部長ブログ@箕面市役所

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大阪の水は「高度浄水処理水」です。

2019年04月09日 | 上下水道局

皆さま、こんにちは。 上下水道局長の小野啓輔です。

今年度も、どうぞよろしくお願い申しあげます。

水道関係者で語り継がれている名言のひとつに、
こんな言葉があります。

「水道は、蛇口の水に、全てが集約される」

水道水を作る浄水技術も、水道管を造り水を送る送配水技術も、
水道事業を経営する努力も、お客様に対するサービスも、
ライフラインを守る熱意も覚悟も責任も、
そのすべてが、コップにあふれる一杯の水にあらわれるという考え方です。

確かに、水道企業の唯一無二の商品が、蛇口から出る水で、
ここに対して、何の言い訳も利きません。
先人たちの水道人としての矜持を感じる、とても重みのある言葉です。

ところが、大阪の水道関係者には、 昔からの大きなトラウマがあります。
それは、
「大阪の水は、まずい」という言葉です。

今日は、この悪評判に果敢に挑戦した
大阪の水道人たちの取り組みをご紹介します。


        <琵琶湖の桜 ~ 海津大崎>

●大阪の水は、まずい?

皆さまが普段飲んでおられる水道水は、
もとをたどれば、どこから来ているのでしょうか?

以前のブログ「毎日使ってる水は、どこから来るの?」でお伝えしたとおり、
箕面市内で使われている水道水のうち、
12.9 パーセントは、箕面市内で作っています。
水源は、箕面川の水と、半町の深井戸水(地下200メートル)で、
箕面浄水場と桜ヶ丘浄水場でそれぞれ浄水処理しています。
また、87.1 パーセントが大阪広域水道企業団から買っている水道用水です。
その水源は、琵琶湖から淀川に流れてきた水で、
枚方市にある「村野浄水場」と 摂津市にある「三島浄水場」で
飲み水として浄水処理してから、 箕面市内に送られてきています。

ところで、 かつて、「大阪の水は、まずい」というのが定評でした。

例えば、平成元(1989)年に大阪府が実施した「利き水アンケート調査」では、
府民9,948人中、水道水で「いやな臭いや味」を感じたことがある人が
実に87パーセントもおられ、
大阪の水道水の悪いイメージが完全に出来上がっていました。

●最大の原因は、琵琶湖・淀川の水質問題

その大きな原因として、
大阪の水道の水源である琵琶湖・淀川の水質問題がありました。

もう少し詳しく分析すると、

(1)琵琶湖・淀川では、高度成長期の急速な人口増加や都市化・工業化の進展と下水道整備の遅れにより、
    昭和35(1960)年頃から、アンモニア性窒素や有機物の増加、富栄養化など、水質の悪化と汚濁が進行
    していました。水道水は、水道法によって「塩素消毒」が義務づけられていますが、特に、アンモニアは、
    水道消毒のために使用する塩素が加わると「カルキ臭」を発生し、「水道水がカルキ臭い」と感じられる
    原因になります。また、有機物の多い水は「渋味」があり、有機物が多いと消毒に用いる塩素の必要量も
    多くなり、それらが水道水の味や臭いに大きく影響していました。

(2)昭和44(1969)年に琵琶湖で、植物性プランクトンによる「かび臭」が初めて発生しました。以降、毎年の
    ように、プランクトンの大量増殖による赤潮やアオコ・かび臭の発生を繰り返すようになりました。
    水源の琵琶湖でかび臭が発生した場合、当時の浄水方式である「凝集沈殿・急速砂ろ過」では除去できず、
    「粉末活性炭処理」でも効果が不十分で、「水道水がかび臭い」と感じられる事例が頻繁に生じました。

(3)さらに、昭和47(1972)年頃から、消毒用の塩素と原水の有機物が反応して、発がん性リスクがある
    「トリハロメタン」などの微量化学物質が生成される場合があることが分かり、大きな社会問題となりました。

●安全・安心でおいしい水をめざして

このような危機的な状況と悪条件に対し果敢に挑戦したのが、
当時「大阪府営水道」を運営していた大阪府水道部でした。
大阪府水道部では、府民の水道水に対する不満や不安を解消し、 「まずい」という汚名を返上するため、
昭和57(1982)年から、新しい「高度浄水処理方式」に関する調査を開始し、
水源や浄水場の状態に応じた最適な処理方法の検討をはじめ、
「生物処理」「オゾン・粒状活性炭処理」等の実証プラント実験などにより、
水処理フローの改善や効果検証など、実用化の検討を重ねました。
さらに、平成4(1992)年には、大阪府・大阪市、京都府・京都市、 兵庫県・神戸市、奈良県など、
琵琶湖・淀川水系を水源とする8つの 水道事業体が「関西水道事業研究会」を発足し、
学識経験者とともに研究・検討を進めました。

これら関西の水道事業体が一体となった取り組みを受け、 国においても高度浄水施設整備に対する
国庫補助制度が拡充されるなど、 財源の見通しも含めて、高度浄水処理実現の環境が整いました。

平成3(1991) 年度には三島浄水場に淀川水系で初めて生物処理施設が完成、
他の浄水場にも順次、オゾン・粒状活性炭処理施設の建設が進み、
平成10(1998)年には、大阪府営水道の供給水のすべてが 高度浄水処理水となりました。

さらに大阪府営水道を承継した大阪広域水道企業団でも 塩素によるカルキ臭を抑制するため、
塩素投入時期の改良・調整や送水管途中段階での追加塩素設備の導入、
オゾン処理で生成する臭素酸の低減などにも取り組みを工夫し、
より安全・安心でおいしい水の供給に努め、現在に至っています。

【高度浄水処理の水処理フロー】

 

 
   ※1 高度浄水処理 : オゾン処理~粒状活性炭処理
   ※2 高度浄水処理 : 生物処理(ハニコームチューブ方式)

一方、この間も、公害対策や環境保全の気運が全国で高まり、 環境基本法をはじめ、
水道法、水質汚濁防止法、水道原水水質保全事業促進法、水源水質保全特別措置法などの
法律の整備や基準の強化が実現し、対策事業が進みました。
琵琶湖や淀川流域でも、総合的な水質保全や利水対策、下水道の整備等が進むともに、
特に、近畿の水がめとしての琵琶湖の環境保全については、
滋賀県が住民の「石けん運動」とともに昭和54(1979)年に独自で「琵琶湖条例」を制定し、
工場排水規制や、りん含有合成洗剤の使用・販売禁止などの生活排水対策、
農業肥料や家畜ふん尿の適正化などを進めたことなどをはじめ、
その後も多くの人々が、琵琶湖一斉清掃や、水質浄化作用のあるヨシの植栽・保護、
菜の花プロジェクト等、多様な地球環境対策にも取り組んでいます。

このように見てくると、大阪の水道環境の向上は、
府県を越えた実にたくさんの人々の思いと努力と協力により、
大きく進んできたことがわかります。



●高度浄水処理の効果

もちろん、「水がうまい、まずい」は、個人の味覚に深く関係し、 個人差もあり、
温度や時刻によっても変化します。
しかし、多くの人が、異味や異臭を感じる場合、 一定の科学的な検証が可能です。

村野浄水場で実施した平成9(1997)年度の水質試験結果(従来処理水)と、
平成21(2009)年度の水質試験結果(高度浄水処理水)を比較すると、
高度浄水処理によって水道水の臭いや味が改善され、
また微量有機物が一層減少するなど、 さらに高品質となっていることが、数値でわかります。

(1) かび臭の原因は、富栄養化によって異常繁殖する植物プランクトンでした。
     琵琶湖で発生する「かび臭物質」には、2-MIBとジェオスミンという二つの物質がありました。
     「かび臭物質」は、水1リットルにわずか1億分の1グラム程度(50mプールに耳かき1杯程度)
     含まれただけで、かび臭い臭味をつけてしまいます。
     高度浄水処理により、この「かび臭物質」は、完全に除去されました、

(2)「臭気強度」も、「全有機炭素(TOC)」も、大幅に低減されました。
     TOCは、水中に存在する有機物の総量を、有機物中に含まれる炭素量で示したもので、
     「水の汚れ」を示す指標の一つです。

(3)トリハロメタンは、水質基準の10分の1程度にまで低減されました。



また、高度浄水処理施設の稼働後の平成10(1998)年8月に大阪府が行った府民アンケート調査の結果に
よると、有効回答総数1,220 件のうち、 53%の人が、「おいしくなった」と回答されています。

 

さらに大阪広域水道企業団では、水道水と市販の日本産ミネラルウォーターを
それぞれ違うコップに入れて飲んでいただく「利き水アンケート」を 毎年度、府内各地で続けています。
そこでは、毎年度 70パーセント以上の人が大阪の高度浄水処理水を「おいしい」と 回答されており、
日本産のミネラルウォーターと比べても、遜色ない評価を得ています。

【平成29年度 利き水会アンケート結果】  (有効回答数:10,759人)


                                     (大阪広域水道企業団ホームページより)

●水道水をさらにおいしく!

このように、水道水は、安全・安心でおいしく飲めるように作られています。
私自身も、水道の水を毎日そのまま飲んでいます。
しかし、人の感性は、人それぞれで、 特に水道の塩素などが、
やはり気になるかたもおられると思います。
水道水をさらにおいしく飲めるように、いろいろな工夫があるようです。
ここでは、次の3つをご紹介します。

(1)冷やして飲む。
     水をおいしく感じる条件の中で、影響が大きいといわれているのが 「水温」です。
     水道水をおいしく飲むには、10度から15度が適温といわれています。
     冷やすことで、塩素臭が感じにくくなり、おいしく感じられます。

(2) レモンを入れる。
     水道水にレモン汁を入れることで、残留塩素が除かれます。 
     水道水には安全を保つためにわずかに塩素が添加されていて、 特に敏感なかたは、
     異味臭を感じられる場合もあります。 そんな時は、数滴のレモン汁や少量の茶葉を加えると、
     レモンや茶葉に含まれるビタミンCが塩素を消してくれるので、 さらにおいしく飲むことが出来ます。
     ただし、塩素が消えた水道水は、長く置くと雑菌が繁殖しやすくなりますので、
     保存はせずに早めにお飲みください。

(3)朝一番の水は、できるだけ飲まない。 
     水道水は、流れているときは絶えず新鮮な水ですが、 旅行などで家を留守にし、長期間、
     水道を使用しない場合には、 各ご家庭の給水管に水が滞留していることになります。
     これと同じように、夜間は一般的に水を使用しないことが多いため、 わずかの間ですが、
     給水管に水が滞留しています。 時間の経過とともに塩素の消毒効果は薄くなっていきますので、
     滞留水は、飲用に適した消毒塩素濃度を備えていない場合があります。
     また、一部のご家庭で、鉛素材の給水管(鉛管)や、給湯器などで銅管を使用している場合があり、
     水が夜間などに滞留していると、これら鉛や銅イオンが微量ですが滞留水に溶け出すことがあります。
     いずれも、すぐに健康障害が起こるといったものではありませんが、 
     念のため朝一番の水は、バケツ一杯程度、飲用以外に使用してください。

以上、水道ミニ情報です。 水道水が気になるかたは、是非一度、お試しください。 

箕面市水道の水質について、詳しくは上下水道局ホームページをご覧ください。

次回は、箕面市独自の浄水処理についてもお伝えする予定です。

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