部長ブログ@箕面市役所

箕面市役所の部長が、市のホットな話題を語ります!
市の動きや仕事紹介、副市長、教育委員会委員などのつぶやきも。

水五訓、 そして ラスト・レター

2020年03月17日 | 上下水道局

皆さま、こんにちは。上下水道局長の小野啓輔です。

私の大好きな俳優、小日向文世さんの台詞です。
ある人気ドラマで、自分の世界に閉じこもって苦しんでいる若手漫画家 中田君に対して、大御所の漫画家(小日向さん)が、こんなアドバイスをしました。

「ねえ 中田君。
 このおにぎりを一個作るのに、どれだけの水が使われているか知っていますか?
 米作りから考えると、270リットルもの水が必要です。
 それを「バーチャルウォーター」と呼ぶそうです。
 最近ネットで知りました。

 その水に ほとんどの人が気づかない。
 ですが 見えない水を想像したほうが、世界は広がる。
 私もまだまだ知らないことだらけです。
 中田君、君が思っているより ずっと 世界は広いよ。」

「バーチャルウォーター」とは、食料を輸入している国(消費国)が、その輸入食料をもしも自国で生産するとしたら、どの程度の水が必要かを推定したものです。

環境省の例によると、
1キログラムのトウモロコシを生産するには、灌漑用水として1,800リットルの水が必要です。
また、牛は穀物を大量に食べて育つため、牛肉1キログラムを生産するには、その約20,000倍もの水が必要とのこと。
なので、例えばハンバーガー1個をつくるのに、レタスを栽培するための水、牛の飼料を作るための水など、すべてを合わせると1000リットル以上の水が使われているそうです。

食料自給率が約40パーセントの日本は、世界中からたくさんの食料を輸入しています。
よって日本は、海外から食料を輸入することで、その生産に必要な分だけ自国の水を使わずに、世界各地から形を変えて水を輸入していることになります。
日本が輸入するバーチャルウォーターの総量は、日本における水使用量の約8割に達するとも言われています。
私たちの日々の生活が、まさに世界の「水源」ともつながっていることがわかります。

世界は広い。
「水」は、私たちにいろいろなことを教えてくれます。
今回は、私のラストブログとして、水にまつわる名言の最終回~「水五訓」をご紹介します。



●「水五訓」

「水五訓」は、水のもつ特質をうまく捉えた人生訓として、水道や河川など水関係の業界で広く知られています。
名称や内容にも、「水五則」「水徳五訓」「水律五訓」「水徳四訓」など、様々なバリエーションがあります。
また、その作者や由来も、黒田官兵衛、太田道灌、王陽明、老子、大野洪聲等々の諸説があり、その謎解きもまた、興味深いです。

「水五訓」
一、自ら活動して他を動かしむるは「水」なり
二、常に自己の進路を求めて止まざるは「水」なり
三、障害にあい、激しくその勢力を百倍し得るは「水」なり
四、自ら潔うして他の汚れを洗ひ、清濁併せ容る々の量あるは「水」なり
五、洋々として大洋を充たし発しては蒸気となり雲となり雨となり雪と変じ霰と化し凝しては玲瓏たる鏡となる、而も其性を失はざるは「水」なり

一つずつ、内容を見ていきます。

一、自ら活動して他を動かしむるは「水」なり

水は、自らが動くことで周りのものを動かし、運んでいきます。
川の流れは小石を動かすこともあれば、大雨になると大きな岩をも押し流します。
人間も、自らは何もしないままで、他人に「ああしろ、こうしろ」と言っても、誰も動くはずがありません。
水にならい、自ら模範を示すことによって周囲を牽引せよという「率先垂範」の教えです。


二、常に自己の進路を求めて止まざるは「水」なり

水は、どんな環境の中でもその流れを止めることなく動いていきます。
水の一滴も繰り返されれば、岩をも穴をあけます。
流れを止めることなく、自分が決めた信じた道に向かって動き続けていくこと。
困難に直面して、自分の可能性をあきらめてしまっては、なにも生まれない。
水にならい、信念と覚悟を持って、信じる道を突き進み切り拓いてゆく気概を持てという「所信貫徹」の教えです。


三、障害にあい、激しくその勢力を百倍し得るは「水」なり

順調な水の流れも、例えばダムという壁によってさえぎられることもあります。
そんな時に水は、その力を満々と内に蓄えます。
蓄積された力があるからこそ、解放された時に巨大なエネルギーを発揮できるからです。
物事を進める上で、たとえ障壁や困難があったとしても、その間に貯える力は倍化して、壁を跳ね返す気迫が増していく。
苦しい時もじっと耐えて、他人のせいにせず、自らの知恵と努力を続けていけば、それは大きな力となって自分に還ってきます。
水にならい、「困難にも、自ら考え、力を貯めて道を切り拓くことを心がけよ」という教えです。

  【箕面市の非常用水源 才ヶ原池】


四、自ら潔うして他の汚れを洗ひ、清濁併せ容る々の量あるは「水」なり

川は、汚れた水が途中から入ってきても、なんの文句も云わずに、清らかな水も濁れる水も、合わせて他の汚れを洗い、ともに流れていきます。
人の社会も、さまざまな価値観を持つ人が集まっています。
人生経験や価値観、生活感、文化など、意見が違うから、自分とは合わないからといって排除したり、追いやったりするのでなく、お互い長所をみつけてそれを生かすことをまず考えることが大切です。
さまざまな水を一つにまとめ、大きな目的に向かって集約してゆく大きな度量、包容力、多様性が求められます。
水にならい、人を排除せずに共に生きるという、「矮小な排他主義への戒め」「多様性の共存、寛容の度量」の教えです。


五、洋々として大洋を充たし発しては蒸気となり雲となり雨となり雪と変じ霰と化し凝しては玲瓏たる鏡となる、而も其性を失はざるは「水」なり

水は、温度の変化や、入れる容器の形によって、次々と自らの形を変えます。
しかし水は水で、その本質は変化することがありません。
人間もまた、変化に対応するのに常に柔軟な姿勢が必要で、与えられた環境の中で、柔軟に変化し成長します。
しかし、周囲にあわせて付和雷同し、自分本来の芯がぶれたり、偏向してしまってはいけない。不変の摂理を見誤ってはならない。
水にならい、「常に自然の摂理にそって物事を考え、自らを失うな」という教えです。

「水五訓」は、水の多彩な特質を通して、人間の生き方、生きざまを教えてくれる言葉です。 
また、道に迷ったときや困難にぶち当たったときなど、この「水」の部分を、「私(自分)」に置き換えて読むことも推奨されています。
常に自らを厳しく見つめ、顧みること、自分を律する謙虚さ、自己の弱さに向き合いながら、他者の弱さに寄り添う姿勢をも、「水」は教えてくれていると、私は思います。


欄外雑記 ~ ラスト・レター

私こと、この3月末をもって定年退職いたします。

この部長ブログも、初登場から10年間、今回で通算134回の執筆となり、私の最終回となりました。
自分の楽しみとして、一応、アーカイブを残しておきます。
(時がたつと、少しずつ、ずれていきますが・・)

私の部長ブログ 

健康福祉部長 第1回<平成22(2010)年4月19日>

健康福祉部長時代のブログ<平成22(2010)年4月~平成28(2016)年3月>

市民部長 第1回<平成28(2016)年4月13日>

市民部長時代のブログ<平成28(2016)年4月~平成29(2017)年3月>

地域創造部長 第1回<平成29(2017)年4月20日>

地域創造部長時代のブログ<平成29(2017)年4月~平成30(2018)年3月>

上下水道局長 第1回<平成30(2018)年4月25日>

上下水道局長時代のブログ<平成30(2018)年4月~令和2(2020)年3月>


思えば、昭和57(1982年)4月に箕面市役所に奉職し、最初の配属の「企画室 計画調整担当」をかわきりに、以来38年間、人権自治、市民安全、職員課、経営改革担当、健康福祉部、市民部、地域創造部、上下水道局など、様々な分野を経験させていただきました。

38年間を振り返って、たくさんの出来事があり、たくさんの人にご迷惑をかけ、たくさんの人に助けられました。
やっぱり思うのは、仕事は、決して一人ではできないということです。
人との暖かなふれあいや、人からのご支援や優しい思いやりに、大きな喜びを感じ、何度救われたたことでしょう。
トラブルや困難に打ちひしがれ、追い込まれた中で、さらに人を傷つけてしまう「おろかな自分」を、何度繰り返したことでしょう。
自分はいったいどれだけ市民の皆さまのお役に立つことができたのか?
定年にあたり、自問自答しています。

もちろん、たくさんの楽しい思い出もあり、いつも全力投球してきた自負もありますが、自分の力不足で、うまくいかないこと、出来ていないことに苛立ち、時には涙することもありました。

いつも思っていたのですが、市役所の職員は、それぞれのスキルや経験、専門性を持って仕事に向き合うのですが、結果として、うまく対応できている場合と、できていない場合が、あります。
そして、真摯に向き合えば向き合うほど、市民の皆さまのニーズや想い、お困りごとは多種多様で、奥深いものです。
社会の急激で大きな変化に、政策や制度がまだまだ十分追いつかない状況に日々直面し、制度の壁や財政的な限界、組織や人のしがらみなどにも阻まれ、無力感にさいなまれ、悩みながら、もがきながら向き合っている職員も多いです。

しかし、こうした政策や制度の壁や限界を、半歩でも一歩でも乗り越えて、新たな地平を切り拓いていく力もまた、市民の皆さまがたと、ともに悩み、ともに考え、知恵を出し合いながら、真摯に向き合い、ともに取り組む姿勢からこそ、生まれてくるのだと思います。

仕事を続けていると、ふとした瞬間に、人それぞれの場面やタイミングで、胸の奥からこみあげてくる喜びがあります。
そんな瞬間をいくつも経験させていただいた市役所の仕事は、とてもやりがいのある多彩でステキな仕事だと、私は思います。

これまで、ご縁のあった市民の皆さま、関係団体・機関の皆さまをはじめ、市議会・府議会・国会議員の方々や各職員など、実にたくさんの皆さまに支えやお力をいただき、助けていただき、許していただきながら、38年間、なんとかやってくることができました。
生かされているありがたさを思わずにはいられません。
すべての皆さまに、心からお礼申し上げます。

長い間、ほんとうにありがとうございました。
 

 

児童虐待をなくすためには、周囲のみなさんが子どものSOSサインに気づき、通報していただくことが、何より重要です。SOSサインに1つでも気づいたら、迷わず児童相談支援センター☎072-724-6233(夜間・休日は児童相談所全国共通ダイヤル☎189)へお電話ください。


水道施設の耐震化について 

2020年02月20日 | 上下水道局

皆さま、こんにちは、上下水道局長の小野啓輔です。

先月、還暦の誕生日を迎え、何人かの友人がお祝いをしてくれました。
中には、赤い靴下や赤いパンツをプレゼントしてくださった人も。
ポジティヴでハッピーな贈り物。
結婚式では「サムシングブルー」でしたが、還暦は「サムシングレッド」なんですね。

定年退職まで、あと1か月と10日ほどです。
部長ブログの私の登板も、今回を入れて、あと2回。
もちろん仕事全般、最後まで気を抜かずに、しっかりと日々の歩みを進めていきます。

今日のテーマは、「水道施設の耐震化」です。
以前から、一度きっちりとまとめてみたかったテーマです。

●水道施設の耐震化

水道は、市民生活や社会経済活動に欠かせない重要なライフラインです。
地震や台風など大規模な災害が起こった場合に、水道施設や水道管が被害を受けると、多くの世帯で断水が発生するなど、社会への大きな打撃となってしまいます。

そのため、地震が起きても被害を受けにくい水道施設や水道管への補強・更新を進め、地震による断水人口・区域等の低減や応急復旧期間の短縮など、被害をできるだけ抑制し、影響を最小化することが重要です。

安全・安心な水道水を安定的に供給し続けるため、箕面市では、地震に強い水道をめざして、水道施設の計画的な耐震化に取り組んでいます。


基本的な水道水の流れ

水道施設の耐震化を考えるにあたって、まずは、箕面市内の水道水の基本的な流れ方を見ておきます。

箕面市内の水道は、大原則として、次の3種類の流れ方をしています。

(1)大阪広域水道企業団(以下、「企業団」)の浄水場からの水道水

       「企業団浄水場」→「分岐」→「受水池」→「配水池」→「各ご家庭」

(2)箕面浄水場からの水道水

       「箕面浄水場」→「配水池」→「各ご家庭」

(3)桜ヶ丘浄水場からの水道水

       「桜ヶ丘浄水場」→「配水池」→「各ご家庭」

箕面市の水道水は、全体の87.1パーセントが、企業団から浄水を送ってもらって各ご家庭に配水しています。
これが、(1)の水の流れです。
もっと上流までさかのぼると、企業団は、琵琶湖から淀川に流れてきた水を、枚方市にある「村野浄水場」と、摂津市にある「三島浄水場」できれいに浄水してから、箕面市に送ってきます。
この企業団からの浄水が箕面市内に入ってくる入り口を「分岐」と言い、箕面市には6か所あります。
具体的には、桜ヶ丘分岐、芝分岐、西宿分岐、新家分岐、川合分岐、そして豊能町にある余野分岐の6か所です。

また、全体の12.9パーセントは、箕面市が自ら箕面川と半町や桜ヶ丘の井戸から取水し、箕面市内の浄水場で浄水し、各ご家庭に配水しています。
これが、(2)(3)の水の流れです。
なお、(2の箕面浄水場からの水道水は、すべて企業団からの水道水と配水池でブレンドしてから、各ご家庭に配水しています。

      【箕面市上水道マップ】


企業団と箕面市の役割区分

箕面市は、企業団から浄水を購入しており、企業団は、分岐まで責任を持って浄水を供給します。

なので、(1)の「企業団浄水場」→「分岐」までは、企業団にきっちりと耐震化を進めていただく必要があります。

実際、平成30(2018)年6月の大阪府北部地震では、企業団の水道管(送水管)が高槻市内で破損し、箕面市では、新家分岐、川合分岐、余野分岐からの水が止まりました。
分岐で水が止まると、分岐から下流の水がすべて止まってしまうため、影響は極めて大きいです。
1つの分岐当たり、断水影響世帯は、数千~2万世帯に及びます。

大阪府北部地震のときの状況は、過去のブログ「大阪府北部地震による断水」をご覧ください。

企業団では、大阪府北部地震の被害も踏まえて、「大阪広域水道企業団経営戦略2020~2029」を現在策定中です。
そこでは、浄水施設・送水施設の更新・耐震化を大きく位置づけ、災害に強く、安全で良質な水を継続して供給できる施設整備を推進していく内容となっています。
箕面市に関連する事項では、例えば、「村野浄水場」や「小野原ポンプ場浄水池」の耐震化、三島浄水場からのルート上にある「千里浄水池」の耐震化、「千里幹線」の二重化、管路の更新・耐震化などが計画されています。

詳しくは、企業団のホームページ(会議資料)をご覧ください。

一方、分岐以降、受水池、配水池から各ご家庭までは、箕面市が責任を持って水道水を配水します。
また、箕面市の箕面浄水場と桜ヶ丘浄水場で浄水した水道水も、箕面市が責任を持って各ご家庭に配水します。

なので、(1)の「分岐」→「受水池」→「配水池」→「各家庭」と、(2)および(3)が、箕面市が所管し、耐震化を進めていくべき水道施設の範囲となります。

なお(1)のうち、半町と瀬川の一部地域では、「配水池」を通らず、企業団水を分岐から直接配水している所もあります。


●耐震化の推進状況

<1>「水道基幹施設」の耐震化状況

水道において、「浄水施設」「受水池」「配水池」などを、「基幹施設」と言います。
「基幹施設」は、お客さまに安定して水道水をお届けするための根幹となる重要な施設で、普段はもちろん、地震等の災害時においても、断水区域の縮小や応急給水などで大切な役割を果たします。
そのため「基幹施設」は、大規模地震に備え、優先的・計画的に耐震化を進めています。

なお、「受水池」「配水池」と言っても、池がぽつんとあるわけではありません。
水道水ですので、もちろん野天の池ではなく、水を貯める大きな水槽タンクです。
コンクリート等に囲まれ、雨水やごみ等が入らないよう密閉され、清潔が保たれた水槽空間が、地下や地上タンクに確保されており、その中に水道水があります。
また、池のほかにも、流量計やポンプ設備・受電設備、管理棟なども必要で、受水池のある場所を「受水場」、配水池のある場所を「配水地」と言います。

箕面市の場合、水道基幹施設の中でも、受水池・配水池は、極めて重要です。

もう一度、箕面市の水道水の流れの全体像を見てみます。

  (1)「分岐」→「受水池」→「配水池」→「各ご家庭」 
  (2)「箕面浄水場」→「配水池」→「各ご家庭」
  (3)「桜ヶ丘浄水場」→「配水池」→「各ご家庭」

よく見ると、水道水はどのパターンでも結局、「受水池」と「配水池」で一旦プールして、各ご家庭に送られています。
もしも「受水池」や「配水池」が地震により損壊したら、そこから下流へは水が送れなくなり、広域断水などの甚大な影響・被害が生じてしまいます。

このうち、特に(1)のパターンが、箕面市の水道水全体の87.1パーセントを占めていますので、「受水場」と、そこからさらに水が送られる「配水地」が受け持つ機能は、極めて大きく重要です。

箕面市内には、6か所の「受水場」があります。
そのうち、「坊島受水場」「新家南受水場」「新家北受水場」「川合受水場」「止々呂美受水場」については、耐震化が完了しています。
総有効容量14,550立方メートルのうち、12,900立方メートル、つまり88.7パーセントが耐震化済みです。
残るのは、「船場東受水場(1,650立方メートル)」のみですが、船場東受水場は、企業団の千里浄水池内に現在整備を進めている共同ポンプ施設への機能移行と配水区域の再編によって、今後廃止できる予定です。

【坊島受水場】              【川合受水場】
  

次に「配水地」ですが、水道水は季節や天候、昼夜などの時間帯、ご家庭の生活リズムなどによって、使用量が大きく変化します。
配水池は、各ご家庭の様々な水の使い方=水の需要量に応じて、水道水を決して途切れることなく安定的に供給するために、一旦貯めておく施設です。
また、配水池は基本的に数時間から12時間程度は水を供給できる容量の水道水を貯めていますので、もしも上流で事故や渇水等が生じても、各ご家庭が直ちに断水することがないよう対応できます。
さらに、災害時にも配水池自体が無事ならば、一定時間は水の供給を継続できますし、応急給水の拠点としても活用できます。

 【小野原配水地】   【彩都中区配水地】
  
箕面市内には、耐震化の対象となる配水池が、12施設にわたって全部で 22池あります。
平成30(2018)年度末時点での配水池の耐震化の状況は、次の表のとおりです。

なお、大阪府内には、企業団や大阪市のような大規模事業体もありますので、大阪府内計と、大阪府総計を併記しておきます。

箕面市では、令和元(2019)年度に「箕面中区配水池」の耐震化も完了し、さらに令和2年度の水道事業会計予算として、「新稲低区配水池」の耐震化工事予算を市議会に提案しています。
この工事が完成すれば、箕面市の配水池の耐震化率は、約90パーセントに達する見込みです。

             【配水池の耐震化工事】
 

さらに、「浄水場」の耐震化については、次の表のとおりです。

箕面浄水場は耐震化済みで、桜ヶ丘浄水場は、万が一地震で損傷しても、他の配水地からバックアップが可能となっています。

なお、これら耐震化の状況は、毎年全国で実施される「水道統計」で集計・公表されます。
水道統計では、水道施設の耐震化は、基準に基づき「L2対応(地震動レベル2)」を想定しています。
地震動レベル2とは、その構造物が過去、将来にわたって受ける可能性のある最強と考えられる地震動、つまり、想定しうる範囲で最大規模の地震を指します。
この地震動に対して、構造物が倒壊したり、外壁が脱落したりして人命を奪うような被害を生じない安全な構造で、その機能が保持され、水道水の供給に支障を与えないよう、耐震化を進めています。

【箕面浄水場】              【桜ヶ丘浄水場】


<2>「水道管」の耐震化状況

水道管については、基本的に古くなった水道管(老朽管)の更新・入れ替えを計画的に進めています。
その際、新しく布設する水道管は、すべて「耐震管」を使用しています。

「耐震管」とは、地震の際でも、管と管を接続する継手部分に伸縮性と離脱防止機能を持たせて、継ぎ目の接合部分が離脱しない構造となっている水道管です。

耐震機能を有していない水道管は、地震が発生したときに、伸縮性がないものは継手部分がゆがんで破損する恐れがあり、離脱防止機能がないものは管が引っ張られて抜けてしまう可能性があります。

また、耐震管以外の水道管であっても、埋め立て地や盛土でなく、液状化の可能性のない「良い地盤」に埋設されたものについては、耐震性があると評価できる場合があります。
水道管が布設された地盤も考慮すれば耐震性があると評価できる管を、「耐震適合管」(耐震適合性のある管)と言い、耐震管もこの中に加えられます。

箕面市の全管路の耐震化の状況は、次の表のとおりです。

箕面市内には、市が設置・管理している水道管が、平成30(2018)年度末時点で全長約 513 キロメートルにわたって張り巡らされています。
このうち、耐震管の割合はまだ18.5パーセントで、地盤を考慮した耐震適合率でも26パーセント程度です。
水道管の耐震化については、決して高いと言える状況ではなく、まだまだ耐震化を進めていく必要があります。

もちろん、この水道管すべてを新しく入れ替えて素早く耐震化できれば良いのですが、そのためには莫大な費用と期間が必要です。

そこで全国的にも箕面市でも、災害時に重要な拠点となる避難所や病院などに水道を供給する水道管や、幹線道路に埋設されている水道管など、重要度・優先度、影響度などを考慮して、計画的に更新を進めています。
これら重要な水道管や影響度の大きい水道管を優先的に耐震化していくことによって、災害時に広範囲で水道管が破損し漏水・断水が生じても、影響区域をできるだけ縮小できるとともに、最低限、避難所や病院等までの給水が確保できるようになります。

また、優先度を考慮した耐震化の指標のひとつに、「基幹管路」があります。

基幹管路は、「導水管+送水管+配水本管」です。
全管路は、「導水管+送水管+配水本管+配水支管」です。
配水支管は、「配水管のうち、直接給水装置を分岐するもの」とされています。

ややこしいですね。

「河川や井戸」→「浄水場」へ原水を送る管が、「導水管」です。
「分岐」「浄水場」→「受水場」「配水地」に浄水を送る管が、「送水管」です。
「配水地」→「各ご家庭」に浄水を送る管が、「配水管」です。
この配水管も、「配水本管」と、そこから枝分かれして各ご家庭内の水道メーターに直接つながっている「配水支管」に分類されます。

箕面市では、平成30(2018)年度末時点で、「導水管」4,384メートル、「送水管」25,920メートル、「配水本管」16,154メートル、「配水支管」466,205メートル。
合計512,663メートルが、全水道管路の総延長です。
なので、箕面市内の基幹管路は、46,458メートル、配水支管は、466,205メートルとなります。

基幹管路は、水道全体の上流部に位置し、破損した場合に影響が大きいため、特に重要な管路です。
箕面市の基幹管路の耐震化の状況は、次の表のとおりです。


基幹管路の耐震管割合は、42.8パーセントで、地盤を考慮した耐震適合率は、43.1パーセントです。

なお、テレビや新聞などで、よく水道管の「耐震化率」のニュースが出ますが、その数値が、「耐震管割合」なのか「耐震適合率」なのか、水道管が、「全管路」なのか「基幹管路」なのかで、数値が異なります。
また、大阪府の平均値も、大阪市や企業団などを含む場合と含まない場合がありますので、統計資料を見るときには、注意が必要です。

              【水道管の工事の様子】

    
 ●基本・実施計画に基づいて

箕面市は今後も、「箕面市上下水道施設整備基本・実施計画(平成29年3月改訂)」に基づき、計画的・着実に水道施設・水道管の更新・耐震化を進めていきます。

この計画では、「水道料金を値上げすることなく、施設・管路の耐震化・更新事業を実施するための資金を確保する」ことを基本方針としています。

具体的には、平成27(2015)年度から令和16(2034)年度までの20年間で、水道施設の整備・再編・強化等に必要な建設改良費を、約162億円と試算しています。
このうち、主に水道施設・管路の更新・耐震化を実施するための資金として、20年間で約147億円を確保する目標となっています。

つまり、現行の水道料金を値上げすることなく、黒字経営を堅持し、かつ、水道施設・水道管の整備・再編や、更新・耐震化に必要な財源として、毎年度8.2億円を確保していくというミッションです。

そのためには、利用者サービスの質と独立採算の両方を重視し、収益と投資のバランスのとれた効率的な健全経営を継続していくことが不可欠です。

今後ともさらなる経営基盤の強化に努め、安全、安心、安価で良質な水道水の安定供給を全力で推進してまいります。
現在の水道を適切に維持することはもちろん、20年先、さらには50年先、100年先の世代までを見据えて、安定して水道水をお届けしていけるよう努力し続けることが、今を生きる私たちの責務です。

●災害に備えて、ぜひ水の備蓄を!!

箕面市内の水道施設・水道管のすべてを耐震化できるまでには、まだまだ相当の期間が必要です。
一方、地震は、いつ発生してもおかしくない状況です。
そのために、どうか皆さまご自身でも、災害に備えた「3日分の水の備蓄」を習慣づけていただきますよう、切にお願い申し上げます。

特に飲料水は、ひとり一日3リットル必要なので、
「一日 3 リットル× 3 日分× 家族の人数」の飲料水を、ぜひ備蓄しておいてください。

さらに、トイレや洗濯などの「生活用水の備蓄」や、給水拠点に水をくみに行くための「ポリタンク」も、普段から用意しておくことが有効です。 
災害による断水経験者によると、何本かのペットボトルやポリタンクなどに水道水を入れて置いておく方法が、生活用水の備蓄として推奨されています。 
災害直後には、ペットボトルやポリタンクが売り切れて買えない事例が頻発しています。

また、お風呂の水を抜かずに、いつも貯めておく方法もあります。 この場合、小さなお子様が浴槽に落ちないよう十分注意してください。
箕面市のホームページ「防災~今すぐ始める家庭の備え」も、ぜひご覧ください。



児童虐待をなくすためには、周囲のみなさんが子どものSOSサインに気づき、通報していただくことが、何より重要です。SOSサインに1つでも気づいたら、迷わず児童相談支援センター☎072-724-6233(夜間・休日は児童相談所全国共通ダイヤル☎189)へお電話ください。


「水」にまつわる名言 Part2 ~ 「水道哲学」 と 「たらい水哲学」

2020年01月31日 | 上下水道局

皆さま、こんにちは。上下水道局長の小野啓輔です。

「酔い醒めの 水千両と 値が決まり」

酒にまつわる落語(「うどん屋」とか「芝浜」とか)によく出てくる、決め言葉です。
宴会好き・酒好きで落語好きの私には、とてもなじみのある川柳です。

元は、「酔醒水値千両」という慣用句で、説明するのも野暮ですが、酔い醒めの起きぬけに飲む冷たい水は、このうえなく美味いです。
透明で無味無臭のただの水なのに、爽やかで、五臓六腑に沁みわたり、ほのかに甘く、甘露の様な深い味わい。

「酔い醒めの、甘露の水の、愛おしさ」  
酒飲みは、実感としてわかる言葉です。

「酔い醒めの水、下戸知らず」 
酒飲みの、せめてもの優越感です。

酔い醒めの水は、科学的にもお勧めです。
アルコールには利尿作用があり、飲み過ぎると体内の水分が過剰に排出されて欠乏し、脱水状態になります。
また、肝臓でアルコールを分解する時、「アセトアルデヒド」という成分が発生します。
これが二日酔いの原因の一つで、飲酒後に身体の水分が足りていないと、効率的にこのアセトアルデヒドを排出する事ができません。
なので、お酒を飲んでいる最中も、飲んだ後も、「水分補給」が不可欠です。
「二日酔い」の予防と回復には、ぜひ 安全・安心でおいしい「水道水」 を、しっかりとお飲みください!!

「酔い醒めの 水飲みたさに 酒を飲み」
結局、酒飲みは、反省しませんね・・・。自戒を込めて。
以前、健康福祉部長時代に自分に向けて書いた酒の注意事項ブログ 「酒と涙と年末年始」 を、もう一度、読み返してみます。
今日のテーマは、「水」にまつわる名言 Part2です。



●「水道哲学」

私の以前のブログ「「水」にまつわる名言」では、「万物の根源は水である」「上善は水のごとし」「水見舞いに水」「水のこころ」をご紹介しました。
今回は、水にまつわる「二大経営哲学」を取り上げます。

まずは「水道哲学(すいどうてつがく)」から。
これは、経営の神様、松下幸之助さんが掲げた経営哲学です。

幼い頃に貧しさに苦しんだ幸之助さん。事業の拡大とともにたどり着いたのが、水道の水のように低価格で良質なものを大量供給することによって物価を下げ、必要な商品が消費者の手に気軽に行き届くような社会をめざし貧困を失くしたいという考え方です。

実は、松下電器の創業は、大正7年(1918年)3月7日ですが、同社の創業記念日は、昭和7年(1932年)5月5日となっています。
それは、松下幸之助さんが自らの目的・使命感と経営の方向性を明確に定め、社員に宣言したのが昭和7年(1932年)5月5日だったからです。

         

その年、かねてから事業経営のあり方に思い巡らしていた幸之助さんは、
「事業経営もまた、人間生活の維持向上に必要不可欠な物資を生産する聖なる事業ではないか。昔から、“四百四病の病より貧ほどつらいものはない”ということわざがあるが、われわれには、その貧乏をなくすために、刻苦勉励、生産に次ぐ生産によってこの世に物資を豊富に生み出す尊い使命がある」
と自覚し、今まではただ商売の常道に従っていたにすぎないが、これからはこの「真使命」に立って事業経営を進めようと決心しました。

そこで、その年の5月5日、端午の節句を期して、大阪の中央電気倶楽部で松下電器製作所の第1回創業記念式を開催し、当時の全社員168人を前に、社主として創業理念をこう語りました。

「産業人の使命は貧乏の克服である。そのためには、物資の生産に次ぐ生産をもって、富を増大しなければならない。水道の水は加工された価(あたい)のある物であるが、道ばたの水道水を通行人が飲んでも誰にも咎(とが)められることはない。それはその量が豊富で、価格があまりにも安価だからである。産業人の使命も、水道の水のごとく、物資を安価無尽蔵たらしめ、無代に等しい価格で提供する事にある。それによって、人生に幸福をもたらし、この世に極楽楽土を建設する事が出来るのである。松下電器の真使命もまたその点に在る。」

そして、この真使命を達成するために、「この日以降、建設時代10年、活動時代10年、社会貢献時代5年、計25年を1節とし、以後同じ方針・方途を時代の人々に伝えつつ、これを10節繰り返し、250年後に楽土の建設を達成しよう。」という、壮大な250年計画を提示しました。

この250年後を見据えた創業者の崇高な使命、遠大な理想に、社員全員が驚き感激し、自らも決意を発表しようと次々と壇上に駆け上がる者が続出し、会場はいつしか興奮のるつぼと化したと言われています。
結局、午前10時に開会した式典は、午後6時にようやく閉会したそうです。
社員の心が一つに結束したこの日を、幸之助さんは「創業命知(事業の真使命を知る)第1年」とし、以後毎年5月5日を創業記念日に制定、「250年計画」に向けて同社は歩みを進め、さまざまな製品にこの哲学が映し出されていると言われています。
この考え方は、後に「松下幸之助の水道哲学」という呼称で広まり、経営の神様の経営理念の真髄として、多くの人々に影響を与えることとなりました。

もちろん「水道哲学」は、今から約90年前の理念で、高度経済成長、大量生産・大量消費の時代と現代とでは、社会や経営の環境が大きく異なります。
しかし、個人と仕事の目的・使命感、より良い仕事・良い物づくり、技術革新を追求する探求心・向上心、貧困を無くしたい、社会を少しでも良くしていきたいという公共心、人生観、人間力など、今でも学ぶべき事柄がたくさん詰まった名言だと思います。

   

●「たらい水哲学」

「欲心を起こして水を自分の方にかきよせると、向こうに逃げる。
 人のためにと向こうに押しやれば、わが方にかえる。
 金銭も、物質も、人の幸福もまた同じことである。
 少し押せば少し帰り、強く押せば強く帰る。」(二宮尊徳)
                    
「二宮尊徳」さん(幼名は金次郎)、今では知らない人が多くなってきました。
昔は、小学校に必ず、薪を背負いながら本を読んで歩く「二宮金次郎の像」がありましたね。(箕面市内では、今も残っている学校があります。)

  

また、「たらい」という言葉も、若い人には通じないかもしれません。
洗濯機がなかった時代には、洗濯板とともに洗濯に欠かせない道具でしたが、今ではほとんど見かけなくなりました。
もう、「たらいで行水」することもありませんね。
たらいは、平たい桶(おけ)のことで、通常丸い形をしています。
寿司桶の大きいヤツ と言えば、イメージできるでしょうか?

  

そのたらいに水を入れて、自分のほうに、自分のほうにと何度も水を引き寄せても、水は横から向こうのほうに逃げてしまいます。
しかし反対に、向こうへ向こうへと手元から向こう側に押し出すと、水はたらいの中でぐるっと回って、やがて自分のほうへ戻ってきます。

水を奪い合って自分のほうにばかり欲張ってかき寄せても、結局他人のほうにいってしまう。逆に相手に与えると、水はこちらに帰ってくる。
幸福を独り占めしようとすると逃げてしまうが、相手のために尽くしていると幸福は勝手にやってくる、利己の心ではなく、利他の心で生きていきなさい との教えです。

二宮尊徳さんは、江戸時代末期の農政家・思想家で、経世済民をめざして報徳思想を唱え、農村復興を推進した偉人です。
彼は、この教訓を何人にも分かるように、開墾事業の視察に行っては、仕事の休みの時間などに、実際にたらいに水をくんで、水を前や後ろに押しながら話をされたそうです。
この考え方は、「たらいの法則」とか「たらいの水の原理」、「たらい水哲学」などと呼ばれ、人々に広がっていきました。

著名な企業人や実業家、学者などにも、よく引用されます。
特に、企業人にとって、なじみやすい経営哲学でもあったようです。
たらいの「水」は、企業にとって「顧客」であり「利益」「お金」でもあります。
自分だけ儲けようとしても儲からない。
儲けることばかりを考え、品質よりもコスト削減を優先し、短期的な利益を追い求めると、いずれは顧客に逃げられてしまう。
それよりも、顧客の利益を優先し、お客様が喜ぶようにすることで、結果として、水はこちらに帰ってくる。
実際、渋沢栄一さん、豊田佐吉さん、松下幸之助さんなど、二宮尊徳翁の影響を受けた経済人はとても多いです。
また、「推譲の理」、「先に人を喜ばさないと物事はうまくいかない」、
「与えるものは魅力が増し、求めるものは魅力が減る」
「人に対して何ができるか? どうやったら喜んでもらえるか? まずそれをやるのが、商売の原点」などなど、「たらい水哲学」から派生する経営哲学も数多く生まれています。

しかし「たらい水哲学」は、単に「利益を得たいならば、先に利益を与えなさい」「やがて自分に戻ってくるから、まずは水を押しておこう。そのほうが得だ。」
という表層的な損得勘定で理解されるべきものではありません。

実は、この「たらい水哲学」には、前段と、さらに深い意味があるのです。

二宮尊徳さんの子孫のかたのお話を、引用します。

「人間は皆空っぽのたらいのような状態で生まれてくる、つまり最初は財産も能力も何も持たずに生まれてくるというのが前段にあるのです。
そしてそのたらいに自然やたくさんの人たちが水を満たしてくれる。その水のありがたさに気づいた人だけが他人にもあげたくなり、誰かに幸せになってほしいと感じて水を相手のほうに押しやろうとするんです。
 そして幸せというのは、自分はもう要りませんと他人に譲ってもまた戻ってくるし、絶対に自分から離れないものだけれど、その水を自分のものだと考えたり、水を満たしてもらうことを当たり前と錯覚して、足りない足りない、もっともっととかき集めようとすると、幸せが逃げていくんだというたとえ話だと教わったんです。」

「何も持たず空っぽのたらいとして生まれた自分に、いまや豊かになみなみと水が注がれている。親や先祖が、先生が友人が、同時代を生きる同志が、、、たらいを満タンにしてくれた。ワクワクするようなその感激こそが「この水を他者にも受け取ってほしいという欲求を生み、この欲求が人を「水を押す」行動へと駆り立てるのです。」

「もちろん、水を推すのは決して義務感による行為ではありません。しなければならないことではなく、せずにはいられないこと、といったイメージでしょう。」
(『二宮金次郎の幸福論』中桐万里子さん著 致知出版社)

二宮尊徳さんは、経済と道徳の融和を訴え、私利私欲に走るのではなく社会に貢献すれば、いずれ自らにも還元される「報徳思想」を説いています。
それは、「至誠・勤労・分度・推譲の実践」のなかで、はじめて人は物質的にも精神的にも豊かに暮らすことができる、「徳が徳によって報われていく教え」だとされています。

高度成長から成熟社会への大きな転換期を迎える現代社会において、正義や誠実、人情や優しさが失われ、自分本位の利己のみに走る風潮が強い中、殺伐とした事件も多発しています。
また、人々の協働や連帯に基づき、誰もがともに働き、ともに生きていくことができる持続可能な共生社会づくりが求められています。
このような、経済成長のみでは解決しえない社会的孤立や格差、分断などの社会問題・課題に取り組む新しい視点として、二宮尊徳さんの報徳思想が、懐古主義ではなく現代的に見直され、注目されています。

実際に、相次ぐ飢饉・貧困で荒廃しきった全国の農村を600か所以上復興し、人としての生きる道を実践を通じて示していった二宮尊徳さん。
その根幹を成す「たらい水哲学」は、単なる損得の技法ではなく、感謝と報恩、経済と道徳、謙虚と社会貢献、幸福のありか、自立と共生など、二宮尊徳翁の真髄が込められた、奥深い名言となっています。

●公営企業の経営者として

今回、水にまつわる二つの経営哲学を見てきました。

私は、地方公務員ですが、水道事業会計と公共下水道事業会計という公営企業を所管する経営者のはしくれでもあります。
しかし、「水道哲学」も「たらい水哲学」も、もし上下水道局に来ていなければ、きっと出会っていなかった考え方です。

もちろん経営者として、二宮尊徳翁や松下幸之助翁には、とうてい遠く及びませんが、
縁あって、公営企業の経営に携わる身となった現在、
これら、水にまつわる経営哲学をあらためて心に刻み、
市民の皆さま、そして箕面のまちづくりに少しでも貢献できるよう、
より大きな視点と志を持って、日々の経営を進めてまいります。

児童虐待をなくすためには、周囲のみなさんが子どものSOSサインに気づき、通報していただくことが、何より重要です。SOSサインに1つでも気づいたら、迷わず児童相談支援センター☎072-724-6233(夜間・休日は児童相談所全国共通ダイヤル☎189)へお電話ください。 


水道凍結の歌

2020年01月08日 | 上下水道局

皆さま、新年あけましておめでとうございます。
上下水道局長の小野啓輔です。
今年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

わたくし、今年は、「としおとこ(年男)」です。
なにを隠そう、還暦です。
あまり実感はありませんが、長寿の仲間入りです。
これからさらに、古希70歳、喜寿77歳、傘寿80歳、米寿88歳、卒寿90歳、白寿99歳、紀寿100歳、そして大還暦120歳と続くそうです。
どこまでいけるのか?は全くわかりませんが、 ともかく還暦を無事迎えることができた有り難さに、 今までお世話になりましたすべての方々に、心から感謝申し上げます。
「赤いちゃんちゃんこ」を着る気は全くありませんが、 もう一度生まれ変わって赤ちゃんに還った気で、 新たな人生を、日々新鮮に、大切に生きていきます。

今日のテーマは、この時期の上下水道局の定番、
「水道の凍結防止」です。

●水道凍結の歌

冬真っ盛りです。
この時期、上下水道局がぜひともお伝えしたいことは、次の2つ。
(1)水道凍結の事前防止のお勧め
(2)もし水道管が凍ったら、やるべきこと

これを歴代の局長は、あの手この手でブログを工夫し、お伝えしてきました。

今年は、やっぱり「この歌」で、いきます。

「水道凍結の歌」

去年も少しご紹介しましたが、箕面市上下水道局が誇る名シナリオライター職員が作ったもので、お伝えすべき事項が、歌詞にうまく織り込まれており、実によく出来ています。

なお、歌の曲は、一応「ごんべさんの赤ちゃんがかぜひいた」を想定しています。
「おたまじゃくしはカエルの子」や「エキサイト」「よどばし」のテーマソングでもあります。
原曲は、「リパブリック賛歌」という、アメリカ民謡だそうです。

 

●1番「水道凍結を防ぐために」

それでは1番から順に、歌詞の内容を見ていきましょう。

 ♪♪冬になったら要注意
 
   寒さの厳しい朝などに      
        水道管の中の水 
     凍って出なくなっちゃうよ  ♪♪

【解説】
寒さが厳しくなる冬季(12月~2月)は、気温が氷点下になり、水道管の中の水が、凍ってしまうことがあります。
水は凍ると流れなくなり、蛇口をひねっても、水が出ません。
水道が“あたりまえ”に使えないと、日常生活に大きな支障が出てしまいます。

箕面市でも実際に、広範囲で水道の凍結が発生したことがあります。
例えば、平成28年(2016年)1月25日未明から26日にかけて、西日本を猛烈な寒波が襲いました。
25日の早朝から、市内各地で水道の凍結が多発し、市民の方から「水が出ない」「隣の露出した蛇口が破裂し水が流れている」など、水道の凍結や漏水に関する相談が殺到しました。
そのため上下水道局の職員25名で、受付・広報・止水作業・記録の各班を特別編成して対応するとともに、本市と災害協定を締結している「箕面市管工事業協同組合」に修理受付窓口の延長協力を要請しました。
結局、25日から26日にかけて、凍結や漏水による問い合わせ件数は、約180件、そのうち給水管等の破損が約130件ありました。

♪♪ 特におうちの外にある
    水道管は要注意
    メーターボックスの中の
    水道管も要注意  ♪♪

【解説】
屋外にむき出しになっていたり、風当たりが強い場所にあったり、北向きの日陰にあったりする水道管は、特に気をつけてください。
例えば、洗車・散水用の水道管、給湯器に接続している水道管、屋外の水道メーター付近、マンションの受水槽周りの水道管、タンクに水を揚げる水道管、屋上緑化の灌水装置なども、屋外で露出しており、蛇口も凍りますので要注意です。
また、屋外にある「メーターボックス」も地上に露出しており、凍結しやすい場所です。

♪♪ 凍らぬようにするために
    どうしといたらいいのかな?
    巻き付けとこう、布テープ
    水道管のマフラーだ  ♪♪

【解説】
寒波が来る前に、水道管を保温し冷やさないようにすることで、気温が氷点下になっても凍結を防ぐことができます。
屋外にある水道管を確認していただき、寒さ対策がまだの場合は、水道管や蛇口に古い布やタオル、市販の保温材を巻いて、水がしみこまないよう布テープやビニールテープを巻きつけるなどしてください。
隙間があったり、水がしみこんだりすると、保温効果が落ちてしまいます。 蛇口が屋外にある場合は、上部まで完全に包んでください。
ビニール袋やダンボールをかぶせる方法もあります。

また、メーターボックスの中にも古い布・タオルや新聞、保温材を入れたり巻き付けたりして、メーター付近の水道管を保温してください。
ここでも保温材は水に濡れないよう、ビニール袋などに詰めてから入れるようにしてください。
戸建住宅だけでなく、マンションの玄関横にあるメーターボックス内の水道管が凍った事例もありますので、ご注意ください。

特に忘れがちなのは「屋外設置型の給湯器」です。
これにも水道管が接続されていますので寒さ対策が済んでいるか確認してください。

 


♪♪ 特にマイナス4度以下
    おうちのどこかいっかしょで、
    朝まで水を出しとこう
    出しておくのはごく細く  ♪♪

【解説】
最低気温が「マイナス4度」(風が強いところでは「マイナス1~2度」)を下回ると、水道管の凍結が起こりやすくなります。

上下水道局では、箕面市の天気予報を常に確認しながら、翌日の最低気温が「マイナス4度」以下との予報がでると、前日に、市民安全メール、ツイッター、LINE、みのおFMタッキー816、市ホームページなどを通じて、市民の皆さまに、水道管の凍結のおそれがあることを注意喚起しています。

また、日本気象協会が気象指数のひとつとして示している「水道凍結指数」も参考にしてください。

     
水は流れていると凍結しにくいものです。
同じ気温のときに、池の水は凍結するのに、川の水は凍結しないのと同じです。
寒くなる天気予報が出たら、前日の就寝前に、自宅内の一か所の蛇口から、一晩中、鉛筆の芯くらいの水を流し続けてください。
これにより、水道管内の水が流れたままの状態が続き、水は凍りにくくなります。

流し続けた水については、水道料金がかかりますので、出し過ぎにはご注意ください。
お風呂の浴槽やバケツなどに水をためておくと、流した水を有効利用できます。

ただし、水ではなくお湯を出しっぱなしにして何時間も放置していると、ガスの安全装置が作動する可能性があるので、ご注意ください。 ソーラー温水器やボイラーは、元栓を閉め水抜きをしてください。

♪♪ おうちの留守が続くとき
    水漏れトラブル防ぐため
    おうちの外の止水栓
    出かける前に閉めとこう  ♪♪

【解説】
冬場に旅行や出張などで家を数日間、留守にされる場合も、水道の凍結が起こりやすくなりますのでご注意ください。
もし留守中に凍結が起こり、水道管が破損したりひび割れしたりして水漏れが発生すると、対応が遅れて、その間、水が漏れ続ける事態も起こります。
それを防ぐために、出かける前には、ぜひ止水栓を閉めておきましょう。
止水栓の閉め方は、後述します。

ここまでが、水道凍結の歌の1番「水道凍結を防ぐために」です。

水道の凍結防止に関する市のホームページは、こちら。 
または、私の部長ブログ「真冬が来る前に ~ 水道管にも冬支度を!!」もご覧ください。


●2番「もしも水道が凍ったなら」

次は、水道凍結の歌の2番「もしも水道が凍ったなら」を見ていきます。
適切に対応しないと、最悪の場合は水道管が破裂し、破裂した所から水が漏れ出すことも起こってしまいます。
凍結解消法は、「急がず・焦らず」行うことがコツです。

 ♪♪ それでも凍ってしまったら
    自然に解けるの待ちましょう
    そのまま外出するときは
    蛇口締めたか確かめて  ♪♪

【解説】
水道が凍ってしまったら、対応策は、
(1)急ぐ必要がないなら、解けるまで放置する(気長に待つ)
(2)ぬるま湯をかけるなど、凍結箇所をゆっくり温める  という2択です。

もしも、水道をすぐに使わない場合には、自然に解けるのを待つのが正解です。
水道管や蛇口などの破損の危険を最小限にできる方法です。
日中になって時間が経てば気温も上がるので、凍結が自然に解消される場合が多いです。

また、水が出ないからと、蛇口を開けたままにしておくと、やがて凍結が解けて、気がつかないうちに、水がずっと出っぱなしになってしまうことがあります。
水道が凍結している間に外出する際には、必ず蛇口を締めたか確かめましょう。

♪♪ 凍った水を溶かすとき
    タオルをかぶせてゆっくりと
    ぬるま湯かけるだけにして
    熱湯だけはかけちゃだめ  ♪♪

【解説】
どうしても急ぐ場合には、凍結部分にタオルをかぶせて、その上から「ぬるま湯」をゆっくりかけて温める方法があります。

その際、ぜひとも注意していただきたいのが、絶対に「熱湯をかけない」という点です。

熱湯をかけると、水道管の内側は冷たいままなのに外側だけが熱くなって膨張するなど、急激な温度変化と熱膨張が起こり、水道管が破損しやすくなります。
水道の凍結は、ゆっくりと徐々に溶かすようにすることが重要です。

露出して凍結している水道管にタオルなどを被せ、その上からゆっくりと少しずつお湯(人肌程度のぬるま湯)を地道にかけてください。
こうすれば、水道管に徐々に熱が伝わって、凍結を解消できます。

もし凍結部分が、蛇口や水道メーター前後の部分なら、蛇口や、メーターの両側にあるパイプ部分にタオルをあてて、その上から、ぬるま湯をゆっくりかけてください。 水道メーターにお湯をかけると破損しますから、絶対にかけないでください。


♪♪ 凍った水が解けたとき
    安心するのはまだ早い
    水道管が破裂して
    水漏れしてるおそれあり ♪♪

【解説】
水道が凍結すると、水道管や蛇口などが破損してしまうことがあります。
亀裂・ひび割れが入った箇所から水がしみ出したり、破裂した水道管から水が流れ出したり。
破裂やひび割れの場合、勢いよく水が吹き出ますのでわかりますが、ちょっとした漏水ですとわからない場合があります。
水道水は限りある資源ですので、漏水という無駄は出来るだけ最小限にしたいものです。
さらに建物に対しても決して良いことにはなりません。
敷地内で、水道管や蛇口などの水栓金具の亀裂や破損を発見した場合は、修理が必要となります。

♪♪ 凍った水が解けたとき
    水漏れ確認するために、
    おうちの蛇口全部締め
    水道メーター見てみてね  ♪♪

【解説】
過去に水道の凍結が多発したときに、壁の中など、わかりにくい場所で水道管が破損していて、使用者の方は水道管の破損に気づかずに、漏水状態が続き、次の検針時に検針員が漏水を発見するというケースが多々ありました。
なかには、次の検針までに2か月近く漏水状態が続き、多量の漏水が発生したケースもありました。

そこで、ご自身で簡単に出来る【水道の漏水チェック方法】について、ご紹介します。

具体的な手順は、次のとおりです。

凍結した水道管から水が出るようになってから、
(1)まず、建物の中や敷地内にある水道の蛇口を全て閉めて、水が出ないようにする。
(2)水洗トイレの便器の中で、ムダな水が出ていないかチェックする。
(3)水道メーターボックス(量水器)を開けて、水道メーターのパイロットを見て、「漏水チェック」する。

【漏水チェックの方法】

家の「水道メーターボックス(量水器)」の蓋を開けます。
蓋を開けると、青い蓋の「水道メーター」と、その横の「止水栓」が見つかります。

 

水道メーターの蓋を開けて、パイロットをチェックします。
                          

パイロットが回転していると水が流れています。

 

(この「回転するパイロット」は、倉吉市水道局さんの作品です。
 とてもわかりやすいので、ご厚意により引用させていただいています。)

水道メーターの中にある小さい円盤状の部分が「パイロット」です。
中心部分が赤色のキラキラしたボタンのようなものです。
水道の水が流れていると、このパイロットが回転します。
一定量が流れると、メーターの数字が動きます。
屋内外のすべての蛇口を閉めているのに、このパイロットが少しでも回転していたり、メーターが動いていたりする場合は、敷地内の水道管のどこかで水が漏れている可能性があります。
漏水しているかどうかのチェック方法は、詳しくはこちら。

♪♪ メーター動いていたならば
    水漏れしてるよ大変だ
    メーター横の止水栓
    まず閉めてから修理呼ぼう  ♪♪

【解説】
漏水に気づいたら、まず必要なのは、「水を止める」ことで、 次に必要なのが、「修理を依頼する」ことです。

<1>まず、水を止める

水道管が破損した場合は、まず水を止めなければなりません。
破損した箇所よりも水道の元栓(「止水栓」と言います)に近い場所に 栓があれば、そこを閉めます。
栓がなければ、止水栓を閉めなければ水が止まりません。
止水栓は、家の水道メーターボックス(量水器)の中に設置されています。
この機会に、止水栓の場所と作動状況を確認してください。

止水栓には、いろんなタイプがあります。
最近の止水栓は、回す部分が丸いものが主流ですが、T型のものや、開け閉めするのにペンチやスパナが必要なものもあります。
また、砂や石に埋まっている場合もあります。
止水栓は、普段から年2回程度動かして作動状況を確認しておくと、いざという時にもスムーズに対応できます。



<2>修理を依頼する

「箕面市指定給水装置工事事業者」に修理を依頼してください。
ただし、分譲マンションや賃貸マンション・アパートの場合は、管理会社や所有者等に相談してください。

個人敷地内の給水管や給水装置の修理については、自己負担となります。

詳しくは、市のホームページ 『個人敷地内(住宅や事業所など)の水道や下水道の工事について』を ご覧ください。

止水栓の閉めかたや指定給水装置工事事業者がわからないときは、
箕面市上下水道局水道工務室(電話072-724-6759、FAX 072-722-7413 )にお問い合わせください。

箕面市上下水道局では、 水道管が破損した場合、使用者からの通報があれば、止水栓の閉め方をお伝えし、
箕面市指定給水装置工事事業者に修理を依頼するよう勧めています。
「どこの業者に依頼したらいいかわからない」場合は、市と災害時応援協定を締結している「箕面市管工事業協同組合」などをご紹介しています。

なお、夜間・休日の漏水などで、お急ぎの場合は、
箕面市上下水道局の休日・夜間専用緊急連絡先(電話番号072-722-3055)までご連絡ください。

また、水漏れした場合の上下水道料金は、状況によって、漏水した水量の料金の一部を減免する制度があります。
凍結による漏水の場合も、漏水の修理が終われば、上下水道料金を減免できるかどうかを
上下水道局料金センター(電話072-724-6756、FAX 072-722-7416 )にお尋ねください。

減免できる場合は、漏水箇所を修理後、修理した事業者に「漏水修繕工事報告書」及び「修繕前・修繕後の写真」を請求してください。
お受け取りになった「漏水修繕工事報告書」と「写真」と「印鑑」を持って、上下水道局庁舎1階の料金センター窓口へお越しください。
窓口では「上下水道料金漏水減免申請書」(窓口で発行いたします。)で減免を申請していただきます。
漏水の減免は、原則として1回分の上下水道料金のみが対象となりますので、水漏れがわかった場合は、早急に修理してください。

漏水減免について、詳しくはこちらをご覧ください。

また、「水道が凍ったら、やるべきこと」全般については、私の部長ブログ「もしも 水道が凍ったなら」もご覧ください。

●備えあれば、憂いなし。後悔、先に立たず。  

水道は、私たちの生活に欠かすことのできないライフラインです。
水道が凍結すれば、飲み水はもちろんのこと、洗面・歯みがき、炊事・洗濯、トイレにも困ります。
また、水道が破損したり、漏水したりと、予想外の時間や出費なども発生してしまいます。
さらに、アパートなど集合住宅では、他の部屋への水漏れ被害の弁償など、深刻なトラブルや、多額の出費が伴う可能性も皆無ではありません。

凍結防止の意識を高め、寒波が予報される前に、必ず対策=水道管の冬支度を実行してください。
何も対策しなかった結果、凍結してしまって後悔しても遅いです。

また、万が一の水道凍結と断水に備えて、普段から「水の備蓄」もお願いします。
備蓄水があれば、水道が凍結したときも、あせって無理して解消せずとも、自然に解けるのを待つこともできます。
皆さまのご協力を、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

児童虐待をなくすためには、周囲のみなさんが子どものSOSサインに気づき、通報していただくことが、何より重要です。SOSサインに1つでも気づいたら、迷わず児童相談支援センター☎072-724-6233(夜間・休日は児童相談所全国共通ダイヤル☎189)へお電話ください。


命の水 ~ 「応急給水」の訓練

2019年12月12日 | 上下水道局

皆さま、こんにちは。上下水道局長の小野啓輔です。

師走です。

今年も振り返ると、全国で、地震や台風・豪雨などの災害被害が多発しました。
そして、土砂崩れによる浄水場の損壊や、水道管の破裂、雨水の浸水、長期停電による断水など、各地で上下水道施設も被災し、市民生活に多大な影響が続いている状況が報道などで伝えられ、とても他人事と思えません。

箕面市で同じ事が起こったら、どうなるか? 
緊張とシミュレーションの日々を重ねています。

そこで先日、地震や風水害等による水道管の破裂と断水を想定した「応急給水訓練」を実施しました。
今回は、いつもと少し違った形での訓練を試みましたので、その状況をお伝えします。


 【以前の応急給水訓練の様子】

●訓練の概要

11月26日(火曜日)の午後1時30分から、箕面市坊島受水場で、「応急給水訓練」を行いました。
参加したのは、上下水道局職員10名と、箕面市管工事業協同組合の皆さん10名。

箕面市管工事業協同組合は、箕面町時代の昭和26年(1951年)に発足した共同組合にルーツを持ち、箕面市を拠点に、地元密着の上下水道指定工事事業者が加盟されている有志の組合です。
水を通して暮らしと社会貢献に取り組んでおられ、毎年6月の水道週間には、市と共催で街頭キャンペーンなども行っています。

箕面市管工事業協同組合のホームページは、こちら

【水道週間の街頭キャンペーン】

また、平成23年(2011年)4月には、『災害時における上下水道施設等の応急復旧作業に関する協定』を市と組合とで締結しています。

この協定は、地震、風水害、寒波その他の災害が発生し、水道施設や下水道施設等に緊急に復旧作業が必要となった場合に、箕面市からの協力要請により、箕面市管工事業協同組合の組合員が迅速に復旧作業を支援できるよう、必要な事項を定めたものです。

協定締結以来、災害時の対策などについて、毎年意見交換を実施してきましたが、近年のゲリラ豪雨や台風、地震などの多発状況を踏まえ、このたび「行政と民間事業者の連携」を意識し、初めて合同の実地訓練を実施しました。

訓練では、箕面市内の一定地域の断水を想定し、「消火栓」に「水道用ポリエチレン管」をつないで、管末に「簡易給水栓スタンド」を設置し、飲料水を出すという「応急給水」を、実際に行いました。

これまで、箕面市単独の訓練や、大阪広域水道企業団との合同訓練、日本水道協会大阪府支部での訓練、豊能地区3市2町の訓練などは実施してきましたが、「公・民の連携」による合同訓練は、初めてです。

また、普段は「消火ホース」による給水を行っていますが、今回は新しい「水道用ポリエチレン管」による給水を試行しました。

この「水道用ポリエチレン管」は、強度や耐久性、柔軟性に優れ、軽量で扱いやすく、通水もスムーズで、リユーズも可能という特徴を持ち、今回は、株式会社 光明製作所さんのご協力でお借りすることができました。
光明製作所さんは、水道器具製造、販売及び仮設配管資材レンタルの会社で、大阪府和泉市に本社があり、箕面市管工事業協同組合と災害協定も結んでおられます。
当日は社員さん2名のかたが、20本の多様なポリエチレン管と継手・部材等を箕面まで運んでいただき、実地訓練にも参加してくださいました。

●応急給水の手順

それでは、具体的な応急給水訓練の手順をご紹介します。

まずは、消火栓の確認です。

下の写真が、坊島受水場にある「双頭式消火栓」です。
一般の消火栓は、マンホールの下などにありますが、ここの消火栓は、給水拠点となることも想定し、地上に出ています。

T字型の開栓キーで仕切弁を開けて、水が出ることを確認します。
 

 この消火栓に、「フレキシブル管」をつなぎます。

 
次に、給水場所まで水を送るため、水道用ポリエチレン管をつないでいきます。


ポリエチレン管をつなぐ「継手」は、こうなっています。


エルボー継手などを使って、直角にも曲げられます。


テキパキと、迅速に出来ていきます。  


水道用ポリエチレン管が、給水場所まで届きました。
給水場所で、簡易給水栓スタンドにつなぎます。

これが、給水栓スタンドです。


しっかりとつないで、完成。

 
消火栓の仕切弁をT字型の開栓キーで回して開くと、
給水栓スタンドの蛇口から無事に水が出ました。

 
さらに、この水が適切に飲めるかどうかを、検査します。

もちろん、消火栓まで来ている水は、箕面市の水道水ですので、適切に水質検査された安全・安心に飲める水です。
応急給水の場合、緊急に設置した仮設管や簡易給水栓を水が通るため、念のために検査を行います。

色度や濁度などは、目視で確認しますが、残留塩素は、「残留塩素計」で検査します。
日本の水道水は、通常、塩素により消毒されて供給されています。
塩素が消えた水道水は、病原菌などが繁殖しやすく、飲用に適さない場合があります。
長く汲み置きした水道水を飲んではいけないのも、塩素が消えて水質が低下してしまうからです。
なので、水道水にどれだけ塩素が残っているか、「残留塩素」を測定することが重要です。

給水栓スタンドの蛇口から取った水を、透明な容器(セル)に入れて、塩素検出指示薬(DPD)を混ぜると、塩素と反応し、紫色に変化します。


その容器を「残留塩素計」に入れると、塩素濃度がデジタル表示されます。


水道法で定められている残留塩素の基準は、「1リットルにつき0.1ミリグラム以上」とされており、また上限の目標値は「1リットルにつき1ミリグラム以下」とされています。
なので、ここで測定した数値「0.68」は、適正値です。 殺菌・消毒力が適切に残っており、安心・安全な水道水ということが確認できました。

なお余談ですが、この「透明な水道水が、指示薬を入れると、塩素に反応して色が変化する」ことを悪用して、「おたくの水道水は、有害な不純物が混ざってます。ほら、紫色になったでしょう。」とウソを言い、高額な浄水器を売りつける悪徳商法が全国で多発したことがありました。十分お気を付けください。

訓練終了後の意見交換会では、水道用ポリエチレン管の特徴や、仮設配管への利用状況、災害時の応急給水では、応急管が道路をまたぐことも多く、ポリエチレン管が自動車荷重にどれだけ耐えられるかなどの質問や意見も出ていました。

今後も引き続き、研究や協議・検証、訓練を重ね、より良い応急給水のあり方をめざしていきます。

今回の応急給水訓練にご協力いただきました「箕面市管工事業協同組合」の皆さま、「株式会社 光明製作所」の皆さまに感謝いたします。
誠にありがとうございました。  

    

●災害に備えて、ぜひ水の備蓄を!!

箕面市では、今回ご紹介した「消火栓からの給水」のほか、「各避難所での拠点給水」や、大阪広域水道企業団が箕面市内21か所に設置している「あんしん給水栓による給水」、他市町村などによる「応援給水」など、複数の応急給水方法を想定しています。

特に大規模な災害時には、避難所が開設されることが多いため、「各避難所での拠点給水」を基本とし、各避難所には、耐震型の貯水槽と、給水栓などの備品も配置しています。

災害や断水の程度や被害状況によって、どれかの方法が実施困難な場合に、他の方法での給水ができるよう、重層的・多層的な備えが重要です。

また、大きな災害の場合、行政機関も被災し、道路や交通、通信なども遮断され、発災直後の3日間は、支援が届かない事態となる可能性も高いです。

いざというときのために、市民の皆さまが普段から備えておくことも不可欠です。

どうか、災害に備えて、各ご家庭で「3日分」の水と食糧の備蓄をお願いします。
特に飲料水は、ひとり一日3リットル必要なので、
「一日3リットル×3日分×家族の人数」の飲料水をぜひ備蓄しておいてください。

さらに、トイレや洗濯などの「生活用水の備蓄」や、給水拠点に水をくみに行くための「ポリタンク」も、普段から用意しておくことが有効です。
災害による断水経験者によると、何本かのペットボトルやポリタンクなどに水道水を入れて置いておく方法が、生活用水の備蓄として推奨されています。
災害直後には、ペットボトルやポリタンクが売り切れて買えない事例が頻発しています。
また、お風呂の水を抜かずに、いつも貯めておく方法もあります。 この場合、小さなお子様が浴槽に落ちないよう十分注意してください。

箕面市のホームページ「防災~今すぐ始める家庭の備え」も、ぜひご覧ください。



欄外附記です。

師走を迎え、胸を衝くショックな大事件が起きました。
凶弾に倒れた中村哲さんの訃報です。

アフガニスタンで、ハンセン病治療に始まり、1,600の井戸と全長30キロもの用水路を、現地の人々とともに築き、砂漠を緑の農地に変え、戦争と干魃で追い詰められた人々の命と仕事と生活を切り拓いた大地の医師。
30年以上に渡って現地に暮らし、その風土や文化、人々とともに進む人道支援を実践されてこられた「日本の希望・世界の宝」と言える人です。

「水」にまつわり、いつかこのブログでも取り上げたいと思っていました。
2015年(平成27年)に箕面で開催された講演会の演題は、まさに『水と緑で平和を創る』でした。
私もメイプルホールでその人柄と生き様に直に触れることができ、衝撃が走り心が震えました。
「飢えと渇きは薬では治せない」「ひとは銃を持つこともできるが鍬を持つこともできる」「武器ではなく 命の水を」「誰もそこへ行かぬから、我々がゆく。誰もしないから、我々がする。」

とてつもなく大きく、あまりにも劇的な人生と最期。享年73歳。
尊敬と感銘と慟哭の思いで言葉もありません。
ご冥福を深く深くお祈り申し上げます。

児童虐待をなくすためには、周囲のみなさんが子どものSOSサインに気づき、通報していただくことが、何より重要です。SOSサインに1つでも気づいたら、迷わず児童相談支援センター☎072-724-6233(夜間・休日は児童相談所全国共通ダイヤル☎189)へお電話ください。