最前線の子育て論byはやし浩司(2)

子育て最前線で活躍する、お父さん、お母さんのためのBLOG

1/2 伊良湖ビューホテルにて

2011-02-06 10:49:46 | 日記





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 子育て最前線の育児論byはやし浩司      2月   18日号
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【1】(子育てのこと)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●離婚が悲劇になるとき(10%のニヒリズム)

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離婚というと、夫婦だけの問題と
考える人は多い。
しかしけっして、夫婦だけの問題ではない。
その夫婦を包む、家族の問題でもある。

こんな話を聞いた。

その老夫婦(ともに65歳)には、2人の
息子がいる。
その2人の息子が、相次いでこの数年間の
うちに離婚してしまった。

それぞれに3人ずつの子ども(孫)がいた。
つまり息子たちの離婚によって、その夫婦は
一度に6人の孫を失ったことになる。

こういうケースのばあい、いくら離婚しても、
元夫には、面会権のようなものが残る。
家事調停の場で、そのような取り決めもできる。
「養育費を支払うかわりに、月に1度は元夫と面会
させる」と。
が、家事調停らしい調停もしないまま、
つまり妻の方が、一方的に家を出てしまった。
また2人の息子にしても、この不況下。
養育費を支払う能力はなかった。

こうなると、本当に「失った」という状態になる。
それまでは毎年のように行き来していた家族だったが、
離婚と同時に、縁は切れた。
たがいに相手を罵倒しあうような状態になってしまった。

……この話を聞いたとき、私は、「孫も考えもの」と
思うようになった。
というのも、私にも3人の息子がいる。
うち2人は結婚している。
で、もし離婚ということになれば、孫たちは
元妻側に引き取られることになる。
そうなったとき、ショックは、大きい。

事実、ここに書いた老夫婦は、それ以後、一度に
10年は老(ふ)けてしまったという。
息子たちとの関係も切れてしまったという。

一度は、家族全体(老夫婦+息子たち+孫)の写真を、
誇らしげに年賀状に載せたこともある。
が、それも一時の夢で終わってしまった。
これを悲劇と言わずして、何と言う?

++++++++++++++++++

●10%のニヒリズム

 こういう話を聞くたびに、「10%のニヒリズム」という言葉を思い出す。
どこかの塾の教師が教えてくれた。
つまりいくら全力投球しても、最後の10%だけは、自分のためにとっておけ、と。
100%投球してしまうと、万が一のとき、そのあとがない。

 夫婦はともかくも、親子、親戚、近所づきあいなどなど。
とくに教育の世界では、そうかもしれない。
傷つくのは、いつも一方的に、こちら側だけということになる。
事実、私のばあいも、その子どもに全力投球しながらも、別の心で、つまり10%の
部分で、「この子も、いつか去っていく」と考える。
心の準備を怠らない。
またそれがあるからこそ、「さようなら」「元気でね」と、さわやかに別れることができる。

 一見、ニヒリズムに見えるかもしれない。
しかしこれはこの複雑な社会を楽しく生き延びるためのコツということになる。


Hiroshi Hayashi+++++++JAN. 2011++++++はやし浩司・林浩司

【2】(特集)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

Hiroshi Hayashi+++++++JAN. 2011++++++はやし浩司・林浩司
 
●2011年1月5日(はやし浩司 2011-01-05)

●伊良湖ビューホテルへ

 浜松周辺で、景観第一のホテル言えば、伊良湖ビューホテル。
渥美半島(愛知県)の先端にある。
このホテルに泊まるようになって、もう4、5回目になる。
電車で豊橋まで。
豊橋から迎えのバスで、1時間10分。

 あいにくの曇り空。
どんよりとした灰色の雲が、下のほうまで降りている。
寒いというよりは、冷たい。
冬の冷気が体の芯までしみる。
バスが出る時刻まで、40分ほどあった。
駅構内のパン屋で
コーヒーを飲んで時間をつぶす。

●夢の中の家

 豊橋へ着く直前、私は一軒の家を見て、驚いた。
夢の中にときどき出てくる家、そのものだった。
小高い丘の上にあって、左右対称の形をした家だった。
赤い屋根に白い壁。
玄関は中央にあって、モダンな感じの家だった。

 「おい、夢の中に出てくる家があった!」と声をかけると、ワイフはこう言った。
「その反対じゃ、ないの?」と。

 実は、その通り。
私はこの当たりは何十回となく、電車で往復している。
そのときその家が、何らかの形で、記憶に残った。
記憶したという意識もないまま、記憶に残った。
どう記憶に残ったかも、わからないまま記憶に残った。
しかし残った。
それがときどき、私の夢の中に出てくる。

 つまり夢の中に出てくる家と同じ家を見たのではなく、脳のどこかに記憶された家を、
私は夢の中で見ていた。

●脳内ストレス

 ストレスが慢性化したり、許容限度を超えると、脳内でサイトカインが分泌
される。
脳内ストレスを引き起こす。
症状は、今の「私」。

 食欲が減退し、体が冷える。
性欲も減退するというが、これはもとから減退している。
やる気を失い、何を考えても、憂うつになる。

 「うつ」というのは、「こだわり」をいう。
何かのことでそれにこだわると、そればかりを考える。
取り越し苦労が多くなる。
被害妄想も強くなる。

 ……それではいけないということで、暮れの30日から、こうして
遊び回っている。
自宅で寝たのは、1日だけ。

 言い忘れたが、脳内ストレスを軽く考えてはいけない。
心臓疾患(心筋梗塞)や脳疾患(脳梗塞)の原因となる。
私も一時、心臓の変調を感ずるようになった。
それだけではない。
免疫機能が低下するため、がんを引き起こすこともあるという。

●ワイフ

 そういう私を心配して、……というか、それにかこつけて、ワイフは
私をあちこちへ連れ出す。
昨日は、法多山(はったさん)へ、初詣に行ってきた。
浜松から車で1時間半ほどのところにある。
1月4日に初詣?
去年は、12月末に初詣の先取りをした。
人の混雑は、あまり好きではない。

 ふだんはもの静かな女性だが、ワイフは若いころから行動派。
「趣味は旅行」などと、平気で人に言う。
(旅行というのは、お金がかかるんだぞ!)

私も若いころは、ワイフに負けないほどの行動派だった。
しかしこのところ、「出かけたい」という気力そのものが、弱ってきた。
もしワイフの誘いや励ましがなかったら、今ごろは家の中でゴロゴロしていたはず。

●豊橋

 よその町に来てみると、それがよくわかる。
官民格差というか、「公・官」と結びついた業種は、立派。
結びついていない業種は、みすぼらしい。

 たとえば病院や医院など。
豪華な建物。
つぎに建設業や銀行など。
鉄筋のビル。。
昔は、米屋や酒屋が保護を受けたが、今は自由化された。
タバコ屋もそうだ。
とたん、みな、店を閉めた。

あわれなのは、一般商店。
何の保護もなく、みすぼらしい姿を、さらけ出している。
少し郊外へ行くと、正月の5日というのに、シャッターを下ろしたまま。
そんな商店が、ズラズラと並ぶ。

 ある程度の「格差」なら、まだがまんできる。
しかしここまで格差が広がってしまうと、そうはいかない。
心の下から怒りがわいてくる。
「公・官」が潤い、「民」は、重税であえぐ。
「公・官」は我が世の春を謳歌し、「民」は明日の仕事を心配する。

●被害妄想

 先ほど「被害妄想」という言葉を使った。
不安神経症ともいう。
最近ではパニック障害という。
心配ごとだけが、どんどんと勝手に膨(ふく)らんでいく。
動悸と胸騒ぎ。
体全体がフワフワと宙に浮いたようになる。
その恐怖感は、経験したものでないとわからない。

 が、おかしなもので、そういう状態になると、そういう状態のほうが、
ふつうとなる。
自分がおかしいと思う前に、みながおかしく見える。
が、やがて心が落ち着いてくる。
静かになる。
今度は逆に、「どうしてあんなことを心配したのだろう」となる。

●ハエ

 窓の外に、一匹のハエがいる。
大きな黒いハエで、それが上下、左右に動き回り、もがいている。
何とかして部屋の中に入ろうとしている。
私にはそう見える。

 この寒さ。
明日の朝には、死ぬだろう。
ハエにしてみれば、命がけの闘いということになる。

 ところでこの伊良湖ビューホテルは、東向きの部屋と西向きの部屋に
大きく分かれている。
今日は東向き。
明日は日の出が、部屋から見えるはず。
楽しみ。
で、その東向きの部屋。
眼下に渥美半島が豊橋のほうまでつづいているのがわかる。
通りの明かりが筋となって、遠くまで連なっている。

 ハエと明かり。
おかしな取り合わせだが、私はその2つを見ながら、この原稿を書いている。

●脱水症状

 食事は7時15分から。
たった今、大浴場から戻ったところ。
体中がすっきりした。
ついでに頭の中も。

 ワイフは目の前で、ガラスに顔をつけて外をながめている。
長男は、何かの本を読んでいる。
「何時?」と聞くと、「(6時)半」と、ワイフは言った。

 今日は一日中、ほとんど水を飲まなかった。
そのせいか、現在は、脱水状態。
自分でも、それがよくわかる。
その話をすると、ワイフがコップに水を入れて、もってきてくれた。

●食事から帰る

 食事のとき、ワイフとこんな話をする。
「ぼくたちは、よく今まで(=この年齢まで)、無事で生きてこられたね」と。
ワイフはそれに軽く同意してくれた。

 食欲が満たされると、人間は幸福感を覚えるという。
脳下垂体の一部にそういう機能がある。
反対に空腹になり、血糖値がさがると、イライラしてくる。
神経が過敏になる。

 今が、そういう状態。
つまり満腹感+満足感。

料理はバイキング方式。
このホテルのバイキング料理は、種類が豊富で、質もよい。
ジュース類の飲み物だけは、有料。
残念と言えば、残念。

 が、これはホテル側の判断ミス。
私が支配人なら、ジュース類を無料にする。
甘味料の入ったジュースは、それだけで血糖値をあげる。
食欲を減退させる。
つまりその分だけ、客の食べる料理の量が減る。

 フルーツ類は食べ放題なのだから、どう考えても矛盾している。
ジュースを飲む代わりに、フルーツをかじればよい。

ワ「本当ね。それだけでも感謝しなくちゃあ」
私「だろ。息子たちもみな、それなりに育ったしね」と。

(注:朝食もバイキング方式だったが、朝食の方では、ジュース類は飲み放題
だった。)

●「給料よりも、心の豊かさ」(C新聞・1面コラム)

 昨日、C新聞のコラム(1面)に、こんなエッセーが載っていた。
題して「給料よりも、心の豊かさ」と。
内容は、読まずとも、私にはすぐわかった。
言いたいことも、私にはすぐわかった。
が、読んでみた。

 ……あるサラリーマンが会社をやめ、どこかの島に移住した。
そこで鍼灸師の資格を取り、今はその島で生活している。
収入は何分の1かに減ったが、心豊かな生活を楽しむことができるようになった、と。

 ありきたりの幸福論である。
貧しさや苦労を知らない世代の、たわごとである。
こんなふうに考える人が多くなったら、それこそこの日本は沈没してしまう。
すでに日本は、1人当たりの国民所得で、シンガポールに抜かれている。
2025年までには、韓国にも抜かれると予想されている。
GDPでは、すでに中国に抜かれてしまった。

 タイトルが、『モノよりも、心の豊かさ』というのなら、まだ私も納得する。
しかし今の若い世代は、あの「貧しさ」を知らない。
知らないから、今のままの繁栄が、この先もずっとつづくと錯覚している。
だから平気で、こう言う。

 『給料よりも、心の豊かさ』と。
その記事をまとめたのは、たぶん若い編集者なのだろう。
生活の苦しさを知らないロマンチスト?
あるいは女性?
中高年の編集者なら、こういう記事は書かない。

 たしかにお金では、幸福は買えない。
心の豊かさも買えない。
しかしお金がなくなったら、まちがいなく不幸になる。
心も貧しくなる。
「現実」のもつきびしさが、まるでわかっていない。

●苦労

 私の息子たちにしても、こう言う。
『パパは、仕事ばかりしていて、家族をかまってくれなかった。
家族はバラバラだった』と。

 それはその通りだったかもしれない。
いや、たしかにそうだった。
認める。
しかし私はこう言いたい。
「もっと不幸な家庭を、たくさんのぞいて来い!」と。

 私が子どものころ住んでいた隣の人は、OTさんと言った。
今でも、よく覚えている。
OTさんの家業は、キャラメルを紙を包む仕事。
仕事といっても、内職仕事。
その仕事を朝から夜中までしていた。
2人の子どもがいた。
1人は、私より1級、年上。
その同級生が、家事全体を担当していた。

 そういう苦労を、今の若い人たちは知らない。
知らないから、平気で言う。
「仕事よりも家庭が大切」と。

 が、今のままでは、やがて日本も、あの時代に逆戻り。
すでにそのようになりつつある。
国際経済を戦争にたとえるなら、戦争というのは先手、先手で攻めてこそ、勝てる。
守勢に回ったとたん、負ける。
世界中が血眼(ちまなこ)になって戦争をしているのに、『給料より……』とは!

●日本は貧しい

 またまた愚痴になってしまった。
が、これだけは言える。
苦労を知らないから、感謝の念も生まれない。
今のこの日本の繁栄にしても、自分たちが作り上げたものと錯覚している。

 いつだったか、私が息子の1人に、「戦後の日本は貧しかった」と言ったときのこと。
息子はこう言い返した。
「パパ、そんなのは、自業自得だよ」と。

 しかし今でも日本は、貧しい。
土地も狭い。
農地もない。
資源もない。
あるのは、「日本人」というマンパワーだけ。
そのマンパワーが、パワーを失いつつある。

 公務員が就職人気業種の1位になり、外国へ出たいという若者が
どんどんと減っている。
恋愛ごっこだの、家族ごっこだの、そんな遊びに明け暮れている。
言うなれば、ままごと。
だから義兄は、こう言った。

 「もう一度、日本を貧乏のドン底に叩き落してやればいい。
そうすれば、今の若い人たちも、目が覚めるだろう」と。

 暴論に聞こえるかもしれない。
しかし私は少しも暴論とは思わない。
苦労をしていないから、富や幸福は、「もらうもの」と思っている。
この依存性をぶち壊すには、一度貧乏を、自ら経験させるしかない。

●無事

 が、私たちが「無事で生きてこられたね」というときの「無事」には、もっと
別の意味がある。
たとえばバブル経済のころ、私の教室の周辺だけでも、10教室ほど、幼児教室や
小学生対象の個人塾があった。
しかし今、残っているのは、私の教室だけ。

 また私は学G研という塾連盟のメンバーにもなっていた。
最盛期には、50~60人のメンバーがいた。
アカデミックな雰囲気をもった、すぐれた連盟だった。
が、現在、その中で、生き残っている教室(塾)は、ほとんどない。
私の教室を含めて、1~2教室程度ではないか。
この10年、音信が途絶えてしまったから、詳しくは知らない。

 そういう現実をふまえて、「無事」という言葉を使う。
もっともワイフが「無事」というときは、「健康」をさすことが多い。
「大きな病気をしなかったから、よかった」と、いつも言っている。
そのワイフにしても、0~2歳のころは、やせ細り、「2歳まで生きている
かどうかわからない」と言われていた。

●つぎの世代

 では、どうするか?
どう考えたらよいのか?

 ひとつには教育がある。
教育によって、日本の活力を生み出す。
が、私たちの世代が、つぎの世代に残せるものとしたら、それしかない。
それ以外の部分については、無力でしかない。
はっきり言えば、どうしようもない。

 つぎの世代の世界は、つぎの世代の人たちが作っていく。
「元気」といっても、私たちに残された元気は、もうどれほどもない。
現状を生きるだけで、精一杯。
どうであれ、私たちは、その世界を見ることはないだろう。

●中国人

 ワイフが2度目の入浴から戻ってきた。
濡れたタオルを、物干しに掛けている。
「隣の4部屋くらいは、中国人みたいよ」と。

 前回、秋に来たときも、中国人がたくさん来ていた。
たまたま尖閣諸島付近で、日本の海上保安庁の船と、中国の漁船が衝突したころだった。
中国政府は、日本への観光旅行を中止するなどと言っていた。
が、このホテルには影響はなかった(?)。
そのときも、結構、混雑していた。
ただ回を重ねるごとに、つまり毎年、見るたびに、中国人の態度が大きくなっていく
のには、驚く。
今の今も廊下で、甲高い声をあげて、騒いでいる。
傍若無人。

 このホテルにとっても、また日本全体にとっても、今は、中国サマサマ。
日本のバブル経済がはじけたとき、日本は経済破綻の崖っぷちに立たされた。
その日本経済をかろうじて支えてくれたのが、実は中国だった。
中国の高度成長の波に乗って、日本は何とかもちこたえた。
もし中国からの観光客が来なかったら、このホテルも、経営が成り立たない
だろう。

 ここはじっとがまんのとき。
そのうち静かになるだろう。

●時刻は10時

 時間のたつのは早い。
夕食をとり、2度目の風呂につかって戻ったら、もう10時!
1~2時間という時間が、あっという間に過ぎてしまった。
これはどうしたことか。

 眠りたいという思いと、もっと文を書いていたいという思いが、交互に
現れては消える。
どうしよう?
ワイフと長男は、ベッドの上で、本を読んでいる。

 そう言えば、この1~2日、PSP(ソニーのゲーム機)将棋では、負けてばかり。
集中力がつづかない。
これもサイトカイン(脳内ホルモン)によるものか。
このつづきは、明日の朝、また書く。
この部屋からは、もし天気がよければ、すばらしい朝日が拝めるはず。
では、おやすみ。
1月5日、午後10時。

●午前6時

 時刻は午前6時。
真っ暗闇の中で、パソコンを立ち上げる。
この文を書き始める。

 ……目が覚める前、こんな夢を見ていた。

 私はどこかの(自宅?)にいた。
裏のほうを見ると、雑草の生えた広場になっていて、子どもが何人か遊んでいた。
ワイフは家の中にいて、家事をしていた。
が、そこへ2人の子どもが、家の中に入ってきた。
あとを追いかけるようにして、ブラジル人の母親が入ってきた。
日本語が話せない。
が、どうやら「しばらく子どもを預かってくれ」と言っているようだ。
私とワイフは、2人の子どもを預かることにした。

 夢は、私が何かの遊具を取り出すところで終わった。
そこで目が覚めた。
(自宅?)と言っても、見覚えのない家だった。
古い農家のような家で、土間は、黄色の土がむき出しになっていた。
どうしてそんな夢を見たのだろう。

●1月6日

 今年の日本経済について、どこかの雑誌がその特集を組んでいた。
5~6人ほどの学者や研究者が、その予想を書いていた。
立ち読みだったので、記憶をたどってみる。

(1) 中国のバブル経済が崩壊する。
(2) 日本のインフレが進む(円安になり、1ドルが100円になる。)
(3) 株価があがり、景気がよくなる。
(4) 韓国が「失われた10年に突入する」などなど。

 こうした予想は、例年だと、それほどの幅もなく一致するもの。
が、今年の予想は、みな、バラバラ。
X氏は、景気はよくなると主張し、Y氏は、景気は悪くなるという。
Z氏は、第二、第三のリーマンショックが襲ってくるという。
つまりそれだけ今年の景気は予想がしにくいということらしい。
ひとつの問題として、日本の航空業界を考えてみる。

2/2

2011-02-06 10:49:10 | 日記

●J社問題(航空業界)

 J社がかかえる問題は、いくつかある。
ひとつは旧態依然の経営体質。
ひとつはLCC(激安運賃運行)時代への対応。
ひとつはオープンスカイ問題。

 この先、J社が生き残っていこうとすれば、現在のような鎖国状態を政府に維持して
もらう。
国内便専門会社として、国内便だけに徹する。

EUでは、すでにLCCは、日常化している。
わかりやすく言えば、街中の乗り合いバスのような存在になっている。
場合によっては、パリから地方空港まで、300円(日本円で300円だぞ!)で
乗れる時代になった。
客はネットを見ながら、最低料金になったところでチケットを買う。
それをプリントアウトして、空港へかけつける。
そのまま飛行機に乗る。

 そんな芸当が、日本の航空会社にできるだろうか?
とくにJ社にできるだろうか?
プライドばかりが、やたらと強い。
そのプライドをかなぐり捨てて、そこまでLCCに徹することができるだろうか?
できないとするなら、従来どおり、鎖国主義を貫くしかない。
日本の空を細々と飛ぶしかない。
が、それで安泰かというと、そうでもない。

 近く、東京―大阪間が、リニアモーター列車で結ばれる。
新幹線網がさらに充実する。

さらに世界中のLCCが、日本へ参入しつつある。
すでにたとえば札幌から福岡へ行くとき、札幌から仁川(韓国)まで
大韓航空を使い、同じ大韓航空を使って仁川から福岡まで行く。
そんな人がふえている。
そのほうが料金にしても、はるかに安い。

 当の昔に、日本の航空会社は、国際競争力を失っている。
J社はさかんに「黒字になった」とはしゃいでいるが、中身は赤字路線を廃止しただけ。
余剰人員をクビにしただけ。
体質は何も変わっていない。
問題は何も解決していない。

 J社がかかえる問題は、日本経済全体がかかえる問題と考えてよい。
つまりJ社は、日本経済の縮図。

製造会社は海外で活路を見出しているが、航空会社にはそれができない。
できるとすれば、逆に人件費の安いパイロットや客室乗務員を、外国から雇うという
方法がある。
整備は外国の整備会社に任す。
つまり日本の航空会社を、外国の航空会社と同じレベルに置く。
そこからスタートする。
何なら、J社の本店を、タイのバンコクに置けばよい。 

いっそのこと、日本、台湾、韓国、マレーシア、シンガポール、フィリッピンで
共同して、1つの航空会社を作ったらどうか。
そのほうがわかりやすい。

かなり乱暴なJ社再建論だが、大筋ではそれほどまちがっていないと思う。

 ……それにしても、1企業を救済するために、国税を1兆円も使う必要は
本当にあったのだろうか。
国民1人当たり、約1万円。
浜松市の人口は80万人だから、浜松市だけで、80億円。
カルフォルニア州より小さな国に、航空会社が2社。
子会社も含めると、10社以上。

●ロビーで

 先ほどワイフがホテルのアンケート用紙に、意見を書いた。
それには「大満足」とあった。
よかった。

 私はロビーにあった椅子を窓側に向けた。
そこに座り、今、この文を書いている。
眼下には、渥美半島の先が見える。
小さな小山があり、灯台はその小山に隠れて見えない。
先ほど自動車運搬船が、左方面からやってきて、右方面へと消えていった。
空は相変わらず曇り。
鉛色の黒い影を伴った雲が、すぐ上に見える。

 風は強い。
朝、露天風呂に入ったが、風で湯しぶきがあがり、私の顔面を叩きつけた。
波も荒いはずだが、ここから見るかぎり、のどかな冬の海。
幾重にも皺(しわ)になった海面が、ゆっくりと岸へ打ち寄せている。

 「いい正月だったね」と言うと、ワイフは満足そうに笑った。
やりたいことは、すべてした。
そんな満足感が私の心を満たした。

 で、今度の正月を総括すると、こうなる。

「子離れと、居直りの正月」。
やっと子離れができた。
子離れを完成させた。
「これからは私の人生」と。

「居直り」というのは、「私の人生は、こんなもの」と、自分に納得できた。
たいしたことはできなかった。
これからもできないだろう。
あるがままの自分を認め、そのまま残りの人生を生きていく。
つまり、これからは、もうだれにも邪魔されず、自分の人生を生きていく。

 ……2年前、実兄と実母を亡くした
昨年、実家を処分した。
姉との5年闘争にも、ケリをつけた。
そして今年、2011年の1月。
息子たちとも、ケリをつけた。
私は生まれて始めて、「自由」を勝ち取った。
今の私を束縛するものは、何もない。
「私は自由だ!」と。

 もっともワイフに言わせると、「何よ、今ごろ」となる。
「あなたはね、若いころは、どうしようもないマザコンだったのよ。
60歳を過ぎて、やっと子離れできたのよ」と。
先ほども、ここまで書いたことを読み聞かせてやったら、そう言った。

私「でもね、つい昨年まで、ぼくはこう考えていたよ。
もし息子たちの身に何かあれば、家や土地を売ってでも助けてやろうと」
ワ「今どき、そんな親はいないわよ。息子たちだって、そんなこと望んでいないわよ」
私「そうだね。でもね、ぼくはお前と結婚する前から、収入の半分を、
実家へ送っていたよ。息子たちには、そんな気持ちはみじんもないよ」
ワ「今どき、そんな若い人はいないわよ。時代が変わったのよ」
私「そうだね」と。

●常識と意識

 一度心の中にできた常識を変えるのは、容易なことではない。
意識を変えるのは、さらに難しい。
が、私には私の常識があった。
その常識に従って、自分の意識を作りあげた。
私なりの家族像、親像、親子像、家庭像を作りあげた。

 が、時代は変わった。
たしかに変わった。
その変化を知りつつ、その変化に順応できなかった。
できないから、がんこ親父となり、それをワイフや息子たちに押しつけた。
が、そこで猛烈な反発を食らった。
考えてみれば、それだけのこと。

 本当によい正月だった。
2011年1月6日。
伊良湖ビューホテル・ロビーにて。
近く、改装工事に入るという。
それが終わったら、また泊まる予定。
最後に繰り返しになるが、伊良湖ビューホテルほどの景観を備えたホテルは、
そうはない。

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 
BW はやし浩司 2011年正月 伊良湖ビューホテル はやし浩司 2011-01
06)


Hiroshi Hayashi+++++++Jan. 2011++++++はやし浩司・林浩司


【3】(近ごろ、あれこれ)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

●2つのニュース(はやし浩司 2011-01-05)

++++++++++++++++++++

「?」と思った、2つのニュース。
ひとつは、アメリカのアーカンソー州で起きた、鳥の大量死事件。
もうひとつは、北朝鮮の金xxに関するニュース。

並べて考えてみる。

++++++++++++++++++++

●花火で、鳥が大量死?(Yahooニュースより)

【ニューヨーク山科武司】

 米アーカンソー州で野鳥が大量に死ぬ“事件”が発生した。原因は不明だが、「新年を祝
う花火の音が鳥のストレスを高めた」との見方が出ている。

 CNNなどによると、アーカンソー州中部の人口5000人の町ビーブで、先月31日
の夜から今月1日未明にかけ、ハゴロモカラスやムクドリが約5000羽、1.6キロ四
方の範囲で死んだ。落下してくる鳥のため車の運転は困難となり、住民は傘をさして鳥を
避けたという。

 夜行性の鳥ではなく、なぜ巣から一斉に飛び立って死んだかは不明だ。研究機関で死体
を解剖したが、感染性の病原はなかった。31日夜には同町で新年を迎える花火を打ち上
げており、AP通信は「その音に鳥が驚いたのでは」との見方を紹介している(以上、Y
ahooニュースより。)

●金xxの公開活動(朝鮮日報より)

 統一部は4日、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記による昨年の公開活動が161
回に及んだと明らかにした。ちなみに2009年には159回で、脳卒中で倒れた2008年は97
回だった。

 分野別では工場や企業所など経済部門での視察が63回で最も多く、軍部隊の視察など軍
事部門の現地指導が38回でその次に多かった。さらに公演の観覧28回、中国訪問など対
外活動12回、大学訪問や政治関連行事などが20回だった(以上、朝鮮日報より)。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●思いつくまま

 花火が原因なのか。
それとも何かの伝染病によるものなのか。
しかし私にはこんな経験がある。

 子どものころのこと。
私が住んでいた町では、「川開き」といって、川のそばで毎年、花火大会が催された。
8月1日だったと記憶している。

 で、その直後の、その翌朝のこと。
近くに小倉公園と呼ばれる小さな山がある。
そこを歩いていたとき、無数の小鳥が死んでいるのを見かけた。
無数といっても、点々と、何十羽という数だった。
それを見て、だれかがこう言った。

 「昨夜の花火で驚いて、死んだのだろう」と。

 で、それから30年後。
そのことについて、本に書いた。
『受験に克つ子育て法』(三一書房)という本の中だった。
が、それについて、ある人がこう言った。
「花火で、鳥は死なない」と。

 以来、私はどちらが正しいのか、迷うようになった。
が、今回、アメリカのアーカンソー州で、似たような事件が起きた。
まだ花火と確定されたわけではないが、疑ってみる価値はじゅうぶん、ある。

 人間にとっては「楽しみ」の花火だが、小鳥にとっては、恐怖そのもの。
小鳥だけではない。
私はこの30年近く、犬を飼っているが、犬だっておびえる。

 花火大会イコール、人間の傲慢さの象徴と考えてよい。
人間だけが、地球の住人ではない!
花火が原因とまだ確定したわけではないが、そうであっても、またそうでなくても、
人間の傲慢さの象徴と考えてよい。

●公開活動が161回?

 常識で考えて、161回は、ありえない。
ほぼ2日に1回の割合である。
それがいかにハードなスケジュールであるかは、自分のこととして考えてみると、わかる。

 私は健康なほうだが、1泊旅行をして帰ってきただけで、ヘトヘトになる。
翌日は1日中、横になっていることもある。
いわんや、脳梗塞を経験した人が?
年齢も68歳。

 私は替え玉ではないかと、疑っている。
重要な公開活動については、本人自身がすることもあるだろう。
しかしそれ以外は、替え玉による、公開活動。
そう考えてよい。
以前、やはり何かの本で、金xxには、何人もの替え玉(=影武者)がいると
読んだことがある。
そのときは、身の保全のためにそうしているという話だった。

 それに年に161回もあちこちに出かけていたら、動きがすべてわかってしまう。
これはアメリカの暗殺を恐れる金xxにしては、たいへん、まずい。
あの国は、何からなにまで、ウソで塗り固めている。
こういう話は信じないほうがよい。


Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●東亜日報の反日記事

+++++++++++++++++


東亜日報(韓国紙)は、「あきれた日本の新聞」と題して、つぎのような
記事を掲げた。

そのまま紹介する。

++++++++++以下、東亜日報、1月4日記事より++++++2011

国防部が発表した「2010年国防白書」に独島(トクト・日本名竹島)の写真がなかっ
たことについて、日本の産経新聞が昨年12月31日、「日本への配慮ではないかと関心を
呼んでいる」とし、その背景に注目した。

韓日間に独島の領有権問題が起こった08年には、韓国政府が国防白書の表紙に独島を背
景にした大型強襲揚陸艦のカラー写真を載せ、本文にも、海軍艦艇の独島防衛訓練のカラ
ー写真を載せたが、今回は2つの写真が削除されているということだ。2010年度版に
は、独島関連の写真として、島の上空を哨戒飛行する空軍戦闘機の小さな写真1枚だけが
掲載された。

これについて、軍当局は、「ひと言で言って、あきれた」と述べた。軍関係者は、「これま
で表紙に写真が3枚入っていて散漫であるうえ、毎回デザインが同じだという反応もあり、
今回はデザインに変化を与えたのだが、過剰な解釈だ。表紙の写真を抜いただけであり、
独島に対する韓国の確固たる守護意志の内容はすべて含まれている」と反論した。

++++++++++以上、東亜日報、1月4日記事より++++++2011

●検証

 そこで産経新聞を調べてみた。
実際、そのような記事があることがわかった。

++++++++++以下、産経新聞、記事より++++++2011

【ソウル=黒田勝弘】

 韓国国防省は30日、2010年版の国防白書を発表したが、前回の08年版白書の表
紙に掲載されていた竹島(韓国名・独島)の写真が表紙から消えており、日本への配慮で
はないかと関心を呼んでいる。

 韓国では近年、金大中・盧武鉉政権(1998~2008年)時代の対北融和策で北朝
鮮への警戒心が後退。代わって竹島・独島をめぐる日韓の領有権紛争から「独島防衛」が
強調され、マスコミなどはまるで日本が“仮想敵”かのような雰囲気になっていた。

 国防白書(08年版)では表紙に「独島」を背景にした大型強襲揚陸艦のカラー写真が
掲載され、本文でも北朝鮮などによる「局地挑発に対する備え」の項に、海軍艦艇による
「独島防御訓練」のカラー写真が出ていた。

 今年の白書ではこの2枚の写真は削除され、「独島」がらみでは島上空を哨戒飛行する空
軍機の小さな写真1枚だけになった。

 韓国では今年、哨戒艦撃沈事件や延坪島砲撃などで北の軍事的脅威が大問題になり、政
府はこれまでの安保政策の立て直しを迫られている。韓国政府として現実離れした“日本脅
威論”をあおるような写真は不必要と判断したものとみられる。

++++++++++以上、産経新聞、記事より++++++2011

●「日本への配慮ではないかと関心を呼んでいる」

 産経新聞の記事の中で、最大の問題点は、「日本への配慮ではないかと関心を呼んでいる」
という部分。

 いつ、だれが、どこでそのような「関心を呼んだ」のか?
記事には、「黒田勝弘」の記者名がある。
となると、こういう独断的判断を下したのは、黒田勝弘氏自身ということになる。
黒田勝弘氏は、勝手に国防白書を自己流に解釈し、最後に、こう結んだ。

「韓国政府として現実離れした“日本脅威論”をあおるような写真は不必要と判断した
ものとみられる」と。

●韓国側の反発

 これに対して、韓国側は、強く反発した。
それが東亜日報の記事である。

 が、私は黒田勝弘氏のこう言いたい。
「日韓問題は、貴殿が考えているような、底の浅い問題ではない。
韓国の人がもっている反日感情は、そんな甘いものではない。
認識不足もよいところ」と。

 つまり私はこれほどまでに、オメデタイ記事を、そうは知らない。
産経新聞というよりは、黒田勝弘氏の、視野の狭さに驚く。
つまりこの程度のことで、一喜一憂してはいけない。
自己流の解釈を加えて、日韓関係が改善に向かっていると安易に判断してはいけない。
東亜日報が反発して、当然である。

 私も、この記事には、日本側の立場で、あ・き・れ・た!


Hiroshi Hayashi+++++++JAN. 2011++++++はやし浩司・林浩司

【1月5日朝記】(さあ、今日も始まった!)

●目と口

++++++++++++++++++

感情は口に先に表れる。
目は、それにつづく。

わかりやすく言うと、喜怒哀楽、
とくに驚き、笑いは、まず口に現れる。
ついでそれに対して目の動きが追従する。

つまりそれによって、作られた表情か、
本物の表情かを、判断することができる。

……というような話を、若いころ、
何かの本で読んだことがある。

++++++++++++++++++

●日本映画

 日本映画が、全体として、演技ぽいのは、「演技」を意識しているから。
たとえば1人の男が町を歩いている。
そのとき突然、後ろから、だれかに肩を叩かれる。
その瞬間のこと。
その男は、相手の顔を確かめる前に、つまり振り向く前に、目の筋肉が先に緩(ゆる)む。
その状態で振り返る。
相手は男で、彼の友人だった。
(ふつうなら、まず相手を見てから笑う。
笑うとしても、口の方が先に笑う。)

 ……というような「瞬間」を、私たちは見落とさない。
笑顔についても、同じことが言える。

 たとえば1人の女性が、何かのジョークを聞いて笑うようなばあい。
まず口の方が先に反応して、笑う。
目が笑うのは、そのあと。
それが本当の笑い。

 が、日本映画では、あらかじめ用意した表情で、笑う。
こういうときは、こういう表情をしてみせるもの……というような表情で笑う。
たとえて言うなら、ショッピングセンターに立つ売り子のような表情をしてみせる。
ニコニコ笑うが、作り笑い。
どこか不自然。
演技ぽい。
ここでいう「演技」というのは、それをいう。

 こうした稚拙な演技を防ぐゆいいつの方法は、俳優が、その人物になりきること。
その人物の心になりきること。
演技はそのあと、ついてくる。

●孤独は心のがん細胞

 数日前、「孤独は心のがん細胞」という内容の原稿を書いた。
孤独感がつのると、精神状態が変調する。
その先に「死」が見え隠れするようになる。
そのまま自殺してしまう人も少なくない。
だから「孤独は心のがん細胞」。

 ところが、である。
孤独は心のがん細胞だけではなく、肉体のがん細胞であることもわかってきた。
絶望感を味わった人ほど、心臓病、脳卒中、さらにはがんになる人が多いのだそうだ。
理屈としては、納得できる。
絶望感が、体内の免疫機能を減退させる。
孤独感にしても、同じ。
孤独感ほど、強烈なストレスはない。

 私の学生時代の友人も、そう言った。
彼はこの6年、胃がんと闘っている。
「林、がんはね、ストレスが原因で起こるんだよ」と。

 ストレス、イコール、がんということでもないだろう。
しかしストレスは、体によくない。
2008年に、その友人について書いた原稿を、再掲載する。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●S君の生き方(Immunocyte & Cytokine)
A cytokine brings the effect that multiple functions, that is, a single cytokine varies in
the condition of the target cell.

+++++++++++++++

昨夜、T県T市に住んでいる、S君と
電話で、1時間ほど、話す。

大学の同窓生である。

彼も、4、5年前、内臓にガンを患い、
現在も、「闘病生活をしている」(同君)
とのこと。

「毎月、いろいろな検査を受けている」
「毎週、リハビリに通っている」
「毎日、いろいろな薬をのんでいる」と。

しかし生き方が、すばらしい。
何ごとにつけ、前向き。

「ぼくはクラシック音楽が好きだから、
チケットはいつも、何枚ももっている」と。

心配して電話をかけたつもりだったが、
かえって私の方が、教えられた。

「なあ、林君、ガンなんて、治せば
いいんだよ。すぐ死ぬというわけでも
ないからね。ていねいに検査を受けていれば、
転移も、それでわかる。わかったとき、対処
すれば、まにあうよ。これで最初のガンから
5年になるから、あと10年は生きられるよ。
これからの10年は、(もうけもの)と
思って生きるよ」と。

「悪いのは、ストレスだよ。ストレスが、
ガンを引き起こすと考えていいよ。
ぼくの周囲でガンになった人を見てもね、
何らかのストレスが引き金になったと
思われるのが、多い。ストレスが免疫細胞の
力を弱めてしまうんだよ。ガン細胞なんて
ものはね、みな、もっているんだよ」とも。

次回の同窓会には出ることを約束して、
電話を切る」

++++++++++++++++

●ストレス

++++++++++++++++

以前、ストレスについて書いた原稿を
さがしてみた。

++++++++++++++++

●ストレス
 
人間関係ほど、わずらわしいものはない。もし人が、そのわずらわしさから解放されたら、
どんなにこの世は、住みやすいことか。いうまでもなく、我々が「ストレス」と呼ぶもの
は、その(わずらわしさ)から、生まれる。

このストレスに対する反応は、二種類ある。攻撃型と、防御型である。これは恐らく、人
間が、原始動物の時代からもっていた、反応ではないか。ためしに地面を這う、ミミズの
頭を、棒か何かで、つついてみるとよい。ミミズは、頭をひっこめる。

同じように、人間も、最初の段階で、攻撃すべきなのか、防御すべきなのか、選択を迫ら
れる。具体的には、副腎髄質からアドレナリンが分泌され、心拍を速くし、脳や筋肉の活
動が高まる。俗に言う、ドキドキした状態になる。

ある程度のストレスは、生活に活力を与える。しかしそのストレッサー(ストレスの原因)
が、その人の処理能力を超えたようなときは、免疫細胞と言われる細胞が、特殊な物質(サ
イトカイン)を放出して、脳内ストレスを引き起こすとされる。

そのため副腎機能の更新ばかりではなく、「食欲不振、性機能の低下、免疫機能の低下、低
体温、胃潰瘍などのさまざまな反応」(新井康允氏)が引き起こされるという。その反応は
「うつ病患者のそれに似ている」(同)とも言われている。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

 孤独感、絶望感は、ただ単なる感情ではない。
肉体をもむしばむ「がん細胞」ということになる。
こわいのは、脳内ストレス。
年齢的なことはよくわからないが、50歳を過ぎたら、要注意!

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 
BW はやし浩司 ストレス 免疫 免疫機能の低下 免疫機構 サイトカイン 孤独 
強力なストレス はやし浩司 絶望 孤独 心のがん細胞 ガン細胞)


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●ヘリコプターママ

2011-02-06 10:14:01 | 日記
【ヘリコプターママ】

●溺愛ママの子育てブルース

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ある日、ある母親(47歳)は、娘(22歳)
から、三下半(みくだりはん)を突きつけられた。
娘が大学を卒業した直後のことだった。

江戸時代、簡略に離婚事由と再婚許可文書を、
3行半で書いた。
そのことから、そういう。
ふつうは、夫から妻に出す離縁状をいう。

が、実際に、三下半だった。
携帯電話のメールで、娘は母親にこう伝えた。

「今後生涯にわたって、絶縁します。
一切、連絡はしないでほしい。
私を捜すこともしないでほしい。
         ○○圭子」

++++++++++++++++++

●ヤボな話

 これはヤボな話かもしれない。
しかしこういうケースのばあい、母親は、娘を訴えることができるか。
それまでの養育費と学費、それに慰謝料を請求することができるか。
法律的には可能かもしれない。
しかし実際には、子育てに対する構え方によってもちがうが、裁判沙汰にする親は
いない。
泣き寝入りするのが、ふつう。
実際、その母親はそれがきっかけで、うつ病を発症し、気が変になってしまった。

●溺愛の果て

 親が子どもを溺愛して、よいことは何もない。
親はよかれと思い、子どもを溺愛するが、子どものほうこそ、ありがた迷惑。
親が思うほど、子どもは感謝していない。
そればかりか、それを「干渉」ととる。
ある男子高校生は、母親にこう言って叫んだ。

「いつオレが、お前に産んでくれと頼んだ!」と。
母親の存在感が大きすぎた。
その男子高校生は、それに反発した。

●溺愛ママ

 溺愛ママについては、たびたび書いてきた。
全体としてみると、もっぱら、子どもの立場で書いてきた。
しかしここでは親の立場で考えてみたい。
というのも、「溺愛ママ(パパでもよいが)」というと、自業自得と考える人が多い。
子育ての失敗が原因で、結果として、親自身がひどく傷つく。
だから自業自得、と。

 しかしそうとばかりは言えない。
溺愛ママと呼ばれる人は、それなりに愛情も深い。
子育てに没頭する分だけ、子どもに時間とヒマ、それにお金をかける。
子どものためならと、どんな苦労も厭わない。
ただ子どもを溺愛する母親(父親でもよい)には、情緒的な欠陥があることが多い。
未熟性といってもよい。
それが母親をして、子どもを溺愛に走らせる。
が、それは母親自身の責任ではない。
その母親を育てた、両親の責任である。
溺愛ママだけに、自業自得と、責任をおおいかぶせるのは、あまりにも酷。
かわいそう。

++++++++++++++

溺愛ママについて書いた原稿を
さがしてみます。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●溺愛

親が子どもに感ずる愛には、3種類ある。本能的な愛、代償的な愛、それに真の愛である。
本能的な愛というのは、若い男性が女性の裸を見たときに感ずるような愛をいう。たとえ
ば母親は赤ん坊の泣き声を聞くと、いたたまれないほどのいとおしさを感ずる。それが本
能的な愛で、その愛があるからこそ親は子どもを育てる。もしその愛がなければ、人類は
とっくの昔に滅亡していたことになる。

つぎに代償的な愛というのは、自分の心のすき間を埋めるために子どもを愛することをい
う。一方的な思い込みで、相手を追いかけまわすような、ストーカー的な愛を思い浮かべ
ればよい。相手のことは考えない、もともとは身勝手な愛。子どもの受験競争に狂奔する
親も、同じように考えてよい。「子どものため」と言いながら、結局は親のエゴを子どもに
押しつけているだけ。

三つ目に真の愛というのは、子どもを子どもとしてではなく、一人の人格をもった人間と
意識したとき感ずる愛をいう。その愛の深さは子どもをどこまで許し、そして忘れるかで
決まる。英語では『Forgive & Forget(許して忘れる)』という。つまりどんなに子ども
のできが悪くても、また子どもに問題があっても、自分のこととして受け入れてしまう。
その度量の広さこそが、まさに真の愛ということになる。

それはさておき、このうち本能的な愛や代償的な愛に溺れた状態を、溺愛という。たいて
いは親側に情緒的な未熟性や精神的な問題があって、そこへ夫への満たされない愛、家庭
不和、騒動、家庭への不満、あるいは子どもの事故や病気などが引き金となって、親は子
どもを溺愛するようになる。

 溺愛児は親の愛だけはたっぷりと受けているため、過保護児に似た症状を示す。

(1)幼児性の持続(年齢に比して幼い感じがする)、
(2)人格形成の遅れ(「この子はこういう子だ」というつかみどころがはっきりしない)、
(3)服従的になりやすい(依存心が強いわりに、わがままで自分勝手)、
(4)退行的な生活態度(約束や目標が守れず、生活習慣がだらしなくなる)など。全体にちょうどひざに抱かれておとなしくしているペットのような感じがするので、私は「ペット児」(失礼!)と呼んでいる。柔和で、やさしい表情をしているが、生活力やたくましさに欠ける。

 溺愛ママは、それを親の深い愛と誤解しやすい。中には溺愛していることを誇る人もい
る。が、溺愛は愛ではない。このテストで高得点だった人は、まずそのことをはっきりと
自分で確認すること。そしてつぎに、その上で、子どもに生きがいを求めない。子育てを
生きがいにしない。子どもに手間、ヒマ、時間をかけないの3原則を守り、子育てから離
れる。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

●ブルース

 自分の中に溺愛性を感じたら、子どものためというよりは、自分自身のために、子育てから離れたほうがよい。
その時期はできるだけ早いほうがよい。
溺愛にのめりこめばのむほど、あとあと傷口が深くなる。

 親が子どもを溺愛して、子どもが親の望み通りになるケースは、100に1つもない。
ご注意!

(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 溺愛 でき愛 溺愛ママ でき愛ママ でき愛ママブルース)

●モンスターママvsヘリコプターママ

●ヘリコプター・ママ(Helicopter Mothers in South Korea)

++++++++++++++++++

韓国には、「ヘリコプター・ママ」と呼ばれる
母親たちがいるそうだ。

「ヘリコプターのように子どもの周囲を駆けずり回り、
あれこれ世話をする母親」(朝鮮N報)という意味だ
そうだ。

++++++++++++++++++

朝鮮N報、8月10日付け(2008)に、こんな興味深い記事が載っていた。
少し日本語を読みやすくして、紹介する。

+++++++++++++以下、朝鮮N報より+++++++++++++

ある名門大学の経営学科に通うキム某君(19)は、夏休みを利用してソウル・鐘路にある有名な公認会計士試験予備校に通っている。母親が「次の学期の“会計原理”の授業で良い成績を取らなければならないから、夏休みに予備校へ通っておく必要がある」という話を周囲の人たちから聞き、どの予備校が良いか調べた上で、登録までした。

キム君の母親は、息子が次の学期に履修する科目をすべて決めていた。「公認会計士試験に向け、徹底的に準備するためには、会計分野の専門教育科目が重要だから、この科目は英語ではなく国語の授業として臨めばよい。○○教授の講義は上手いというから、必ず取らなければならない」といった形だ。

 大学1年のチェ某君(19)は、ある金融機関でインターンとして働いている。まず大学の就職情報センターや学科のホームページで情報を集めた後、「ここ(金融機関)で働いた経歴は、就職の際に一番プラスになるだろうから、ここへ行きなさい」という母親のアドバイスを聞き、その通りにしている。チェ君の母親は、息子に代わって自動車教習所の登録もしている。

 キム君やチェ君の母親のような人が最近増え、「ヘリコプター・ママ」と呼ばれている。ヘリコプターのように子どもの周囲を駆けずり回り、あれこれ世話をする母親という意味だ。自分の子どものことを何でもしてあげることで、子どもを「マザコン」に仕立て上げているともいえる。

 ソウル大宗教学科のユ・ヨハン教授は「成績を出した後、教授に直接会って“うちのこの成績が良くないと、専攻を決める際に人気のない学科に行かされるかもしれないから、成績を上げてくれ”と懇願する母親もいた」と話す。

 釜山に住む主婦のユン某さん(49)は、大学1年の息子が「ほかの人よりも早く司法試験の準備をしたい」と言ったため、その願いを叶えるために東奔西走した。息子の軍隊への入隊や大学の休学の時期をすべて調整し、さらに自らソウルへ行って、司法試験の合格者を多く出しているという冠岳区新林洞一帯の予備校を探し歩いた。

 京畿道に住む主婦キム某さん(54)は、31歳になる会社員の息子の「金融アドバイザー」だ。銀行や不動産鑑定士に依頼して綿密な分析をし、利回りが良いファンドや株式投資、積立口座などを選んで、息子に代わって加入するとともに、毎月の収益実績をチェックして資金の運用までしている。息子の月給の管理も母親の役目だ。息子が女性と会えば、条件や趣向などを把握し、引き続き会ってもよいかどうかを息子に言い聞かせてもいる。

 問題はこうした「ヘリコプター・ママ」の下で過保護に育てられた子どもたちが、困難な状況に直面したとき、自らの力で問題を解決していく経験が絶対的に不足しているということだ。その子どもたちもまた、「マザコン」になってしまうのではないかという不安を感じているという。

 高麗大社会学科の玄宅洙(ヒョン・テクス)教授は「就職難が続き、“ニート”が増える中、子どもが大学を卒業した後の進路を決めることも、親(特に母親)の役目になっている。母親の“行き過ぎた親心”が、成人した子どもの親への依存度を高め、“一人では何もできない”大人に仕立て上げている」と苦言を呈した。

+++++++++++++以上、朝鮮N報より+++++++++++++

日本でいう「モンスター・ママ」に似ている。
少し前は、「教育ママ」と読んだ。
要するに、過干渉、過関心、過保護、それに溺愛を複合した母親ということになる。
本来なら、社会や自分自身に向けるべき生きがいまで、すべて子どもに向けてしまう。
その結果、朝鮮N報にもあるように、子どもは、マザコン化する。
50代、60代になっても、母親のうしろを、いそいそとついて歩いたりする。

が、もちろん、本人自身に、その自覚はない。

自分では、「親孝行の、すばらしい息子」と思っている。
あるいは「自分の親は、自分がそうするに足る、すばらしい親」と思いこんでいる。

問題は、なぜ、こういう母親が生まれるかということ。
それには、社会の不備があげられる。

女性は結婚し、家庭に入ると、その時点から、子どもを産み、子どもを育てる(道具)としか見られなくなってしまう。
いくら才能やキャリアがあっても、家庭の中では、それを生かすこともできない。
またその途中で、自分を磨くこともできない。
勉強といっても、せいぜい資格試験のため。
その先がない。

約30%の女性は、それでよいと考えている(某、調査)。
しかし大半の女性は、不完全燃焼症候群の中で、悶々とした日々を過ごす。
それから生まれるストレスは相当なもので、「家庭は、女性にとっては監獄である」と説いたイギリスの評論家さえいた。

つまりそうしたエネルギーを、すべて子どもに向けてしまう。

モンスター・ママにせよ、ヘリコプター・ママにせよ、ゆがんだ男女差別観が生んだ、犠牲者にすぎない。

韓国も日本も、この点では、よく似ている。

(はやし浩司 家庭教育 育児 育児評論 教育評論 幼児教育 子育て はやし浩司 Hiroshi Hayashi education essayist writer Japanese essayist はやし浩司 ヘリコプターママ ヘリコプター・ママ モンスター・ママ モンスターママ)

Hiroshi Hayashi++++Dec. 2010++++++はやし浩司・林浩司