虹色仮面 通信

神出鬼没なオッサンが毎日感じたことを取り留めなく書き連ねます

目先を追ったのか?

2018-04-15 01:01:03 | 乗り物

先日、ある調べものをして気づいたことを書きます。

JR北海道では1日散歩きっぷという冬季以外の土日限定、札幌を中心としたエリアを普通列車や快速列車に限り、乗り放題できるお得なきっぷがあります。

かつては2060円でしたが、現在は2260円に値上げされました。経営状態がよろしくないJR北海道ですから、その料金設定はやむを得ない。公共性は強いが、私企業だから赤字のままでビジネスをする必要はないのだ。

さて、そのお得なきっぷ、昨年度から新千歳空港駅で買えなくなったという。

飛行機で来道された観光客、もちろんビジネス客にもJR(鉄道)を安価で気軽に利用してもらう絶好のチャンスなのに、そのチャンスをみすみす逃している。

JR北海道としては、単体で見たら(ビジネス的に)おいしくないのだろうが、機会創出の点でみたら、ありえない対応に思える。言い方は悪いが、頭がおかしいのではないか?と思った。

これなら直近のライバルである高速バスの機動性(行き先の自由度)には勝てない。

現状で、このお得なきっぷを購入できる新千歳空港から最も近い駅は千歳駅での購入となる。わざわざ千歳で下車して、そのお得なきっぷを買って乗り直すお客はいると思うのだろうか?

この事実を知った時に、JR北海道の体たらくの一端を垣間見た気がした。一事が万事である。

同じJRグループの優良企業であるJR東日本なら絶対にしない対応だ。彼らは東京エリアを抱えているから強いのではなく、その強みを最大化するのがとても上手で、えげつないくらい仕掛けている。首都圏で暮らすようになり、JR東日本の路線や各種施設、サービスを頻繁に使うようになり、JR北海道との大きな違いを痛切に感じた。

目先の損得ではなく、将来も含めて総合的に判断し、選択と集中を図る。勝ち組と負け組の分岐点はそういう部分の積み重ねの差にある。

JR北海道の現状はかなり厳しいが、このような取り組み方だと、これから先も厳しさは増していくだろう。新幹線の札幌延伸時には瀕死の状態かもしれないし、破綻している可能性も否定できない。

もし相対する競合の鉄道会社があれば、とっくに潰れているだろう。顧客より自らの都合を優先する企業が、今の時代に上向きになることはない。

あくまでも一つの(公益的な)企業のことではあるが、北海道を牽引するべきリーディング企業のだらし無さは北海道のダメっぷりを表しているに過ぎない。残念ではあるが、これが現実であることを官民問わず、そしてそこで暮らす道民は認識しなくてはいけない。

道産子としては、なんとも嘆かわしいことです。でもどうにも抗えないのも現実だったりします。