なんかね、会っていきなりキララの手をとって語り出すんです。
先生は私のこと普通の子として扱ってくれるんですね。
今まで私の本当の気持ちは誰にも分からなかったのに、
どうして先生は私の気持ちが分かるんですか。
私の気持ちを言ってくれてありがとうございます。
こんな感じで通訳するんです。
最初先生が喋り出した時、
キララがすごく何かに集中していて、あんなに真剣な表情初めて見たから、
あー、これは本当かも…
って涙が出ました。
初めてキララの心の声が聞けた!
一瞬そう思ったのだけど…
そのうち先生はパソコンのキーボードでキララに文字を打たながら通訳し出して、
先生はキララの手に自分の手を添えてるから、
どっから見ても先生が動かしてるようにしか見えないし、
だいたいキララはアルファベット覚えてないし、
AとかBとか言えても、例えば「わ」が「wa」と打つなんて絶対知らないし、
先生に、「キララはアルファベット知らないと思うんですげど」と言うと、
「小学校で習いました」と言ってますと言うし。
通訳がホントかどうかは置いといても、
先生がペラペラ喋るその声そのものが、耳が過敏なキララには不快で段々興奮し出して、
先生の頭バコンと叩き、パパの手を噛み、私の頭も叩きが始まって。
先生に何で怒ってるか聞いたら、
キララの心を「初めて会った先生にいきなり自分の本当の気持ち言われて驚きと、今までは何だったのかという悔しい気持ち」と通訳された。
ホントかなぁ。
先生の声がうるさくて嫌なんです!って言ってもらった方が納得できたな。
結局私からキララの耳のこと説明して、
今日はもう興奮しちゃってお友達も噛んだら嫌なのでこれで帰りますと話すと、
先生は、「私はお友達は噛みません」と通訳した。
いやいや、何度も噛んでるし。
先生、「え、噛むんですか?」
そんな感じで途中で帰ったので、本格的なセッションには参加できなかった。
私の心は限りなくグレー。
パパの心は限りなく黒に近い。
ただ、会場に来てた人達に話を聞くと、全てが嘘とも思えず、
体の不自由な人は、確かに自分の気持ちを言ってもらえるから自分の意思で通ってるんだろうに…
これがキララにとって大きなチャンスなのか、
そうではないのか、
まだ決めてはいないけど、
考えるとなんか苦しくて吐きそうになる…
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