳間伝達物質であるセ
ロトニンの分泌をうながし、それが子どもの異常行動を引き起こすという。アメリカの生化学者のミラ
ーは、次のように説召している。
「脳内のセロトニンという(脳間伝達)ニューロンから脳細胞に情報を伝達するという、神経中枢に
重要な役割をはたしているが、セロトニンが多すぎると、逆に毒性をもつ」(「マザーリング」八一年(7)
号)と。日本でも、自閉症や子どもの暴力、無気力などさまざまな子どもによる問題行動が、食物と関
係しているという研究がなされている。ちなみに、食品に含まれている白砂糖の量は、次のようになっ
ている。
製品名 一個分の量 糖分の量
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ヨーグルト 【森永乳業】 90ml 9・6g
伊達巻き 【紀文】 39g 11・8g
ミートボール 【石井食品】 1パック120g 9・0g
いちごジャム 【雪印食品】 大さじ30g 19・7g
オレンジエード【キリンビール】 250ml 9・2g
コカコーラ 250ml 24・1g
ショートケーキ 【市販】 一個100g 28・6g
アイス 【雪印乳業】 一個170ml 7・2g
オレンジムース 【カルピス】 38g 8・7g
プリン 【協同乳業】 一個100g 14・2g
グリコキャラメル【江崎グリコ】 4粒20g 8・1g
どら焼き 【市販】 一個70g 25g
クリームソーダ 【外食】 一杯 26g
ホットケーキ 【外食】 一個 27g
フルーツヨーグルト【協同乳業】 100g 10・9g
みかんの缶詰 【雪印食品】 118g 15・3g
お好み焼き 【永谷園食品】 一箱240g 15・0g
セルシーチョコ 【江崎グリコ】 3粒14g 5・5g
練りようかん 【市販】 一切れ56g 30・8g
チョコパフェ 【市販】 一杯 24・0g
●砂糖は白い麻薬
H君の母親はこう言った。「祖母(父親の実母)の趣味が、ジャムづくりで、毎週ビンに入ったジャ
ムを届けてくれます。うちでは、それを食べなければもったいないということで、パンや紅茶など、あ
らゆるものにつけて食べています」と。
私はH君の食生活が、かなりゆがんだものと知り、とりあえず「砂糖断ち」をするよう進言した。が、
異変はその直後から起きた。幼稚園から帰ったH君が、冷蔵庫を足げりにしながら、「ビスケットがほ
しい、ビスケットがほしい」と泣き叫んだというのだ。母親は「麻薬患者の禁断症状のようで、恐ろし
かった」と話してくれた。が、それから数日後。今度はH君が一転、無気力状態になってしまったとい
う。私がH君に会ったのは、ちょうど一週間後のことだったが、H君はまるで別人のようになっていた。
ボーッとして、反応がまるでなかった。母親はそういうH君を横目で見ながら、「もう一度、ジャムを
食べさせましょうか」と言ったが、私はそれに反対した。
●カルシウムは紳士をつくる
戦前までは、カルシウムは、精神安定剤として使われていた。こういう事実もあって、イギリスでは、
「カルシウムは紳士をつくる」と言われている。子どもの落ち着きなさをどこかで感じたら、砂糖断ち
をする一方、カルシウムやマグネシウムなど、ミネラル分の多い食生活にこころがける。私の経験では、
幼児の場合、それだけで、しかも一週間という短期間で、ほとんどの子どもが見違えるほど落ち着くの
がわかっている。
川島四郎氏(桜美林大学元教授)も、「ヒステリーやノイローゼ患者の場合、カルシウムを投与するだ
けでなおる」(「マザーリング」八一年(7)号)と述べている。効果がなくても、ダメもと。そうでな
くても、缶ジュース一本を子どもに買い与えて、「うちの子は小食で困ります」は、ない。体重15キ
ロ前後の子どもに、缶ジュースを一本与えるということは、体重60キロの人が、4本飲む量に等しい。
おとなでも缶ジュースを四本は飲めないし、飲めば飲んだで、腹の中がガボガボになってしまう。
なお問題となるのは、精製された白砂糖をいう。どうしても甘味料ということであれば、精製されて
いない黒砂糖をすすめる。黒砂糖には、天然のミネラル分がほどよく配合されていて、ここでいう弊害
はない。
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 過剰行動児
セロトニン悪玉説 キレる子供の原因 キレる子どもの原因 切れる子供 原因 キレる子ども 原
因 原因物質)
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●N先生へ
その子どもには、砂糖断ちを勧めてみたらよいでしょう。
しかしこれは食生活の問題というよりは、母親の買い物癖の問題です。
一時的に母親が気をつけても、また数か月もすると、元に戻ってしまいます。
母親の買い物癖が、また始まるからです。
ショッピングに行っても、甘い食品を選んで買う、など。
ですから母親自身が、かなり心を鬼にして、つまり覚悟をして治そうという意識がないかぎり、子ど
もの過剰行動性は、治らないということです。
そこで私は、「冷蔵庫をカラにせよ」という提言をしています。
それについて書いた原稿もあるはずです。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●買い物グセ
夏場になると、がぜん多くなるのが、体をクネクネ、ダラダラさせる子ども。原因は、いろいろある。
クーラーなどによる、冷房のかけすぎ。睡眠不足。それに、甘いものの食べすぎ。
この時期、どうしても、アイスやかき氷が多くなる。ジュースや、清涼飲料水などなど。糖分のとり
すぎが遠因となって、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどの不足を引き起こす。
だいたいにおいて、世の母親たちよ、ものごとは、常識で考えてみようではないか。
体重12キロの子どもに、缶ジュース一本を与えるということは、体重60キロのおとなが、5本飲
む量に等しい。それだけ多量のジュースを一方で、与えておきながら、「どうしてうちの子は、小食な
のでしょうか」は、ない!
……というような話をすると、ほとんどの親は、自分の愚行(失礼!)に気づく。そして、こう言う。
「では、今日から、改めます」と。
しかし、問題は、この先。
しばらくの間は、母親も注意する。しかし数週間から1か月、2か月もすると、また、もとにもどっ
てしまう。もとの食生活にもどって、また子どもに、甘い食べ物を与えてしまう。
思考回路がそうできているからである。つまり、この思考回路、それにもとづく行動パターンを変え
るのは、容易なことではない。
買いものに行くと、また同じ、ジュースだのアイスを買い始めてしまう……。
では、どうするか。
こうした思考回路を変えるためには、ショックを与えなければならない。「ショック」である。
話は、かなり脱線するが、昔は、チンドン屋というのがいた。新しい店ができると、そこの経営者が
チンドン屋を雇い、そのチンドン屋が、そのあたりをぐるぐると回った。
私たち子どもは、それがおもしろくて、いつまでも、そのチンドン屋について歩いた。
つまりそうすることで、もちろんその店の宣伝にもなるが、そのあたりに住む人たちの、行動パター
ンを変えることができる。たとえば人というのは、一度、ある店に行き始めると、その行動パターンを
変えるのは、容易なことではない。
「お酒……」といえば、「A酒屋」と。
「お米……」といえば、「B米屋」と。
そこで新しくできた店は、そのあたりの人たちがもつ、そういう意識、つまり行動パターンを変えな
ければならない。それがチンドン屋というわけである。
たしかにあのチンドン屋は、ショックを与えるという意味では、効果がある。派手な服装に、派手な
鳴り物。それに踊り。チンチン、ドンドンと音に合わせて、踊りながら回る。そのあたりの人たちは、
それを見て、自分の行動パターンを変える……。
では、どうするか?
あなたには、あなたの買い物グセがある。その買い物グセをなおすには、どうするか。
もうおわかりかと思うが、その行動パターンを変えるためには、自らにショックを与えればよいとい
うことになる。ショックを与えて、自分の行動パターンを変える。
【一つの方法】
今すぐ、冷蔵庫の中にある、甘い食品(アイス、ジュース、プリンなど)を、すべて袋につめて、捨
てる。「もったいない」と思ったら、なおさら、心を鬼にして、捨てる。
この「もったいない」という思いが、ショックとなって、あなたの意識、行動パターンが変わる。
こういうとき、「つぎから、買うのをひかえればいい」とか、「もったいないから、食べてしまおう」
と考えてはいけない。そういうケチな根性をもつと、またすぐ、もとの買い物グセにもどってしまう。
●マターナル・デブリベーション
ついでに母子関係の不全についての原稿をさがしてみます。
どうか参考になさってください。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
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子育て最前線の育児論byはやし浩司 2011年 7月 29日
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HTML(カラー・写真版)を用意しました。
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メルマガ(6万3000誌)の中で、2008年度、メルマガ・オブ・ザ・イヤーに
選ばれました!
【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
●過剰行動児
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
【突然、キーキー声を張りあげる子どもについて】
【N先生より、はやし浩司へ】
お久しぶりです。先生、お元気でしょうか。
うだるような暑さの中でも子どもたちは
元気に遊んでいます。
今日は、保育園の園児のご相談をしたいと
思います。
興奮したりすると、「キー」とまるで猿のように
叫ぶ子がいて、とても気になります。
一人そんなことをすると、まねをする子が出ます。
友達と遊んでいて、喜んでいる時かと思いますが、
本当によく響き渡る声です。
この子は、5歳児ですが、サ行やタ行がうまく
言えません。でも、友達とはおしゃべりが盛んです。
実習生やボランティアの方などが保育園に
みえると、おんぶや抱っこをせがんだり、べったり
甘えたりして積極的に行動します。
家庭では、母親にほとんど甘えたがる様子は見せない
ということです。
単に、そんな声を出して楽しんでいるのか、それとも
何か彼の心のなかを表現しているのでしょうか。
子どもですから、キャッキャと騒ぐのは慣れているのですが
この子の声はとても気になります。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●問題点
問題点は、つぎの3つある。
それぞれを別に考える。
が、ここでは(1)の過剰行動性について考える。
(1)キーキー声を張り上げる。
(2)発語障害
(3)母子関係の不全(マターナルデブリベーション)
【はやし浩司より、N先生へ】
●樹香庵
暑いですね。
冗談のような話ですが、おとといの夜は、浜北区の森の家にある、樹香庵に一泊しました。
すばらしい一軒家旅館です。
そこでのこと。
風呂上がりに体重計に乗ったら、何と72キロ!
ギョーッ!
少し腹が出てきたかなと思っていましたが、7~8キロもオーバーです。
で、そのショックといったら、たいへんなものでした。
とたん意気消沈。
ガックリときました。
で、しばらくしてから、ワイフにも体重を測らせました。
そのワイフも、いつもより6キロもオーバー。
……ということで、体重計が壊れていることを知りました。
ホーッとしましたが、そんなこともあり、昨日と今日は、運動+ダイエット。
サイクリングを2単位(40分x2)、プラス、カロリーメイトと軽食のみ。
昨日、1キロ減量。
今日、500グラム減量。
現在、66キロ。
それでも標準より、4~5キロ、オーバー。
しばらく苦しいダイエットがつづきそうです。
●キーキー・ボイスについて
幼児のキーキー・ボイス(突発的で、耳をつんざくようなキーキー声)は、第一に、過剰行動性を疑
います。
もう30年ほど前から、アメリカでは問題になっています。
「過剰行動児」と訳されていますが、日本では一般的ではありません。
原因は、低血糖です。
日常的に、糖分の多い食生活(ジュースやアイスクリームなど)を摂取していると、血糖値があがりま
す。
その血糖値をさげようと、インシュリンが分泌されます。
で、血糖値はさがりますが、血中に残ったインシュリンが、さらに血糖値をさげつづけます。
結果として、低血糖児になるわけです。
低血糖になると、脳の抑制命令がきかなくなり、行動に過剰性がみられるようになります。
以前書いた原稿をこのあとに添付しますが、砂糖断ち(白砂糖)をすれば、1週間ほどで、ウソのよう
に静かになりますから、一度、試してみてください。
つまり原因は、食生活と考えます。
(かんしゃく発作、あるいはてんかん症も疑われますが……。)
付随的な症状としては、(1)体の緊張感が保てず、ダラダラとした様子になる(カルシウムイオン
不足)、(2)集中力がつづかない、(3)興奮性が強くなる、などがあります。
あわせて海産物の多い食生活に切り替えます。
海産物には、K、Mg、Caが多く含まれています。
イギリスでは昔から、「カルシウムは紳士を作る」と言われています。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●過剰行動児(2007年に書いた原稿)
●砂糖は白い麻薬
++++++++++++
甘い食品になれた子どもから、
甘い食品を取りあげると、
禁断症状に似た症状が観察される。
私はこのことを、すでに30年前
に発見した。雑紙にも、そう書いた。
それが最近、科学的に、証明され
つつある。
++++++++++++
●禁断症状
アメリカの国立薬物乱用研究所の、N・D・ボルコフ(女性研究者)は、つぎのような論文を発表し
ている。
「……過食症ラットのばあい、砂糖を多く含むエサを与えたあとに、ナロキソンというオピオイド拮
抗剤(脳内快楽物質の働きを妨げる薬)を投与すると、禁断症状が起こる。
モルヒネを注射したあとに、ナロキソンを投与したのと同じく、禁断症状が生ずるのだ。この結果か
ら、糖分の多いエサを食べつづけることによって、身体的な依存が生じていたことがわかる。人間でも
同じ反応が起こるなら、禁断症状を緩和する処置が、ダイエットに役立つかもしれない」(日経・サイ
エンス・07・12月号・P55)と。
これはラットについての実験だから、そのまま人間に当てはまるとはかぎらない。しかし一歩、近づ
いた! つまり白砂糖でも、麻薬に似た禁断症状が起こる!
その30年前に書いた原稿をさがしてみたが、見あたらなかった。そのかわり、当時の原稿をもとに、
書き直した原稿が見つかった。中日新聞に、8年前に発表した原稿である。この中に書いた、U君とい
うのは、今でもよく覚えている。
++++++++++++++
●砂糖は白い麻薬
●独特の動き
キレるタイプの子どもは、独特の動作をすることが知られている。動作が鋭敏になり、突発的にカミ
ソリでものを切るようにスパスパとした動きになるのがその一つ。
原因についてはいろいろ言われているが、脳の抑制命令が変調したためにそうなると考えるとわかりや
すい。そしてその変調を起こす原因の一つが、白砂糖(精製された砂糖)だそうだ(アメリカ小児栄養
学・ヒューパワーズ博士)。
つまり一時的にせよ白砂糖を多く含んだ甘い食品を大量に摂取すると、インスリンが大量に分泌され、
そのインスリンが脳間伝達物質であるセロトニンの大量分泌をうながし、それが脳の抑制命令を阻害す
る、と。
●U君(年長児)のケース
U君の母親から相談があったのは、4月のはじめ。U君がちょうど年長児になったときのことだった。
母親はこう言った。「部屋の中がクモの巣みたいです。どうしてでしょう?」と。
U君は突発的に金きり声をあげて興奮状態になるなどの、いわゆる過剰行動性が強くみられた。このタ
イプの子どもは、まず砂糖づけの生活を疑ってみる。聞くと母親はこう言った。
「おばあちゃんの趣味がジャムづくりで、毎週そのジャムを届けてくれます。それで残したらもった
いないと思い、パンにつけたり、紅茶に入れたりしています」と。そこで計算してみるとU君は1日、
100~120グラムの砂糖を摂取していることがわかった。かなりの量である。そこで私はまず砂糖
断ちをしてみることをすすめた。が、それからがたいへんだった。
●禁断症状と愚鈍性
U君は幼稚園から帰ってくると、冷蔵庫を足で蹴飛ばしながら、「ビスケットをくれ、ビスケットを
くれ!」と叫ぶようになったという。急激に砂糖断ちをすると、麻薬を断ったときに出る禁断症状のよ
うなものがあらわれることがある。U君のもそれだった。
夜中に母親から電話があったので、「そのまま砂糖断ちをつづけるように」と私は指示した。が、その
1週間後、私はU君の姿を見て驚いた。U君がまるで別人のように、ヌボーッとしたまま、まったく反
応がなくなってしまったのだ。
何かを問いかけても、口を半開きにしたまま、うつろな目つきで私をぼんやりと私を見つめるだけ。母
親もそれに気づいてこう言った。「やはり砂糖を与えたほうがいいのでしょうか」と。
●砂糖は白い麻薬
これから先は長い話になるので省略するが、要するに子どもに与える食品は、砂糖のないものを選ぶ。
今ではあらゆる食品に砂糖は含まれているので、砂糖を意識しなくても、子どもの必要量は確保できる。
ちなみに幼児の一日の必要摂取量は、約10~15グラム。この量はイチゴジャム大さじ一杯分程度。
もしあなたの子どもが、興奮性が強く、突発的に暴れたり、凶暴になったり、あるいはキーキーと声を
はりあげて手がつけられないという状態を繰り返すようなら、一度、カルシウム、マグネシウムの多い
食生活に心がけながら、砂糖断ちをしてみるとよい。効果がなくてもダメもと。砂糖は白い麻薬と考え
る学者もいる。子どもによっては一週間程度でみちがえるほど静かに落ち着く。
●リン酸食品
なお、この砂糖断ちと合わせて注意しなければならないのが、リン酸である。リン酸食品を与えると、
せっかく摂取したカルシウム分を、リン酸カルシウムとして体外へ排出してしまう。
とは言っても、今ではリン酸(塩)はあらゆる食品に含まれている。たとえば、ハム、ソーセージ(弾
力性を出し、歯ごたえをよくするため)、アイスクリーム(ねっとりとした粘り気を出し、溶けても流
れず、味にまる味をつけるため)、インスタントラーメン(やわらかくした上、グニャグニャせず、歯
ごたえをよくするため)、プリン(味にまる味をつけ、色を保つため)、コーラ飲料(風味をおだやかに
し、特有の味を出すため)、粉末飲料(お湯や水で溶いたりこねたりするとき、水によく溶けるように
するため)など(以上、川島四郎氏)。かなり本腰を入れて対処しないと、リン酸食品を遠ざけること
はできない。
●こわいジャンクフード
ついでながら、W・ダフティという学者はこう言っている。「自然が必要にして十分な食物を生み出し
ているのだから、われわれの食物をすべて人工的に調合しようなどということは、不必要なことである」
と。
つまりフード・ビジネスが、精製された砂糖や炭水化物にさまざまな添加物を加えた食品(ジャンク・
フード)をつくりあげ、それが人間を台なしにしているというのだ。「(ジャンクフードは)疲労、神経
のイライラ、抑うつ、不安、甘いものへの依存性、アルコール処理不能、アレルギーなどの原因になっ
ている」とも。
●U君の後日談
砂糖漬けの生活から抜けでたとき、そのままふつう児にもどる子どもと、U君のように愚鈍性が残る
子どもがいる。それまでの生活にもよるが、当然のことながら砂糖の量が多く、その期間が長ければ長
いほど、後遺症が残る。
U君のケースでは、それから小学校へ入学するまで、愚鈍性は残ったままだった。白砂糖はカルシウム
不足を引き起こし、その結果、「脳の発育が不良になる。先天性の脳水腫をおこす。脳神経細胞の興奮
性を亢進する。痴呆、低脳をおこしやすい。精神疲労しやすく、回復がおそい。神経衰弱、精神病にか
かりやすい。一般に内分泌腺の発育は不良、機能が低下する」(片瀬淡氏「カルシウムの医学」)という
説もある。
子どもの食生活を安易に考えてはいけない。
+++++++++++++
30年前の当時、『白砂糖は麻薬』と、私は書いた。U君の禁断症状(ほんとうは、麻薬による禁断
症状というのは、知らなかったが)、その禁断症状を目(ま)の当たりに見せつけられて、私は、そう
書いた。
U君は、幼稚園から帰るとすぐ、冷蔵庫を足で蹴りながら、「ビスケット!」「ビスケット!」と叫ん
だという。そのあまりの異常な様子に母親があわてて、私に相談してきた。
が、当時、『白砂糖が麻薬』と考える人は、だれもいなかった。私の意見は無視された。おかしなこ
とに、当時は、「砂糖は、滋養要素」と考えられ、「甘いものを断つと、かえって子どもの情緒は不安定
になる」と主張する学者さえいた。
私はN・D・ボルコフ(女性研究者)の論文を読んだとき、「やはりそうだった」と、確信を得た。
まだラットでの実験段階だから、先にも書いたように、人間にそのまま当てはめて考えることはできな
い。先に、「あと、一歩!」と書いた私の気持ちを理解してもらえれば、うれしい。
●お母さんたちへ
ショッピングセンターなどの飲食コーナーなどへ行くと、よく、子どもの頭よりも大きなソフトクリ
ームや、ジュースを、食べたり、飲んでいる子どもを見かけますね。
それがいかに危険なものであるかを知るためには、あなた自身が、一度、自分の頭より大きなソフト
クリームや、ジュースを、食べたり、飲んでみることです。
量は、体重で計算します。体重、15キロの子どもが、ソフトクリーム1個を食べるということは、
体重60キロのおとなが、4個食べる量に等しいということです。
いくらおとなでも、4個は食べられませんね。食べたら、気分(=頭)がおかしくなります。それだ
けではありません。一時的な血糖値の急上昇が、その直後に、低血糖を引き起こすことも、よく知られ
ています。「甘いものを食べて、どうして低血糖?」と思われる人もいるかもしれません。理由は簡単
です。血中に大量のインシュリンだけが残り、必要以上に血糖値をさげてしまうからです。
突発的に衝動的な行動に移る子どもは、この低血糖を疑ってみます。わかりやすく言えば、突発的に、
キーッとか、キャッキャッと、甲高い声を張り上げて、(たいていは耳をつんざくような金きり声で)、
騒ぐようでしたら、まずこの低血糖を疑ってみます。
『砂糖は、白い麻薬』です。もしどうしても、甘い食品……ということでしたら、精製していない、
黒砂糖をお勧めします。黒砂糖には、CA、MG、Kなどの天然のミネラル分がバランスよく含まれて
いますから、ここでいうような(突発的な行動)は起こりません。
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 ボルコフ
過食症ラット 禁断症状)
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●インシュリンの分泌について
ついおととい、こんな論文がネット上に、ニュースとして流れました。
「ペットボトル症候群」というのが、それです。
「ペットボトル症候群」という言葉は、もう10年以上も前からあります。
毎年、夏になると、話題になります。
ウィキペディア百科事典には、つぎのようにあります。
『ペットボトル症候群(ペットボトルしょうこうぐん、PET bottle syndrome)とはスポーツドリンク、
清涼飲料水などを大量に飲み続けることによっておこる急性の糖尿病である。
糖尿病性ケトアシドーシスの症状となった若い人達の多くがペットボトルで清涼飲料水を飲んでいた
ことから「ペットボトル症候群(清涼飲料水ケトアシドーシス)」と名付けられた。1992年5月に、
聖マリアンナ医科大学の研究グループが報告した』(ウィキペディア百科事典)と。
このばあいは、一度に多量の糖分を摂取することにより、インシュリンの分泌が停止してしまうとい
うことになります。
その結果、急性の糖尿病が起るというわけです。
ひどいばあいは、そのまま昏睡状態に陥ってしまうこともあるといいます。
(こわいですね!)
どうであるにせよ、糖分の過剰摂取は、子どもの脳の発育には、よい影響を与えないということにな
ります。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●キレる子ども(感情、行動に抑制のきかない子ども)
キレる子ども(突発的に錯乱状態になって、暴れる、興奮する)についても、ひとつの原因として、
白砂糖の過剰摂取が疑われています。
一部、原稿がダブるかもしれないが、それについて書いた原稿をさがしてみます。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
【栄養学の分野からの考察】
●過剰行動性のある子ども
もう二〇年以上も前だが、アメリカで「過剰行動性のある子ども」(ヒュー・パワーズ・小児栄養学)
が、話題になったことがある。ささいなことがきっかけで、突発的に過剰な行動に出るタイプの子ども
である。
日本では、このタイプの子どもはほとんど話題にならなかったが、中学生によるナイフの殺傷事件が続
いたとき、その原因の一つとして、マスコミでこの過剰行動性が取りあげられたことがある(九八年)。
日本でも岩手大学の大沢博名誉教授や大分大学の飯野節夫教授らが、この分野の研究者として知られて
いる。
●砂糖づけのH君(年中児)
私の印象に残っている男児にH君(年中児)という子どもがいた。最初、Hさん(母親)は私にこう
相談してきた。「(息子の)部屋の中がクモの巣のようです。どうしたらいいでしょうか」と。
話を聞くと、息子のH君の部屋がごちゃごちゃというより、足の踏み場もないほど散乱していて、その
様子がふつうではないというのだ。が、それだけならまだしも、それを母親が注意すると、H君は突発
的に暴れたり、泣き叫んだりするという。始終、こきざみに動き回るという多動性も気になると母親は
言った。私の教室でも突発的に、耳をつんざくような金切り声をあげ、興奮状態になることも珍しくな
かった。そして一度そういう状態になると、手がつけられなくなった。私はその異常な興奮性から、H
君は過剰行動児と判断した。
ただ申し添えるなら、教育の現場では、それが学校であろうが塾であろうが、子どもを診断したり、診断名をくだすことはありえない。第一に診断基準が確立していないし、治療や治療方法を用意しない
まま診断したり、診断名をくだしたりすることは許されない。仮にその子どもが過剰行動児をわかった
ところで、それは教える側の内心の問題であり、親から質問されてもそれを口にすることは許されない。
診断については、診断基準や治療方法、あるいは指導施設が確立しているケース(たとえば自閉症児や
かん黙児)では、専門のドクターを紹介することはあっても、その段階で止める。この過剰行動児につ
いてもそうで、内心では過剰行動児を疑っても、親に向かって、「あなたの子どもは過剰行動児です」
と告げることは、実際にはありえない。教師としてすべきことは、知っていても知らぬフリをしながら、
その次の段階の「指導」を開始することである。
●原因は食生活?
ヒュー・パワーズは、「脳内の血糖値の変動がはげしいと、神経機能が乱れ、情緒不安になり、ホルモ
ン機能にも影響し、ひいては子どもの健康、学習、行動に障害があらわれる」という。メカニズムは、
こうだ。ゆっくりと血糖値があがる場合には、それに応じてインスリンが徐々に分泌される。しかし一
時的に多量の砂糖(特に精製された白砂糖)をとると、多量の、つまり必要とされる量以上の量のイン
スリンが分泌され、結果として、子どもを低血糖児の状態にしてしまうという(大沢)。
そして(1)イライラする。機嫌がいいかと思うと、突然怒りだす、(2)無気力、(3)疲れやすい、
(4)(体が)震える、(5)頭痛など低血糖児特有の症状が出てくるという(朝日新聞九八年2・12)。
これらの症状は、たとえば小児糖尿病で砂糖断ちをしている子どもにも共通してみられる症状でもある。
私も一度、ある子ども(小児糖尿病患者)を病院に見舞ったとき、看護婦からそういう報告を受けたこ
とがある。
こうした突発的な行動については、次のように説明されている。つまり脳からは常に相反する二つの
命令が出ている。行動命令と抑制命令である。たとえば手でものをつかむとき、「つかめ」という行動
命令と、「つかむな」という抑制命令が同時に出る。
この二つの命令がバランスよく調和して、人間はスムーズな動きをすることができる。しかし低血糖に
なると、このうちの抑制命令のほうが阻害され、動きがカミソリでスパスパとものを切るような動きに
なる。先のH君の場合は、こまかい作業をさせると、震えるというよりは、手が勝手に小刻みに動いて
しまい、それができなかった。また抑制命令が阻害されると、感情のコントロールもできなくなり、一
度激怒すると、際限なく怒りが増幅される。そして結果として、それがキレる状態になる。
●恐ろしいカルシウム不足
砂糖のとり過ぎは、子どもの心と体に深刻な影響を与えるが、それだけではない。砂糖をとり過ぎる
と、カルシウム不足を引き起こす。
糖分の摂取が、体内のカルシウムを奪い、虫歯の原因になることはよく知られている。体内のブドウ糖
は炭酸ガスと水に分解され、その炭酸ガスが、血液に酸性にする。その酸性化した血液を中和しようと、
骨の中のカルシウムが、溶け出るためと考えるとわかりやすい。
体内のカルシウムの98%は、骨に蓄積されている。そのカルシウムが不足すると、「(1)脳の発育が
不良になったり、(2)脳神経細胞の興奮性を亢進したり、(3)精神疲労をしやすくまた回復が遅くな
るなどの症状が現われる」(片瀬淡氏「カルシウムの医学」)という。わかりやすく言えば、カルシウム
が不足すると、知恵の発達が遅れ、興奮しやすく、また精神疲労を起こしやすいというのだ。甘い食品
を大量に摂取していると、このカルシウム不足を引き起こす。
++++++++++++++++++++++++++はやし浩司
●生化学者ミラー博士らの実験
精製されてない白砂糖を、日常的に多量に摂取すると、インスリンの分泌が、脳間伝達物質であるセ
ロトニンの分泌をうながし、それが子どもの異常行動を引き起こすという。アメリカの生化学者のミラ
ーは、次のように説召している。
「脳内のセロトニンという(脳間伝達)ニューロンから脳細胞に情報を伝達するという、神経中枢に
重要な役割をはたしているが、セロトニンが多すぎると、逆に毒性をもつ」(「マザーリング」八一年(7)
号)と。日本でも、自閉症や子どもの暴力、無気力などさまざまな子どもによる問題行動が、食物と関
係しているという研究がなされている。ちなみに、食品に含まれている白砂糖の量は、次のようになっ
ている。
製品名 一個分の量 糖分の量
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ヨーグルト 【森永乳業】 90ml 9・6g
伊達巻き 【紀文】 39g 11・8g
ミートボール 【石井食品】 1パック120g 9・0g
いちごジャム 【雪印食品】 大さじ30g 19・7g
オレンジエード【キリンビール】 250ml 9・2g
コカコーラ 250ml 24・1g
ショートケーキ 【市販】 一個100g 28・6g
アイス 【雪印乳業】 一個170ml 7・2g
オレンジムース 【カルピス】 38g 8・7g
プリン 【協同乳業】 一個100g 14・2g
グリコキャラメル【江崎グリコ】 4粒20g 8・1g
どら焼き 【市販】 一個70g 25g
クリームソーダ 【外食】 一杯 26g
ホットケーキ 【外食】 一個 27g
フルーツヨーグルト【協同乳業】 100g 10・9g
みかんの缶詰 【雪印食品】 118g 15・3g
お好み焼き 【永谷園食品】 一箱240g 15・0g
セルシーチョコ 【江崎グリコ】 3粒14g 5・5g
練りようかん 【市販】 一切れ56g 30・8g
チョコパフェ 【市販】 一杯 24・0g
●砂糖は白い麻薬
H君の母親はこう言った。「祖母(父親の実母)の趣味が、ジャムづくりで、毎週ビンに入ったジャ
ムを届けてくれます。うちでは、それを食べなければもったいないということで、パンや紅茶など、あ
らゆるものにつけて食べています」と。
私はH君の食生活が、かなりゆがんだものと知り、とりあえず「砂糖断ち」をするよう進言した。が、
異変はその直後から起きた。幼稚園から帰ったH君が、冷蔵庫を足げりにしながら、「ビスケットがほ
しい、ビスケットがほしい」と泣き叫んだというのだ。母親は「麻薬患者の禁断症状のようで、恐ろし
かった」と話してくれた。が、それから数日後。今度はH君が一転、無気力状態になってしまったとい
う。私がH君に会ったのは、ちょうど一週間後のことだったが、H君はまるで別人のようになっていた。
ボーッとして、反応がまるでなかった。母親はそういうH君を横目で見ながら、「もう一度、ジャムを
食べさせましょうか」と言ったが、私はそれに反対した。
●カルシウムは紳士をつくる
戦前までは、カルシウムは、精神安定剤として使われていた。こういう事実もあって、イギリスでは、
「カルシウムは紳士をつくる」と言われている。子どもの落ち着きなさをどこかで感じたら、砂糖断ち
をする一方、カルシウムやマグネシウムなど、ミネラル分の多い食生活にこころがける。私の経験では、
幼児の場合、それだけで、しかも一週間という短期間で、ほとんどの子どもが見違えるほど落ち着くの
がわかっている。
川島四郎氏(桜美林大学元教授)も、「ヒステリーやノイローゼ患者の場合、カルシウムを投与するだ
けでなおる」(「マザーリング」八一年(7)号)と述べている。効果がなくても、ダメもと。そうでな
くても、缶ジュース一本を子どもに買い与えて、「うちの子は小食で困ります」は、ない。体重15キ
ロ前後の子どもに、缶ジュースを一本与えるということは、体重60キロの人が、4本飲む量に等しい。
おとなでも缶ジュースを四本は飲めないし、飲めば飲んだで、腹の中がガボガボになってしまう。
なお問題となるのは、精製された白砂糖をいう。どうしても甘味料ということであれば、精製されて
いない黒砂糖をすすめる。黒砂糖には、天然のミネラル分がほどよく配合されていて、ここでいう弊害
はない。
(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 過剰行動児
セロトニン悪玉説 キレる子供の原因 キレる子どもの原因 切れる子供 原因 キレる子ども 原
因 原因物質)
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●N先生へ
その子どもには、砂糖断ちを勧めてみたらよいでしょう。
しかしこれは食生活の問題というよりは、母親の買い物癖の問題です。
一時的に母親が気をつけても、また数か月もすると、元に戻ってしまいます。
母親の買い物癖が、また始まるからです。
ショッピングに行っても、甘い食品を選んで買う、など。
ですから母親自身が、かなり心を鬼にして、つまり覚悟をして治そうという意識がないかぎり、子ど
もの過剰行動性は、治らないということです。
そこで私は、「冷蔵庫をカラにせよ」という提言をしています。
それについて書いた原稿もあるはずです。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司
●買い物グセ
夏場になると、がぜん多くなるのが、体をクネクネ、ダラダラさせる子ども。原因は、いろいろある。
クーラーなどによる、冷房のかけすぎ。睡眠不足。それに、甘いものの食べすぎ。
この時期、どうしても、アイスやかき氷が多くなる。ジュースや、清涼飲料水などなど。糖分のとり
すぎが遠因となって、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどの不足を引き起こす。
だいたいにおいて、世の母親たちよ、ものごとは、常識で考えてみようではないか。
体重12キロの子どもに、缶ジュース一本を与えるということは、体重60キロのおとなが、5本飲
む量に等しい。それだけ多量のジュースを一方で、与えておきながら、「どうしてうちの子は、小食な
のでしょうか」は、ない!
……というような話をすると、ほとんどの親は、自分の愚行(失礼!)に気づく。そして、こう言う。
「では、今日から、改めます」と。
しかし、問題は、この先。
しばらくの間は、母親も注意する。しかし数週間から1か月、2か月もすると、また、もとにもどっ
てしまう。もとの食生活にもどって、また子どもに、甘い食べ物を与えてしまう。
思考回路がそうできているからである。つまり、この思考回路、それにもとづく行動パターンを変え
るのは、容易なことではない。
買いものに行くと、また同じ、ジュースだのアイスを買い始めてしまう……。
では、どうするか。
こうした思考回路を変えるためには、ショックを与えなければならない。「ショック」である。
話は、かなり脱線するが、昔は、チンドン屋というのがいた。新しい店ができると、そこの経営者が
チンドン屋を雇い、そのチンドン屋が、そのあたりをぐるぐると回った。
私たち子どもは、それがおもしろくて、いつまでも、そのチンドン屋について歩いた。
つまりそうすることで、もちろんその店の宣伝にもなるが、そのあたりに住む人たちの、行動パター
ンを変えることができる。たとえば人というのは、一度、ある店に行き始めると、その行動パターンを
変えるのは、容易なことではない。
「お酒……」といえば、「A酒屋」と。
「お米……」といえば、「B米屋」と。
そこで新しくできた店は、そのあたりの人たちがもつ、そういう意識、つまり行動パターンを変えな
ければならない。それがチンドン屋というわけである。
たしかにあのチンドン屋は、ショックを与えるという意味では、効果がある。派手な服装に、派手な
鳴り物。それに踊り。チンチン、ドンドンと音に合わせて、踊りながら回る。そのあたりの人たちは、
それを見て、自分の行動パターンを変える……。
では、どうするか?
あなたには、あなたの買い物グセがある。その買い物グセをなおすには、どうするか。
もうおわかりかと思うが、その行動パターンを変えるためには、自らにショックを与えればよいとい
うことになる。ショックを与えて、自分の行動パターンを変える。
【一つの方法】
今すぐ、冷蔵庫の中にある、甘い食品(アイス、ジュース、プリンなど)を、すべて袋につめて、捨
てる。「もったいない」と思ったら、なおさら、心を鬼にして、捨てる。
この「もったいない」という思いが、ショックとなって、あなたの意識、行動パターンが変わる。
こういうとき、「つぎから、買うのをひかえればいい」とか、「もったいないから、食べてしまおう」
と考えてはいけない。そういうケチな根性をもつと、またすぐ、もとの買い物グセにもどってしまう。
●マターナル・デブリベーション
ついでに母子関係の不全についての原稿をさがしてみます。
どうか参考になさってください。
Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司